あらすじ
陸の民アリシャーランと海の民サクォーリアン、二つの民族が反目しながらも共存する世界〈一の大陸と千の島々〉。両者の血を引く〈半端者〉と差別されながらもアリシャーランの帝国に仕える青年騎士シルッカは、初陣の夜に奇妙な生き物を拾う。サクォーリアンを毛嫌いする皇子リンゼイ・ヴォーと共に〝ファティオータ〟と名付けたその生き物の帝都移送を命じられるシルッカだが、その裏では皇子暗殺の陰謀が――。気弱な騎士と傲慢な皇子、そして大喰らいの竜の幼生。二人と一匹が世界の秘密を解き明かす、王道ファンタジー! 幕開けの上巻。
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Posted by ブクログ
竜が出てくるファンタジー物語
ファンタジー小説の造語ってなんでこんなにワクワクドキドキするんだろう!
波頭馬(はとうば)やトゲウオ、一体どんな生き物なのだろうと読み始めはドキドキしていた
竜、波頭馬、トゲウオがこの物語の主軸になる生き物たちだ!
特に竜の神々しさ高貴さといったらもう素敵だ
そして波頭馬やトゲウオが作る海面の道である水道(みみち)とか、絶対に美しい光景だろうなって胸躍る
ファンタジーって本当に楽しいなぁ
そしてワクワクと共に、想像よりも戦関係が殺伐としている
肉片になったりちょっとうわぁぁぁって思うから、小学生とかの時に読んだらどう思ってたかなぁ…と思いつつ笑
まぁ楽しんで読んでいるだろうなとは想像するけれども…
シルッカ、リンゼイ・ヴォーにのしかかる多くの試練
どのような道の先にたどり着くのであろうか
下巻も楽しみだ
新しい小説だ!って思っていましたが、元々は2010年に全3巻で刊行されていたみたいですね
今作はその加筆・修正を行ったものとのこと
Posted by ブクログ
天と呼ばれる「第一界」、地上の「第二界」。海は「第三界」で、もう一つの地上と呼ばれる「第四界」は海のさらに下にあるという。
この世界は四つの界で出来ていた。
第二界の先住のアリシャーラン。第四界からの血脈を引くサクォーリアン。
共に第二界に住み、海の中で突如現れる「トゲウオ」という大きな生物に悩まされてきた。
主人公はシルッカという男の子。船の騎士見習いとして日々頑張っている。
そして、その相棒は皇帝の息子のリンゼイ・ヴォー。
小さなトゲウオの幼生を捕獲した頃から、二人の運命は変わっていく。
自信がなく、おどおどしたシルッカ。
サイコパスのごとき、狂気の持ち主のリンゼイ。
このリンゼイが本当に苦手だった。
こんなやばい人と一緒になんかいられない、と思ってしまうのだけど、シルッカがそれでも相棒として付き添う。
波乱が波乱を呼び、次々と物語は展開されていく中で、少しずつ二人が成長していく姿が印象的だ。
苦悩の中にも、正しさや前を向く力が灯火のようで、彼らを利用とする大人たちの暗さがより際立って見えた。