【感想・ネタバレ】さっちゃんは、なぜ死んだのか?のレビュー

あらすじ

公園でホームレスの女性が殺害された。

犯人も殺された理由も不明。
殺害現場近くのカフェでバイトをしているセキグチユウコは、
仕事も人生もうまくいかなかった被害女性に「縁」を感じ、
導かれるように彼女の過去へ踏み込んでいく。
おひとりさま、毒親、貧困、時代ガチャ。

#さっちゃんはあなただったかもしれない
#さっちゃんはわたしだったかもしれない

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Posted by ブクログ

ネタバレ

真梨先生の真骨頂でしょうか。
ジリジリとした、他人から向けられる嫌味が含まれたような、
殺された「さっちゃん」の印象が、真梨先生らしくてとても好き。

そして、「さっちゃん」といい、「Nさん」といい
他人による、他人のフィルターを通して伝えられた印象と、
マスコミによるドラマティックに作られた印象が交錯することで、
死んだ本人のアイデンティティが壊されていく感覚が
何とも気味が悪い描写。

「死人に口なし」とはこのことか。

0
2025年03月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後に犯人はわかるけど、
もはやソレがメインではない感じがした。

公園でボームレスが殺害された。公賀沙知、57歳、独身。
関口祐子がバイトするカフェによく来ていた。殺された日にも来てた。関口は泡沫ブロガー、いつものようにパソコン叩いていたら「!」のキーが取れた。テレビボードを動かして探したら、そこに何故か公賀沙知の名前が!
調べてみるとどうやらボームレスのまえはここに住んでいたらしい。コロナ禍やらなんやらで、派遣の仕事はきれ、カフェのシフトも減り、ヒマになって調べていく。その結果をブログにかくと、なんとバズった。
沙知は大手広告代理店の派遣の仕事をしていたが、引き抜き?で小さな広告代理店の正社員となった。がそこが倒産。
「リゾートで楽しく稼ごう」の広告で熱海に行き、イベントコンパニオン兼売春婦として働かされる。そこが摘発されて、東京に戻るも,すぐに熱海の温泉の仲居(売春婦も)になり、男ができて一緒に東北へ。そこで子どもを産んで、出産。
コンパニオン仲間だった香川に勧誘されて怪しい宗教に入信し、子どもはあずけて、また東京に出てきたらしい。


板野光昭は元新聞記者。43才休職中。押し付けられた保護猫にチップが入ってて、前の飼い主のデータを消してもらうために調べてみた、すると、公賀沙知を殺した男、西岡政夫だった。
公賀沙知が殺された公園近くのマンションの掃除をしていた。
周りの証言では西岡は人を殺すような人間ではないという。保護猫をあずかったりして、優しい人だった。だが、西岡は自分が缶詰入りの袋で殴ってしまったと自首し、その後留置所で自殺してしまった。だからこの事件は被疑者死亡という形で終わった。

ほんとに、そう?

公賀の生きてきた人生が、関口祐子のブログによってバズったのは、
一本間違ったら、自分も彼女のようになったかもしれないから。#さっちゃんはあなただったかもしれない というタグでSNSで話題となった。
このお話のキモになるのは、もちろん犯人は結局だれなん?ってこともだけど
バブル期、就職氷河期の人たちが,あれからどう生きてきたのかってところがある。なんなら私も就職氷河期でして(年がバレる)、こわーって思ったよね。ある意味、おそるおそる生きてきた感すらある。
おそるおそるのおかげでか、公賀沙知や、関口祐子や、板野光昭のように食うに困ることはなかったのだけど(旦那に感謝)、なんか明日は我が身だったなとか、やっぱのこハッシュタグの
#さっちゃんはあなただったかもしれない
に共感してSNSのいいねをめちゃ押してたかも。

犯人はめちゃ意外な人です。目的も?そして、描かれてない結末も。
あと、
さっちゃんって・・・・?

0
2025年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この展開は都合が良すぎないか?と思う事多数だったが、伏線回収はなるほどと思った
二人のさっちゃんの直接の死因は異なるが、結局そこまで追い詰めたのは時代とか社会の影響が大きいという事なのだろうか
可哀想だと思ったが、いつか自分もそうなる可能性もあるだろうから他人事ではないなとも思った。

実際に数年前にあった女性ホームレス殺害事件が若干ベースになっているのかと思っていたが、参考文献を見る限りでは違う?

0
2024年11月25日

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