【感想・ネタバレ】レコンキスタ―「スペイン」を生んだ中世800年の戦争と平和のレビュー

あらすじ

電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。
8世紀の初め、ジブラルタル海峡を渡ってイベリア半島、さらにフランスまでを席巻したイスラーム勢力。その後はキリスト教徒側が少しずつ押し戻し、1492年のグラナダ陥落でイスラーム勢力を駆逐した。この800年に及ぶ「聖戦」はレコンキスタの一語でまとめられてきた。だが、どちらの勢力も一枚岩ではなく、戦争と平和、寛容と不寛容、融和と軋轢が交錯していた。レコンキスタの全貌を明かす、初の通史。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

1492年のグラナダ陥落でイスラム勢力を駆逐した。800年に及ぶ「聖戦」レコンキスタ。

キリスト教徒、イスラム勢力、ユダヤ人とイベリア半島内に色んな勢力があり、宗教が同じでも対立し、異教徒とも同盟を結び、更には王国内でも権力闘争があったりとドロドロに混乱している。しかも、フェルディナントやアルフォンソが何人もいて…。しかし、面白い。

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2025年10月09日

Posted by ブクログ

イベリア半島の中世史を概観する。
レコンキスタって用語は後世になって用いられたもので、当時の人々は用いていない。つまりレコンキスタという目標が掲げられて王国の興亡が展開されたわけではない。
この時代、洋の東西を問わず攻撃力よりも防御力が優っていたので、殲滅戦にならない。いったん敗北しても他日の復活が容易だ。そのためいかに戦闘を終了させるかの交渉力にも長けていく。欧州のしぶとさはこんなところにもあるわけだ。もうひとつ、王権の継承にあたっては必ず兄弟間で揉める。これも東西共通で、人の業なんだろうな。

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2025年02月25日

Posted by ブクログ

 スペインはヨーロッパのなかで特殊であり、特にわからないのが、なぜスペインだけイスラムに支配され続けたのかである。レコンキスタといえば、敬虔なキリスト教徒が大変な思いをして800年もかけてイスラムに支配された国土を回復したというイメージを持っているが、どうやら多くの住民が狭量なキリスト教よりも寛容なイスラム教を選んだのだ。そして隣接するキリスト教国もアンダルシア地方が、緩やかなイスラム支配を選んだのだ。
 グラナダのナスル朝が支配している面積も人口も国力も、カスティーリャ王国に比べればとても小さいにもかかわらず、250年もの間追い出さなかったのは、そんなに邪魔ではなかったし、キリスト教徒がアンダルシアで普及しなかったという背景もある。16世紀の近代社会は効率的な封建制度を確立するためには、キリスト教で国家を統一しなければならなくなった。1492年にグラナダが陥落するのだが、その年にユダヤ人を追放し、1502年には、イスラム教徒を追放するのだ。
 この本は、スペインという国を理解するには良い本だと思います。というよりレコンキスタを理解しない限り、スペインはわからないのだと思います。

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2024年10月29日

Posted by ブクログ

しばらく読み進めたあと西洋中世史をおさらいする必要を感じ、高校の教科者を取り出すことになった。
イベリア半島でのキリスト教勢力によるイスラム勢力の駆逐は、レコンキスタとして世界史で学んだほどには、単純でなかった。宗教的な運動というよりも、それを名目にした抗争と理解した。王やカリフの戦死や夭逝により政権基盤が不安定となると、内部抗争で本来の敵の勢力の一部と同盟関係を結ぶので、複雑で理解がなかなか追いつかなかった。イスラム勢力は宗教的には寛大だったことや、中世の戦争や戦後処理の方法をみると、当時の社会は現代よりも寛容に見えて、興味深かかった。
とにかくたくさんの勢力が現れ、複雑に絡み合うので(しかも本では前後して何度か現れることがある)、それらを整理させたく関係図を作ろうとしたが、途中で断念した。これがわかるような工夫があれば、もう少し読みやすかったと思う。

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2025年10月06日

Posted by ブクログ

中世のスペインを理解できる良書。キリスト教とイスラム教、十字軍、ジハード等、目まぐるしくスペインの領地で争いが続く。前半の史実を追う部分は詳細すぎて頭がついていかなかった。後半の第6章にある征服や闘いの実態が記載されているところが興味深い。クライマックスはグラナダの陥落。旅行で訪れたグラナダの街を思い浮かべながら読んで、かなり没入できた。

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2025年02月14日

Posted by ブクログ

単語はしっているが、細かいところは知らなかったので手に取ってみた。

レコンキスタがどんなものかは感じられたが、そもそもスペイン史に興味を持っている人向けの内容で、スペインの地理に疎く、世界史もとっていなかった身としては通読したに止まってしまった。人名も聞きなれないことも原因かもしれない。

個人的な興味をもつ目的とはミスマッチだったが、本書のタイトルを見てもっと深く知りたい方にはピッタリだと感じた。

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2025年01月08日

Posted by ブクログ

レコンキスタというキーワードを軸に、中世のスペイン史について学ぶことができる本。単なる宗教対立ではなく、各時代の国、領主のパワーバランスにより、領土や協力関係が移り変わり、歴史が紡がれて来たことを知ることは、現代の情勢にも通じるものがあると感じた。

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2024年12月20日

Posted by ブクログ

800年の歴史がよくまとまっている。慣れない地名人名に戸惑うが、人種宗教の単純な対立ではない歴史を改めて知る。誠実な基本書として。

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2024年10月31日

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