【感想・ネタバレ】夜刑事のレビュー

あらすじ

「俺は、苦しくても警察にいつづける」

警察から憎まれ、犯罪者から狙われた、かつてなく孤独な刑事。
暗闇でしか活動できない“夜刑事(ヨルデカ)”の岬田は、絶望と背中合わせの捜査に当たるーー。
「新宿鮫」シリーズ、「狩人」シリーズから連なる、新たなる傑作刑事小説の誕生。
著者史上、最も孤独で美しいヒーローをフルスロットルで描く、待望の新シリーズ!

主人公は、全く新しいキャラクターの刑事。
犯罪者だけでなく同じ警察官からも憎まれ、これまでに書いてきたどの刑事よりも孤独で、絶望と背中あわせの日々を生きている。
また書きたいと思った主人公は久しぶりです。
――大沢在昌

【あらすじ】
ヴァンパイアウイルスと呼ばれる未知のウイルスに感染し、夜しか活動できなくなった刑事の岬田は、その代償として、極端に研ぎ澄まされた五感を手に入れた。岬田は、ウイルスに感染した犯罪者たち、そして感染者を排除しようとする活動家たちの思惑に巻き込まれながらも特命任務にあたり、ウイルスを感染させた元恋人の明林を捜そうとするーー。

【著者プロフィール】大沢在昌(おおさわ・ありまさ)
1956年愛知県生まれ。1979年、『感傷の街角』で小説推理新人賞を受賞し、作家デビュー。1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門を受賞。1994年『無間人形 新宿鮫Ⅳ』で直木賞を受賞する。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年、これまでの業績に対し、日本ミステリー文学大賞が授与される。2012年『絆回廊 新宿鮫Ⅹ』にて、4度目の日本冒険小説協会大賞を受賞する。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞受賞。2022年紫綬褒章受章。著書多数。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

太陽光に弱くなり、視覚や聴覚などの感覚が鋭くなる、そんなヴァンパイアウイルスが蔓延した世界(地球)を描くSFサスペンス小説。ぶっとんだ設定もさることながら、大衆的な文章がライトノベル然としていて読みやすく感じた。むしろ硬派な本ばかり読んでいる人には合わないかもしれない、そんな一冊。
主人公はヴァンパイアウイルスに感染した刑事なのだが、作中ではデコスケなどと呼ばれ、警察にも感染者にも忌み嫌われる存在。そんな彼と中国に雇われた女スパイが協力し、ヴァンパイアウイルスをばらまこうとするテロ組織を鎮圧するといったストーリー。感染者への差別、そして世界情勢はわたしたちの住む現実ともリンクする、親しみ深いテーマだと思う。そのため受け入れやすく、読みやすい文章もあいまって最後まで楽しく読めた。ちょっとした余韻を残したまま終わるが、これが続きがあるかもという期待をもたせると同時に、もし続きがなくても作品としてはスッキリ終われる心地よさもある。
気になったは、ことあるごとに人種(どこの国の出身か)が強調される点。たしかに国によって感染者への対策が異なるのは分かるが、店にどの国出身が多いかがそこまで関係するとは思えなかった。またヌクナムが平気な理由も明らかにされないところはモヤる。

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2025年03月18日

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