【感想・ネタバレ】家族のレビュー

あらすじ

動けなくなった家族は、誰が看るのですか? 自宅火災の跡から殺害された家族三人の遺体が出た。唯一生き残った長女は典型的なヤングケアラーだった。少子高齢化、認知症、貧困、格差、少年犯罪、教育――。日本が抱える問題は、すべて家族の問題につながっていく。いずれ誰もが直面する現実を描く問題作!
雑誌記者の笹山真由美は、若年性アルツハイマーを発症した父に付き添い病院を訪れた。彼女はその病院のICUで、頭に包帯が巻かれ、複数の管につながれた意識のない少女・美咲が流す涙を目撃する。美咲の家族は殺害され、自宅火災の焼け跡から遺体で発見されていた。事件を調べ始めた真由美は、美咲が典型的なヤングケアラーだったことを知る。重度の障害者の兄と認知症の祖母の面倒を、看護師の母にかわって一人で看ていた美咲が、衝動的に家族を殺して放火したと考える警察の見解に違和感を覚えた真由美が突き詰めた衝撃の真実とは……?

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Posted by ブクログ

若年性アルツハイマーを発症した父親を持つ雑誌記者笹山真由美は、家族を殺害、自宅に放火した直後に交通事故に遭い意識不明のヤングケアラー美咲の取材を進める。警察は、認知症の祖母と障害者の兄を看護師の母にかわって一人で看ていた美咲が、衝動的に家族を殺して放火したと考えるが…。ヤングケアラーを題材にした社会派小説。作者さんには珍しいジャンルだったが読み応えがあった。

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2024年12月01日

Posted by ブクログ

雑誌記者の笹山真由美は、若年性アルツハイマーを発症した父に付き添い訪れた病院で、知り合いの刑事を見かける。
その刑事がエレベーターで降りたところにはICUがあり、自宅火災で家族が亡くなり1人残された少女が複数の管に繋がれて意識不明のままいた。

事件を調べ始めた真由美は、少女が典型的なヤングケアラーだったことを知る。

事故で重度の障害者の兄と認知症の祖母を家事をしながら看護師の母に代わって介護していた少女が衝動的に3人を殺して放火したのでは…と警察はみていたが。

真由美自身も認知症が進む父をみながら彼女が殺害したことに違和感を感じていた。
彼女の友人やバイト先や学校、そして母親の勤務先の病院などを調べると…。


いずれ誰もが直面する現実である。
核家族になり、寿命が伸びると認知症になる確率は高くなる。
家族を犠牲にしてまで面倒を見てもらうわけには…と思うが、認知症になった本人にはわからない。
若くても事故や病気でいつ身体が動かなくなるのか…それもわからない。

教育、政治、社会で子どもたちを見守り、育てていく体制を作ることが必要だと思っていても現実叶うのは難しい。

ヤングケアラーの本も何冊かは読んでいるが、かなり心痛を感じる読書時間だった。


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2024年12月15日

Posted by ブクログ

感想
近すぎる存在。否応なく巻き込まれ離れることができない。それは美徳ではない。周りが手を差し伸べる。それだけでは弱い。無理にでも剥がす。

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2024年11月14日

Posted by ブクログ

ヤングケアラーに光を当てた作品。この国の福祉政策に一石を投じた作者渾身の作品である。
この作者はいわゆる危機管理小説を主戦場としていたが、新たな分野として社会派の小説にも注力したのだろう。
文章自体が読みやすく、作者の提言を込めた作品として評価したい。

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2024年11月09日

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