あらすじ
【望/のぞむ】は高校天文部の友人の【新/あらた】、大学の研究者仲間の【縁/ゆかり】と、太陽系規模の電波望遠鏡による掃天観測計画を夢想する。それは、後に人類が銀河文明の繁栄に貢献する道へと繋がる第一歩だった。ファーストコンタクトSFの世界水準を軽やかに更新する傑作宇宙探査SF!
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Posted by ブクログ
壮大なスケールで、SFファンの間で評判が良いのも判る。過去・未来・現在の構成も巧みで、過去編、未来編をあとから読み返して悦に入れる。星5が妥当なのだが、展開が速すぎて感動する暇がない。2クールのアニメ化して感動エピソードをAIに書いてもらうのが良いのかも。次作は感動するエピソードがもっとあることを期待して星4つ。
以下 ネタバレ
男二人と女一人のジュビナイル小説かと思いきや・・・・
第三部76頁で いきなり100歳超えて精神をアップロードされて、もうラブラブはない?望遠鏡を太陽系に作ってVLBIによるファーストコンタクト物語かと思えば、第四部で164頁で既にコンタクト終了。そのままセカンドコンタクト、サードコンタクトと異種文明との遭遇していき、その途中で謎の文明を発見して 今度こそ終了かと思えば、最後に向こうの世界へ旅立つ。壮大すぎて頭が付いていかなかったが、最後のネタはガンダムのゼクノバ?最終章で普通のSFに戻ったか。主人公が精神アップロードして何千年たったのかわからないほど精神的には歳をとっているはずなのに、仲間との会話は若い。歳をとっても仲間内では若いままという設定は、違和感ないと感じるのは自分も歳をとったせい?
Posted by ブクログ
電波望遠鏡の仕組み自体は単純で、実際現代でも普通に使われているくらいなのだけど、その数と配置を工夫することでどんな遠くまでも見に行ける…というのは素晴らしいアイディアだね。複数のドローンを使って空に映像を浮かべるショーに似ている。まさに数は力なり、というわけだ。
宇宙全体を変えた主人公の始まりが、父親から語れた名付けの(もしかしたら与太話かもしれない)由来というエッセンスがよかった。
坂を転がるボールのように、行くべき道が偶然でも決まっていく。
時間も空間も因果も飛び越えて、未知を見つめる少年のお話。SFというよりは冒険譚にちょっと近いかな。
Posted by ブクログ
現在 過去 未来 3つの時間軸により、物語は展開されていく。
望 新 縁の3人が夢見た遠くを見に行くという情熱は冷めることなく、宇宙探査は続いていく。探査の中で様々な生命体と邂逅し、交流を深めていく様は読んでいてワクワクさせてくれた。また、探査を続けていると既に絶滅した(厳密には保護されている)文明の残骸なども荒廃的な世界観があってとても良かった。
締めの8~9部は望がブラックホールの特異点の先にあるものを見に行くということで、今までとてつもない時間を旅した仲間との別れなどが描かれており、この先どのような結末が待っているのかと読み進む手が止まらなかった。
望が見てきた一億年と共に仲間との再会を果たし、どのような旅をするのか、想像を膨らませてくれる作品だった。
宇宙は冷たく、虚無な空間ではなく、熱を持った希望のある空間であることを願わずにはいられない。
Posted by ブクログ
まず、この本を読むにあたって、あらすじから、宇宙を繋げていくという話のメインの軸を達成するために苦労する話だと思っていた。ところが、読み進めていくと文明間の交流がメインになっていた点が少し違うなと感じた。
あとは、話の中に複数のテーマが入れ込まれていることで、話のインパクトが小さくなってしまっていると思う。もう一周読むとより愉しめるのかもしれない。
Posted by ブクログ
観測できる世界は宇宙からまた違う果ての宇宙までどこまでも広がっていて、想像以上に多くの生命体が存在して、その生命体を観測することで社会を知り、また大きな別の生命体が存在することがわかったのならどうするか。地球人はちっぽけな情報体のひとつにすぎないし、宇宙旅行を安全なコースで行ったって新たに掴める情報は少ない。観測しなければ何も見つからないから、遠くへ行き観測をすることを繰り返す。主人公は望む、その名は遠くを見ることと親に与えられたとおりに。疲れるような長い話だが、望は情報の全てを使って延々と観測する。観測し終える日は来ないと理解して全てを注ぎ込んでいる。