あらすじ
[村で次々起こる凶事は魔女の呪いなのか?]
雪が降ったのなら、
あんたたちみんな、
これから死ぬよ。
呪いの村に連続する怪死。
この村の秘密は、絶対に見抜けない。
その村を見おろす山からは、かつて魔女とされた女たちが突き落とされて死んだ――。
現在、村は実業家ティオンヴィル氏によって所有され、平穏を保っていた。だが、新たに赴任した警察署長ジュリアンは、この村は何かおかしいと疑いはじめる。
実在しない作家について執拗に図書館に訊ねる老人。
子供が騒いで寝られないと苦情をよこすバス運転手。
2年前に羊を殺戮し、直後に怪死を遂げた羊飼い。
そしてこの村には、ありとあらゆる場所に監視カメラがあるのだ……。
エスカレートしてゆく怪事、死んでゆく村人たち。ジュリアンと部下たちの奔走もむなしく、雪の降る夜に恐怖はクライマックスを迎える!
『魔王の島』で日本のミステリ通を驚愕させた鬼才が、ふたたび放つショッキングな真相。果たしてこの村に隠された秘密とは――?
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Posted by ブクログ
フランスの作家、ジェローム・ルブリの邦訳第二作。邦題の雰囲気が前作「魔王の島」と似ているが、全く関係ないので今作から読んでも問題なし。
小高い山と二つの丘、その下に広がる森に囲まれたモンモール村。古くからの魔女狩りの言い伝えがありつつも牧歌的な村が、羊飼いが羊を殺し自殺する事件をきっかけに一変する…
前作はサイコサスペンス+フランスらしいミステリだったが、今作は外連味が一味も二味も違い、ホラーサスペンスの域。個人的には、版元は異なるが、マネル・ロウレイロの「生贄の門」のしっかりとした捜査パートを、ホラー寄りに振り切った感じ(もちろん、ラストは全く異なるが)。
ミステリとしては前作の方が衝撃度は上だが、怖さは今作が圧倒的。じわじわと追い詰められていくこの雰囲気は他の作家では味わえない。次作以降も翻訳を続けてほしい。
Posted by ブクログ
「魔王の島」を読んでいなければ、つまり作品への先入観を持たなければもっと楽しめただろうなとは思う。まーた作中作めいた実在しない物語かあ。
謎には答えが示され、きちんとオチてはいるし納得もできるのだが、ヴァンサンやシビルといった「架空の」人物の一人称視点がある点だけはアンフェアなように思う。まさかカミーユの読んだ報告メモが小説体系で書かれていたはずもなかろうし。
Posted by ブクログ
かつて、魔女だと糾弾された女性達が殺された山。その麓に、実業家が私財を投じて作り、管理する小さな村があった。そこの警察に、新しく署長のジュリアンが赴任。平和な村だと聞いていたのに、立て続けに死亡事件が起こる。ジュリアンと部下たちは解決のために奔走するが、その部下たちも‥。
村人や、ジュリアンの部下たちの死に様がコワイ。みな、聞こえるはずのない声を聞いていた。殺された魔女たちの呪い??と、見せかけて、驚天動地の仕掛けが明かされる。全ては実業家が、脳の病気の娘を治すために仕組んだ、壮大な劇場だったのだ。現代の医科学であんなことが可能なのか?は置いといて、愛する娘のためとはいえ、この実業家の情熱はすごいなと思う。
こわいよー、から、ええ?マジか?となる。すっかり騙された。警察署の人たち、けっこう好きだったんだけどな‥。
Posted by ブクログ
たまたま見つけて読んだけど、面白かった。
それぞれの死に方が想像で、脳波?から読み取った的なのはどうかと思うけど。
それぞれが個室に入れられているんじゃなく、実際にモンモールで生活しいた…は現実感なさすぎか。
Posted by ブクログ
・あらすじ
フランスの架空の街モンモールが舞台。
ジュリアンは新人の警察署長としてモンモール山という岩山が聳え立つ小さな集落モンモールに赴任してきた。
近代的に整備された町並みはある一人の富豪ティオンビルが村を買取り私財を投資しているからだという。
この村には1600年代に魔女狩りと称して村の女性たちを幾人も岩山から突き落とし、その女性たちが魔女となり村に呪いをかけたという言い伝えがあった。
そしてジュリアンの赴任初日から村で何人もの人間が恐ろしい方法で死んでいく。
・感想
魔王の島の作者だし、合間に挟まれる「事実」パートが脳の電気信号やら薬の作用がなんちゃらと書いてあったので人体実験の話なのかな?と予想しながら読んでた。
大体予想通りだったけど、次々と起こる事件は結構陰惨、ホラーは読みなれてない&あまり得意ではないのでホラー描写には結構ドキドキした。
続きが気になって読む手が止まらないのも前作?と同様でおもしろかった。
けど思わせぶりな台詞や描写も明かされてみれば「そんなもんか」程度だったなという印象。
どっちかといったら魔王の島の方が好みだったかも。