あらすじ
1942年、第二次世界大戦下。ニューヨーク公共図書館で働く司書のマリアは、大統領令に基づく任務を帯び、ポルトガルのリスボンに旅立つことになった。その任務とは、身分を偽り、戦略分析のため枢軸国の刊行物を収集すること。報道写真家の母をスペイン内乱で亡くしたマリアは、危険を冒してでも戦争を終わらせたいという強い想いを抱いていたのだ。同時期、リスボン。書店を営む青年ティアゴは、書類偽造の天才である書店員ローザとともに、迫害から逃れようとするユダヤ人避難民を命懸けで援助していた。マリアは街で本や新聞を集めるうちにふたりと出会い、戦争を終わらせるためのさらなる任務に臨むことに――。戦時のヨーロッパで活躍した実在の図書館司書に材をとり、本を愛する者たちの闘いを描き上げた、心揺さぶる傑作長編!
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Posted by ブクログ
ここ2、3年、大戦中の女性の活躍を描いた小説が多く出版されている気がする。
私も何冊か読んだが、このブック・スパイが一番面白い。
主人公の一途さ、スピーディに進むストーリー、生き生きとした登場人物、自然と感情移入ができてとても読みやすかった。
スパイとしての行動は出来過ぎだが、そもそも、派遣されるために取った行動自体がその布石で、素質があったということか。
史実に基づいたエピソードも含まれるということ。
が、それを踏まえても、飛行機事故はなにか唐突。本文の文脈には関連がなく(敵国の陰謀かと思ったが、そんなこともなく…)、生き残った奇跡も軽く扱われていて、ちょっと残念で、この点でマイナス1。