あらすじ
大正八年、帝国新報の記者・可能勝郎は、東京市郊外の世田谷村にやってきた。村一番の富豪である守泉家が、「なかむら座」を招いて『番町皿屋敷』を上演するのを取材するためだ。守泉邸は上空から見ると「む」のような形をしていて、通称「むの字屋敷」と呼ばれている。勝郎は「なかむら座」の俳優・静禰や、屋敷に滞在していた伊藤晴雨のモデル・カネなどにも話を聞きながら上演日を待つことに。しかし、深夜に勝郎が女性の死体を発見するものの現場を離れたわずかな間に消失、上演後の打ち上げの席では衆人環視下の殺人まで巻き起こる! 売り出し中の“探偵小僧”明智少年と共に推理を巡らす勝郎だったが……。レジェンド辻真先が、本格ミステリの楽しみを随所に鏤めて贈る、最新長編。
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Posted by ブクログ
辻真先さんっておいくつでしたっけ?自分らが子供の頃のアニメの脚本をやられていたような。
そういう大御所だけに、大正時代の描写がリアル。そこが最近のうすっぺらい推理物とは大違いですわね。
明智小五郎の探偵誕生譚ってことになるのかな。そういうのって著作権とかもういいのかしらね。
さて、本題ですが、「以心伝心」(テレパシー)とかが普通に出てきて、まあ大正だからいいかあと寛容な態度で読ませていただきました。怪しい奴は最初から予想ついたし、謎解きで初めて明かされることばかりですが、まあ、いいかあ。
Posted by ブクログ
世田谷村一番の富豪・守泉家が招いた「むらかみ座」の取材にやってきた可能勝郎。守泉邸は上空から見ると「む」のような形をし、「むの字屋敷」と呼ばれていた。
深夜、勝郎が女性の死体を発見するが、僅かな間に消失、更に上演後の打ち上げで殺人事件が…。
今読んでいる昔の克郎のシリーズや瓜生慎のシリーズよりも、最近の作品の方がしっかりしている…。確か作者は90歳超えていた気がする…。明智小五郎や克郎とキリコの祖父の共演も楽しい。