あらすじ
幼い頃から、ピンクもリボンも恋愛も好きではなかった。
だから私は、世界から逃げ出した――。
「やさしい死に方」を教えてくれるという喫茶店に集まった三人。
「女」であることへの違和感を押し殺してきた沙保。
家の関係で、ゲイであることを誰にも言えなかったミナト。
そして、なぜここにいるのかわからないほど、全てから自由に生きる律。
奇妙な共同生活の中で、沙保はこれまでの「当たり前」から解き放たれて――。
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Posted by ブクログ
凄い面白かった…!
ずっと律がマツコデラックスに見えてたけど
喋り方がそっくりで)
生きづらさを抱えた女の子が
人生の終わりにと行った場所が
彼女を変える出会いになるんだけど
本当に癒される
最後の方に律が言うセリフがあって
凄いぐっときました
Posted by ブクログ
多様性の現代。
知らないことはまだまだたくさんあるなって思いました。
なんでも決めつける人間にはなりたくないって思うので(決めつける人、苦手)、沙保の母親すごく嫌だった。むしろこういう人の方が問題ありだよね?
このような形のシェルター必要ですね。
すごく好きな小説でした。
Posted by ブクログ
良かった!!
女の子はこうあるべきと小さな頃から母親より呪いをかけられ続けてきた沙保
○○家に産まれたからにはこうあるべきと家によって呪いをかけられ続けてきたミナト
呪縛から解き放たれるために、自殺を選ぼうとした2人が辿り着いた場所
そこにいたのは底抜けに明るい律さん。
シェルターみたいな場所=スノードームで3人の共同生活が始まります。
沙保の母親が本っ当に嫌い。最悪。
律さんが救いですね。律さんの言葉が共感の嵐です。
自分で自分を大切にしていけるように。
Posted by ブクログ
女として、男として生きにくさを感じて死を望む沙保とミナトと、完璧な尊厳死を望む律との、希死念慮をもつ3人の不思議な生活。物語後半は結末にドキドキしたけど、辛さを抱えながらも生き続ける決断をした結末に少し安心。おそらくほんの少し前まで(今でも)「女だから」というしがらみは世の中にたくさん当たり前にあったこと。多少は良くなってる部分もあるかもしれないが、「普通の人」の枠に当てはまらなければ、行きにくい世の中。沙保のコラムのように、現実でも多くの人たちが自分の辛さや経験をSNSで共有していて、皆持つ悩みは異なるけど、似た経験をした仲間とたまたますれ違って気が合う人が見つけられる社会だったらいいなと思う
Posted by ブクログ
「アセクシャル」という言葉を、恥ずかしながら初めて知った。きっと今の時代多いのではないかと予想する。この言葉が表に出たことで認識した人や安心した人も多いのでは…?
生理も、重いとか軽いとか人それぞれというのがタチ悪いよなぁと思う。なんてことない人はなんてことないもんだから、重い人の気持ちなんて理解しきれないだろうな。
全体的に暗くて元気な時じゃないと読み進めるのが辛く感じちゃうかもしれないけれど、最後の数ページは“律の名言”が多発してて良かった。
そのうちの一つ、
『とにかくこの世は雑音が多いのよ。その雑音に囚われないで。本当は何をしたかったのか、本当の自分はどんなだったのか、取り戻せるのはあなただけだわ』
これは何度も読み返した。
読み終えて…、
他人についても自分についても、焦って理解しようなんて思わず、まずは認めること。知ろうとすることを大事にしたい。その上で、自分の物差しは奥に仕舞って、初心の気持ちで向き合っていきたい。