あらすじ
「とにかくヘンな小説をお願いします」そんな型破りな依頼に応えるべく、炒めて煮込んで未知の旨味を引き出した傑作集。憎き取引先への復讐を計画する「そうだ、デスゲームを作ろう」、集団心理を皮肉った「行列のできるクロワッサン」、第76回日本推理作家協会賞ノミネートの『ファーストが裏切った』など、日々の違和感を増殖、暴走させてたどり着いた前人未到の五編。これも浅倉秋成。いや、これこそが浅倉秋成。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
YouTubeで紹介動画が流れてきて面白そうだったので購入。
特に「そうだ、デスゲームを作ろう」が好きだった。
やっと果たせると思った復讐が果たせず終わってしまった絶望感や未達成感をすごく味わえた
Posted by ブクログ
浅倉秋成さんの本を読んでみた。(二週目)
5編からなる短編小説集なのですがどれも面白かった。
次に読む本が決まっていない方おすすめ
人の醜い部分や怖い部分、面白い部分が垣間見えるような作品だったと思います。
短く感想を、、ネタばれします。
一話目のデスゲームのお話は、主人公悪くないですよね。
どう考えても取引先のやつの行動は許されるべきではないものだと思いました。たまーに目つきが、、って思う人もいるけど、でもだめでしょ。
この物語では、行動の原動力は必ずしも情熱などのポジティブな要素とは限らないことを理解したように思います。
もしかしたら、怒りや憎しみのほうが情熱よりも行動力を高められるんじゃないかと思ってしまうような作品でした。
あと、主人公様。辛抱しすぎるのは良くない。
二話目のクロワッサンでの同調圧力はよくわかる。
不思議なことに人は他と違うと不安になる生き物らしいです。
そんなことない。自分は自分。と思っている人も作品と同じ状況になったら耐えることはできるのでしょうか。作品の中でも主人公のお友達の一人がそんな感じでした。「私たちは行かなくても、」といった矢先に行列に並んでいたのを見つけたシーンではまさに同調圧力のすごさがわかりました。
不安を増殖させ、安心するためには周りに合わせることが必要。
そんなものに実際会ったら僕は勝てるのでしょうか
三話目の花嫁がもどらない話は他責について考えれた。
人にはいつも問題が立ちはだかると思います。原因を自分にベクトル向けて考えられているのか振り返れた作品でした。作中でも、花嫁がもどらない原因を「あの人の○○じゃないですか」と疑うシーンが多々あり、最後で紛争地帯と比喩できるほどの荒れた会場に変わってしまうシーンがありました。
問題の原因を自分から離れ指すのは簡単であり、安心します。
しかし、全員がそのような考えなら作中のようにぶつかり合うのは当然です。
話が壮大かもしれませんが、戦争の一番最初の原因ってこういったことから始まっている可能性もあるのではないでしょうか?この時の文章書いている私も自分が原因とは考えていないのでは、、(さすがに戦争を自分が原因とは考えないのは普通かもしれませんが)
まあ、これからはサッカーするときとか、常に自分にベクトルを向けてから考えるようにしようと思った作品でした。
四話目のファーストが裏切った話では、人間の怖さの可能性を知れたように思いました。人は行動しようと思えば何でもできてしまうのが怖いところです。作中では膜というものが人間を守ってくれているのだと書いてありました。確かに、言葉では表せないが「やってはダメなライン、ゾーン」が人間であれば備わっていると思います。これをやったらどうなってしまうのかということは言葉で説明できると思いますが、これをやらないようにしてくれている人間の「これ」は何というのでしょうか?(自分でも何かいてるかわからなくなってきた)
なんとなく、人間の好奇心に憎さや怒りがかけ合わさったとき、この膜が割れてしまう可能性が高まるんじゃないかと勝手に考えました。
五話目の完全なる命名は、シンプルにおもしろおかしい作品でした。
妄想癖がすごい主人公が子供に完璧な名前を付けようという作品です。
無難な名前だったり、壮大な名前だったり、神様から急にインスピレーションをもらった名前だったり、名前って何がいいんでしょうね。
壮大な名前を付けたら、グローバルに活躍するような子供になるかもしれない、無難な名前は平凡だけど幸せかもしれない、名が子供の人生の範囲のようなものを決めるかもしれない、名前って何がいいんでしょうね。
こうやってアウトプットするの意外と楽しいかも
Posted by ブクログ
純度100%のエンタメ
オチはあるけどスッキリ解決とかは無くて雑に終わる感じが好き
マジシャンがトランプ叩きつけるシーンが理不尽の極み過ぎて好き
Posted by ブクログ
いやー、愉快な話だった。
特に花嫁と名前の話が面白すぎて笑いそうになった。
人間心理的な部分や社会の問題を描きつつ、そこに明らかにフィクション的な設定を入れ込むことで滑稽に見えてくる。
くだらないけれど、笑えるだけじゃないこの作品のバランスが好き。
花嫁の話は、あまりに言いがかりが酷くて滑稽で、でもこれが人間だよなと思った。
ここ数年読んだ短編の中で花嫁の話は1番好き。
Posted by ブクログ
じわじわくるおもしろさ。
少し世にも奇妙な物語を思い出しました。
特に、「花嫁がもどらない」が、バカバカしいんだけど、それ故の滑稽さというのがありありと想像できておもしろかった。
野球に詳しくないからか、哲学っぽいところをわたしが理解できなかったからなのか、鳥兜の乱だけはよく分からなかったけど、試合中のドタバタ劇はおもしろく読んでます。