あらすじ
女子大生・涼子は飲食店のアルバイトや学校生活を謳歌していたが、病気のため人工肛門になり生活が一変する。その意識と身体の変容を執拗に描き、読者の内臓をも刺激する、衝撃のデビュー作。第7回林芙美子文学賞受賞作「塩の道」も併録。
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Posted by ブクログ
苦しい。苦しすぎる。
大学生で人工肛門と共に生きる葛藤。
半年だけと思って希望を持っていたのに
いざ蓋を開けてみたら
永久的に人工肛門になってしまった絶望。
人工肛門って外見の変化があるから
本人の受入れとか周囲の理解とか
私が出会ってきた医療現場の葛藤の中で
上位を争うくらい難しい課題。
少し前に比べたら
オスメイト対応トイレが増えてきて
世間の認知も上がってきたかもしれないけど
偏見とか誤解はすぐに変わらないから
当事者からしたらまだまだ大問題。
それに
事前に人工肛門になると説明されて
受け入れいても
いざ目の当たりにするとショックを受ける。
それなのに涼子は
バイト中に倒れて救急車で運ばれて
次に目を覚ましたら人工肛門があった。
その衝撃とか絶望とかを考えただけで
目を背けたくなるくらい苦しかった。
きっと朝比奈秋さんの作品に
目を離せなくなるんだろうなぁ。
Posted by ブクログ
『私の盲端』
突然人工肛門になった大学生の涼子の話。
オストメイトのトイレの使い方とか、
知らないことも多いんだけれど、
それより何より、涼子のバイト先がおかしい。
セクハラ、パワハラ、盗撮、なんでもあり。
何であそこに戻ろうとしたのかわからない。
障害と性描写が混ざり合って、
これは見てはいけないものを見ているのでは…?
という気持ちになった。
書いているのが消化器系の医師だというのが、
どう捉えていいのかわからん。
人工肛門に指やその他諸々入れる人っているの…?
『塩の道』
後から感想を書こうと思って忘れたまま返却してしまったので
今必死に思い出しているのだけれど、
やっぱり先の私の盲端が強烈なインパクトを与えていて、
ネタバレ感想を読んでみてもいまいち思い出せない。
方言強めだと書いている人がいたけれどそうでもなかった。
おそらく田舎だとか都会だとかに限らずこういう病院はあるだろう。
今の時代だと、入院できるだけラッキーかもしれない。