あらすじ
白昼、渋谷のスクランブル交差点で爆弾テロ! 2000個の鋼鉄球が一瞬のうちに多くの人生を奪った。新興宗教の教祖に死刑判決が下された直後だった。妻が獄中にいる複雑な事情を抱えた刑事・鳴尾良輔(なるおりょうすけ)は実行犯の照屋礼子(てるやれいこ)を突きとめるが、彼女はかつて公安が教団に送り込んだ人物だった。人間心理の深奥に迫る野沢ミステリーの白眉。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
10ページをすぎたところで爆弾テロのシーン。
それから10ページにわたって、ここの死の様子を延々と読む羽目になり、これはつらいと思ったのだが。
案に相違して、読む手が止まらなかった。
信徒を使って爆弾テロを行った新興宗教。
死刑を言い渡された教祖と、逮捕された幹部信者の他に、報道されてはいないが潜伏を続ける信者がいる。
照屋礼子、彼女は公安のスパイだった。
公安のスパイではあるが、潜伏するためには信者に成りすまさなければならない。
一番つらい修行を積極的に受けることで、彼女は教団の疑いをはらしたものの、徐々に彼女の中で二つの顔が均衡を崩し始める。
いや、過剰に均衡を取りはじめるといった方が良いか。
「メシア神道」とは、教祖・坂上輪水の迷妄に世界中の宗教を切り張りしたものが、時代の閉塞感の中で居場所を求める人たちに圧倒的に支持されて急速に巨大化した新興宗教。
それは、思うにまかせぬ世の中に対する恨みや苛立ちを糧として育ち、武装したことによる高揚感で過激な行動に踏み出してしまったことで有名になってしまったもの。
ただ、彼女の行動のおぞましさは、教団に潜入したからというわけではないことが後半わかってくる。
彼女の心の闇が、一体どこから生まれたものなのかはともかく、彼女はそんな自分を受け入れることも切り捨てることも出来なかった。
だから賭けた。
自分は生きのびていいのか、生きていてはいけないのかの判断を、鳴尾良輔という一人の刑事に。
それと並行して鳴尾と妻である安住籐子の物語が紡がれる。
400ページ強、膨大な情報量と重苦しい世界観。
読み終えたとき、駆け抜けた満足感ったらなかったよ。
Posted by ブクログ
渋谷で爆破テロ。鉄球が炸裂。なぜかそこにはビーズも・・・ 犯人は元公安捜査員の照屋礼子。彼女は新興宗教に潜入したはずだったが・・・獄中の妻とともに照屋と戦う主人公の鳴尾刑事。なかなか面白い。
Posted by ブクログ
何ていうか、読んでてものすごい疲れるというか、消耗させられた作品。
そんなことってあるの?
・・いや、この作品を読むとないとは言い切れないような・・気がする。