【感想・ネタバレ】恋する星屑 BLSFアンソロジーのレビュー

あらすじ

BLとSFから、第一線の作家たちが集結! ふたつのジャンルを架橋しながらその未来を創造する、唯一無二のアンソロジーが誕生。
■カバーイラスト:中村明日美子
■カバーデザイン:坂野公一(welle design)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

榎田尤利「聖域(サンクチュアリ)」
雑誌で読んだ。
実は人間だったよオチでなんだかな。痛みをコントロールするというか、痛むことで人間らしさを保とうとするのは面白かった。
あと結局気付いた時には手遅れ感で、バッドエンドだと感じた。作品ではハッピーエンドのように描かれていたが。

小川一水「二人しかいない!」
タイトルは11人いる!から?とも思った。
小川さんはツイッターでよく見かけるので、二次創作あるあるのこのネタもどこかで見たんだろうな。
この続きが読みたいところで終わってしまったのが残念。

高河ゆん「ナイトフォールと悪魔さん 0話」
既定の作品の0話ということで、世界観の説明も無いまま二人の交流を見せられて終わる。
雰囲気は良いが足りない。

おにぎり1000米「運命のセミあるいはまなざしの帝国」
オメガバースの変種的なセミとフェアリーの組み合わせ。
少年組の恋物語に合わせて大人組の恋愛話も披露されるが、結局始まりそうなところで終わるのが物足りない。

竹田人造「ラブラブ☆ラフトーク」
軽い感じで読みやすかった。
プログラムも結局は作り手の影響を受けているというわけで、その壮大さが面白かった。

琴柱遥「風が吹く日を待っている」
オメガバースと民族や歴史の話を絡めていて面白かった。
運命には敵わないベータ目線の話で良かったが、ベータ側の話で全部展開させていた方が好みだな。

尾上与一「テセウスを殺す」
虐殺器官やPSYCHO-PASSのBL二次創作って感じ。
PSYCHO-PASSのノベライズ担当の方もこのアンソロに参加しているんだが…。
こっちは終始第三者から二人を見る構図だったので面白かったし、トーリの思考を考える余白が良い。

吟鳥子 「HabitableにしてCognizableな領域で」
BLの歴史と二人の話を絡めていて良かった。
9PでわかるBL歴史漫画。

吉上亮「聖歌隊」
PSYCHO-PASSのスピンオフの小説を書いた作家作。
好みのBLではないし、世界観も好きではないが、余韻は良い。
人外BLか~。
世界観が特殊すぎるので、男女に当てはめても成り立つので、BLさは感じなかった。

木原音瀬「断」
雑誌では木原先生目当てで買って読んだので、また読んだ。
改めて読むと、バッドエンドだなあ。雑誌で読んだ時もそうだが、他がまあまあハッピーエンドだったり、一つの悲劇として描くに留まっているが、これは終末を思わせるバッドエンド。面白い。発想がドラえもんや星新一のような精子が死ぬ音が聞こえる、というワンアイディアなのに面白い。

樋口美沙緒「一億年先にきみがいても」
オメガバースの変種。オメガバースに長命を足した感じ。
ラスの気持ちを考えると胸がしめつけられるし、二人がラブラブになるところが見たかった。
ルーチェの先祖への思いとルーチェへの思いに揺れるところはもっと描いて欲しかったな。

一穂ミチ「BL」
天才ゆえに男同士の恋愛が普通になる世界を実現したら、という話。
しかしなんでBLSFでやると片方が死んだりする話になるんだ?悲劇よりもハッピーエンドが見たいんだけど。SFアンソロだからハッピーエンド縛りじゃない!ってことでここぞとばかりに好きなバッドエンドを書いてるのか?

全体的にBL畑の人は、従来のBLにSFガジェットをあてはめ、SF畑の人はSF要素に男同士の要素を足した感じ。軸がそれぞれ違うのを感じた。
短編なのでさくっと読みやすいものばかりだが、どれもこの続きが読みたいんだけどな、という感じで物足りなさがある。

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2025年07月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

BLでSFな12篇の作品集。身体やその感覚への執着が目立つ作品が多かった。普段からBLを書かれている作家さんとそうではない作家さんとでは作風がかなり違っていた印象を受けました。オメガバースはやっぱりちょっと分からない(汗)印象に残った作品のみ感想を。

榎田尤利「聖域(サンクチュアリ)」
The BLという感じで良かったです~(^-^)

小川一水「二人しかいない!」
面白かった。設定も複雑なんだろうけど簡単に思わせる筆力で私でもサクッと読めました。

高河ゆん「ナイトフォールと悪魔さん 0話」
導入部だろう…という感じのお話。関係ないけど高河さんでSFならアーシアンかな?影艶!影艶好き!!

竹田人造「ラブラブ☆ラフトーク」
登場人物がおバカぽくて懐かしい作風でした。

吟鳥子 「HabitableにしてCognizableな領域で」
主人公たちの姉が傍若無人(笑)私がBLを過去に少し読んでいたのは冒頭部分の年代あたりなのでちょっと懐かしかったです。

一穂ミチ「BL」
断トツで本作品集個人的No.1。大トリだったので印象が弱くなってしまったけどまた読み返したい。

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2024年12月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

BLアンソロジー→わかる
SFアンソロジー→わかる
BLSFアンソロジー→……?
といった感じで読み始めましたが、どのお話も大変面白かったです!
独特な世界観のSFにBL、想像以上に相性がいいですね…。

一穂ミチさんの「BL」では愛するがゆえに嘘をついてしまった。普通のBLだったらここで終わると思うのですが、ニンの細胞からクローンをつくるのを我慢する、という部分がSFだ!BLSFだ!と思いました。
小川一水さんの「二人しかいない!」では出会いがSF。一目惚れした相手と一緒にハトラックにより攫われてしまったどうしよう。
なぜこの2人だけ?それはあの中で1番アイコンタクトをしていた2人だから(番だと思われた)、はすごくドキッとするBL。

全編を通じて、ライトノベルにあるようなBL?とは違って生々しくなく、BLを読んだことがない人にも読みやすい作品だなと思いました。普段は苦手な人もSFだからありえるかも…といった気持ちにもなり手に取りやすいのではとも思いました。

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2025年10月13日

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