【感想・ネタバレ】エヌビディア 半導体の覇者が作り出す2040年の世界のレビュー

あらすじ

半導体業界で独走するエヌビディアは時価総額3兆ドルを記録。今後、私たちにどのような影響を与えるのか、世界中に広がる技術を解説。 ●いきなり世界トップの企業になったのはなぜ? エヌビディアの強みは、ハード(GPU)だけではない。ソフト(CUDA)、加えてシステム化するために必要な技術を盛り込んだソリューション全てを提供するプラットフォーマー。 ●日本の半導体産業が凋落した意外な理由 これまで、メディアでは「日米貿易摩擦によって米国に潰された」「政府がバックアップしなかった」と報じられてきたが、半導体にかかわる人たちは、まったく違う見方をしていた。 ●これから、AI社会の未来はどうなる? あらゆる技術が開発され、現在エヌビディアは世界各国の政府や民間企業1137社と提携して事業を展開中。どのようなことに使われ、私たちの生活にどのような影響を及ぼすのか。 ●時価総額世界一の“化け物”は、何を考えているのか CEOのジェンスン・ファン氏は、10年単位でものを考える人物。少数精鋭の“熱狂するエンジニア”集団の活躍が、私たちの未来を変えていく。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

先日、エヌビディアの本を読みました。
半導体企業として創業した同社が、時価総額3兆ドルにまで成長した過程がわかりやすく書かれています。

個人的に一番の勝因は、経営陣・社員・サプライヤー・顧客を対等なパートナーとみなす文化だと思います。
この文化があるから、技術者は半導体開発だけでなく、ユーザーにとって使いやすい環境作りにも柔軟に関われるのです。

意思決定がフラットでスピーディーな点も大きな強み。
市場の変化や顧客ニーズを素早く取り入れることができ、AI分野への転換も可能になったのでしょう。

面白いのは、日本のゲーム機ハード競争(Nintendo64、PlayStation、セガサターン)が、結果的にGPU技術向上のヒントになったことです。
そして、開発したGPUがディープラーニングに活用される──皮肉ですが非常に興味深い流れです。

日本人の働き方についての指摘も印象的でした。
“やらされ仕事ではなく自分でやる仕事”として捉えること、残業判断を社員に委ねること、責任をチームで共有すること。
こうした考え方の違いが、海外から見る「働かない」という評価につながるのだと納得しました。

総じて、この本は単なる企業分析ではなく、日本の働き方や組織文化に示唆を与える一冊です。
政治家や経営者の方々にもぜひ手に取ってほしい内容です。

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マイクロソフトはいまやソフトよりもクラウドビジネス。世界中にデータセンタ尾と自前の船でファイバーケーブルお敷設している。
2007年頃は、エヌビディアはゲーム機用GPUの会社だった。2016年には人工知能1色になっていた。
「この会社にボスはいない。プロジェクトがボス」
TSMCに言わせると日本人は働かない。残業を嫌がるのは裁量権がないから。
ムーアの買収には失敗=ムーアはライセンス供与の会社で、エヌビディアの傘下になると中立性が担保されない。
2018年、レイ・トレーシングの技術を開発。核融合のシミュレーションに使われて、技術開発が可能と立証された。
マグニフィセント・セブン=GAFAMに加えて、テスラとエヌビディア。
ファブレス、ファウンドリ、IDM。半導体企業全体の規模の推定には、ファウンドリの売上は加えない。
インテルやサムソンはIDMだが、ファウンドリもやっている。
トロント大学の画像認識技術ALEXNETが発端。CPUでけいさんするよりも GPUで計算したほうが早いことがわかった。
1988年以降、日本だけが沈んだ。=世界の伸びについていけなかった。半導体協定のせいではなく、企業の判断。
総合電機メーカーのいち部門だったため、先進性に気が付かなかった。総合電機からIT機器の時代についていけなかった。むしろ半導体はお荷物。半導体専業はロームくらい。
製造装置や素材産業は強い。東京エレクトロン、SCREEN、アドバンテスト、イビデン、JSRなど。海外売上比率が高い。
サムスンがDRAMのライセンスを求めたときも断った。サムスンはマイクロン社のライセンスを買い、日本のエンジニアを給料より高い土日のアルバイトで雇って、成功した。
ファブレス企業は、1985年前後に雨後の筍のように誕生。何を作るか。ファブレス企業のほうが成長率が高い。
IDMで成功したメモリ以外の企業はインテルだけ。
日本はDRAMを捨ててシステムLSIに特化。少量多品種の特性を活かせなかった。
ファウンドリには下請けのイメージがあるが、台湾企業は気にせずビジネスに徹した。
VLSIの設計手法の教科書によって、ファブレス企業の誕生が後押しされた。
EDAベンダー企業=半導体設計のためのソフトウェアを作っている会社。シノプシス、ケイデンス、シーメンスEDAなど。
TSMCやラピタスでは活性化しない。長年、TI、台湾のUMCは日本に工場がある。ラピダスの補助金は9200エクを超える。トータルで5兆円を超える。国策会社が世界で競争できるか。
メタバースへの応用。自動運転やパーソナル医療に活かせる。
エヌビディアの強みは、プラットフォーマー。ハード、ソフトだけでなく、ソフトウェア開発環境も提供する。インテルとAMDも対抗するチップはあるが開発環境がない。
OPENAIは、1兆パラメータある。

2012年のalexNET技術、2022年にCHATGPTが登場、次の10年はどうなるか。微細化技術は鈍化している。それを補うのが大量のGPU。
2045年頃のシンギュラリティには、脳細胞とマシンのニューロン演算器の数が等しくなる。

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2025年09月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生成AI、半導体、いろんな企業が新しく注目されたりしている中で、

NVIDIAという会社もよく聞くようになった。

『半導体戦争』で半導体産業全体について詳しく書かれていたのをざっと読み、

多くを忘れ、また今回少し学び直す。

NVIDIAは、ファブレス企業らしい。

1993.4.5に、台湾生まれでアメリカ在住のジェンスン・ファンさんがシリコンバレーに創設。

2023年5月に時価総額が1兆ドル超える。

2024年には3兆円超え、一時期、世界一になる。

本書では、NVIDIAの強みや特長に加え、そもそも半導体とは、ということや、半導体産業のこれまでとこれから、日本の同分野での失墜、についても紹介され、少し専門的で難しいところもありますが、NVIDIAがどのように世界の頂点に立つに至ったのかをより広く考える材料を与えてくれているかと思います。

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2025年04月08日

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