【感想・ネタバレ】南北戦争英雄伝 分断のアメリカを戦った男たちのレビュー

あらすじ

唯一の内戦にして、「アメリカ合衆国」の現在を形作ったといっても過言ではない南北戦争。好評を博した著者の『南北戦争』の姉妹編として、この内戦を戦った南軍/北軍の将軍計14名を取り上げる。名将、俗物、政治屋……ナポレオンでもネルソンでもリンカーンでもない、ちょっとクセがあって人間味あふれる「英雄」たちが織りなした事績を列伝形式で辿る。

【目次】
はじめに
第1章 素人の軍隊
[南軍]P・G・T・ボーリガード[北軍]G・B・マクレラン
第2章 南部連合の栄光
[南軍]T・ジャクソン[北軍]A・バーンサイド
第3章 困った人たち
[南軍]B・ブラッグ[北軍]B・バトラー
第4章 海の戦い
[南軍]R・セムズ[北軍]D・ファラガット
第5章 戦局の転換
[南軍]J・E・B・スチュアート[北軍]U・グラント
第6章 決戦
[南軍]R・E・リー[北軍]W・シャーマン
第7章 戦後の「戦い」
[南軍]J・ロングストリート[北軍]F・シェリダン
あとがき

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Posted by ブクログ

南北戦争の英雄列伝。
個性強めな南北両軍の軍人が紹介されている。
かなり凸凹のある人物だらけで面白い。
また、戦後もそれぞれの人生があって面白い。グランドは大統領になりはしたが評価は最低。一方負けた南軍側も処罰はされていないので、普通にビジネスに打ち込んだりしてて、何とも不思議な感じ。
また、両軍統率がとれておらず、戦局をコントロールしきっている人が皆無なのも面白い。
戦争だから悲惨な歴史だが、人間臭く味わい深い一冊。

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2025年07月03日

Posted by ブクログ

南北戦争における英雄はいない「英雄ならざる人々のドタバタ的な群像劇」、と言う。それは米国が共和主義国であり、たった一人の英雄、国王などを称える価値観を拒絶する精神と伝統がある、と言う。北軍の大統領であるエイブラハム・リンカーン(経歴の怪しげなダークホース的存在)は基本的に忠実でどちらかと言えば中立、厳格な三権分立と議会システムがあったからだともされる。だが、この戦争において多くの将軍はナポレオンを無類の戦い上手にして、民からの強く慕われてる国家指導者として尊敬していたが、南部も北部も政治家と将軍の内部対立が目立っており、北軍のリンカーン大統領に対し、南郡のデービス大統領に対しても然り、大統領に対して従順的好意がない将軍も多く、命令を無視するなど衝突していたのもその原因かもしれない。この南北戦争において、わずか4年間で米国史上最大の60万人もの戦死者が出たのは銃火器(弾倉後装銃)の革命が大きい、と言う。明治維新での会津討伐でもやはり最新の銃火器類の威力は群を抜き勝負を決めている。現代のロシアvsウクライナも様々な国々との連携とドローンなど新兵器が投入されるが、日に日に世界の国々が巻き込まれ、拡散拡大しつつある。そしていつ終戦を迎えるのか見えない状況となっているのが恐ろしい。

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2025年10月20日

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