あらすじ
死が、かけがえのない生を輝かせる。
啓栄大学演劇研究会卒業生の元に届いた脅迫状。
『誰が木村を殺したのか、八年前の真実を知りたければ、2024年1月9日14時、雛月温泉の宿・極楽へ来い』
集められたのは、庭田、咲本、羽鳥、井波の4人。
木村が死んだあの日の夜、劇研4年生だった皆には、それぞれ秘密にしていることがあったーー。
奇跡は、舞台で起きる!
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ良かった!
前2作も好きだけど、好みで言うと今作が一番!……嘘、石井もめっちゃ好き。選べない。
小説だけど、かなり戯曲的。これは台本風の書き方が混ざることは勿論だけど、設定や場面転換なんかにも強く感じた。それでいて、終盤の畳み掛けは小説ならではの臨場感の出し方で、いいとこ取りみたいな感じ。
読み終わって、こういう仕掛けで結末ならあの部分はこういうセットで演出でって考えちゃう感じで読後も楽しい。これ舞台でも是非見たい。
Posted by ブクログ
気がついたら本を開いたその日に読み終えていた。
「死んだ山田と教室」のように物語は会話で進む。
今回は会話が被せてあって「 」の途中に割り込んで来るという手法。
作者のオリジナルなのかな。
慣れれば「あ、また」と思えるけれど、後半クライマックスで4人の会話がこれでもかと被されて、長過ぎて。
「ベロチュー」がけたたましく繰り返されるのも耳障り…あ!そう感じるほどの文章力はさすがと言うべきかも知れない。
大学の演劇研究会の仲間たちが、卒業してそれぞれの道を進み、様々な思いを抱えて生きている。
みんなが木村君への十字架を背負っていたけれど、ラストは平和に終われてホッとした。
当の木村君は、死んでも結構のほほんとしているような感じが良かったな。
それにしても、さすが演劇研究会〜8年前に言ったこと、聞いたことをよく覚えていて再演出来たなぁなんてチラッと思わないでもないけれど。
これぞエンタメ小説、って感じで楽しめたので大満足。
Posted by ブクログ
漫画の一話を見て面白そうだったので読んでみました。
話の本筋としては木村くんの死の謎に迫るミステリーで展開が気になり最後まで一気に読み終えました。
みんなそれぞれ秘密を抱えていて暴露していくシーンがあるのですが、そっちに話が行くのかー、と面白かったです。みんな木村くんが好き(というか囚われ)過ぎでしょ〜。
最初からなんだか読み辛さ(「」内の話し言葉の間に行動とかの地の文が凄く入ってくる)を感じていて、まるで○○みたいだなぁと思っていたのですが、そこはその通りでした。
あと最後の方の「」内に「」が更に被さっていく(しかも長長文)のも凄く読み辛かったです。
面白かったけれど読み辛さも多々あった(演出なのは分かっていますが)ので、私の評価は☆は3.5位です。
Posted by ブクログ
半分ほど脚本風に進んでいくので
スラスラ読みやすい作品。
途中まではただただ振り返るだけで
少し物足りなさを感じていたけれど、
終盤につれてそれぞれの秘密が暴露されていって
「なぜ木村は死んだのか」が真に追求されていく…
木村くんのキャラクターが魅力的すぎて、
彼が世界で活躍しているところも
見てみたかったなぁと思いつつ、
最後はやっぱり木村くんいないのかーーーー
生きてて欲しかったけれどしょうがないか…
それにしても皆、あんなぶっちゃけちゃった後で
一緒に演劇を続けるところが凄いなぁと
ある意味でハッピーエンドで嬉しかった!
作者さんの作品を3冊読んでみて、
幽霊というか…一度いなくなったであろう人物が
再登場する展開が今回も最後にあって、
木村くんはこの同期4人というより
演劇に未練があったんだと思っていたけれど、
思ったよりもこの4人が好きだったのかなぁ〜
と思ったりするのであった………。
Posted by ブクログ
「死んだ」シリーズ三作目。ラストの仕掛けはなるほどと思うし、解説動画を見て、木村はどんな声でこれ喋ってる?って考えると、たしかに面白い趣向だったなとは思うのだけれど、いかんせん台本部分が読みづらくてちょっと難儀。翻って考えてみて、普段の小説は、誰が喋っているのかを、言葉遣いや地の文でうまく表現しているのだなということに気付かされた。好みとしては、山田>石井>木村の順かな。
Posted by ブクログ
ほんタメのオチすごで紹介されていたので拝読。
演劇の世界はよくわからないけど「演劇は他者理解の芸術」というのがなんだか刺さった。
セリフの畳み掛けが臨場感があってすごかった。タイトルどおり上演されてたね。