【感想・ネタバレ】常夏荘物語のレビュー

あらすじ

遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。10歳の時にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても周囲の人々の優しさに支えられて子ども時代を生き抜いてきた。 時を経て38歳になった耀子は、ある日、夫の龍治から突然離婚を切り出される。その思いもよらない理由に耀子は驚くが、それを機に自分にとって本当に大事な人が誰だったのか、思いを巡らし始める―。 耀子の葛藤、娘・瀬里の巣立ち、義母・照子の愛。 激動の時代に遠藤家の三代の女たちが守り抜いた家と暮らしは、峰生に暮らす人々にとってもかけがえのない居場所になっていく。 伊吹有喜デビュー15周年記念作品。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「なでし子物語」の4冊目にして、完結編。
前巻からまた10年経っていて、2008年の春から始まる物語。

あれからも燿子は懸命に働き会社を大きくしたものの、地域住民との摩擦も増え、一方、龍治は異国に去り、瀬理や立海とは距離が開く。
青井先生の死や配送センターの火災に追い打ちをかけられ、深い孤独、場違いなところにいるような寂しさの中で生きている燿子の姿が強調される前半は辛く、胸が詰まる思いで読み進む。
それでも、物語の中盤、大祭で星の天女の大役を果たす瀬理に燿子がかける言葉*には、彼女の生き方の芯がずっと変わらずにいることが知れて、やはりこの話はいいなあと胸が熱くなる。
*フレーズに登録 P.186

今回は、かつての常夏荘の女主人・照子の存在感も大きい。
峰生を出ることが少なかった彼女が東京へ行き、かつての伝手を頼って燿子が再び立ち上がる後押しをする。
「母」という言葉に縁が薄かった照子が燿子に「おかあさま」と呼ばれて微笑んでいる姿には、これまで彼女が抱えてきた屈託や悔恨を読んできただけに、また泣ける。
その後押しによって心が晴れた燿子の「やらまいか!」に応えるなでしこ屋のスタッフの「やらまい、やらまい」の声にもグッとくる。

そこから後半は、常夏荘を開放しての「峰生の秋まつり」に向けて、どんどんと大きくなる話に台風の大雨によるトラブルも挟んで矢継ぎ早の展開。
照子の古くからの友人、伝説の歌手・寧子が語る言葉*も、青井先生の言葉と性質は異なるが、これもまたこの物語の芯を作るようなものに感じる。
*フレーズに登録 P.248,250

そして迎えた終幕。かくも長かった紆余曲折。
ずっと「どうして」ではなく「どうしたら」と考えて生きてきた燿子が、初めて「どうしたい」と考えて手に入れた“ずっとほしかったもの”。
燿子と立海が、二人が一緒になることになって本当に良かった。
こうして感想を書いている今でも、何だか泣きそう。
このシリーズ、とても良かったです。

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2026年09月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2026/6/12
やっと…やっと!やっと!!!涙涙
過去に不自然に分かれた道がやっとあるべきところに交わった。
ほんまにやっとやで。
うじうじしてるからさ、イライラもするんやけど、途中もめっちゃおもしろいねん。
やっぱさ、人生は有限やからさ、40過ぎたあたりでもう自分のために生きないとなと思うわ。
40まで真面目に生きてきた人はさ、自分のために生きたらそれが周りの人のためになるような人生を送ってると思うねん。
ヨウヨ達なんてまさにそうやん。
もう人のためには尽くしてきたやん。
あなたたちが幸せになることが周りの幸せになる人生を送ってきたのよ。
どうか幸せになってほしい。
って泣きながら書いてしまうような素晴らしいお話でした。

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2026年06月21日

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ネタバレ

シリーズものとは知らずに読みました。
しかも最終巻!

女の生き様を見せていただいた感じですが
最初から読んでみると
違う感想が出てきそうで

とにかく
ハッピーな終わりで良かった!

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なでしこ物語シリーズ完結。
終わってしまったのが寂しい。

序盤は龍治の離婚の申し出の理由に納得がいかなかった。けれど龍治との結婚が耀子を守る為のものだったと分かり、龍治の優しさだと気付けた。
龍治はヴィンさんも耀子も瀬里も立海も照子も守りたかったし、愛してたんだなぁ。

火事のシーンで照子と耀子が本音で母娘になれたのがとても嬉しかった。
照子も龍治も耀子も立海も親子の愛情が上手く築けずに居たけれど、常夏荘が築かせてくれたんだなぁ…

今度こそ末永く幸せで。リュウカ君とヨウヨがついに結ばれて良かった!!

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2025年04月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この作家さんが気になって手に取ったのですが、実は、シリーズ最終巻だったことが後で判明。
でも、初見でも登場人物たちの背景を丁寧に描いてくれたので、特に引っかかることなく読むことが出来ました。
私も田舎生まれで、村のコミュニティみたいなものに嫌気が差してる部分が大きいのですが、登場人物たちはこの村を愛しているのが何だか良いなと思いました。
「美しさとは・・・」という文章は心に沁みましたし、私の教訓にしようと思いました。
そういえば叔父さんのことが好きだったあの女の人、2年後どうなったんだろう・・・?
一途だからこそ意地悪だった気もするし、打算的だから2年も待っても脈がなくて年齢的にあっさりとあきらめた気もするし、それとも告白して玉砕したのか・・・。
いわゆる"女"だったからこそ、どういう風にケリを付けたのか気になります。
あと、最後に二人が結ばれる結末になったのは、シリーズを最初から読んでいる読者はどういう感情になったのでしょう・・・?
え?そっち??みたいに思ったのか、伏線は張られていたのか・・・。
後日、シリーズ1作目から読んでみたいなと思います。

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2025年02月20日

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ネタバレ

 2014年頃「なでし子物語」を読んで以来、ずっとシリーズを追いかけてきました。ついに収まるべきところに収まったという感があり、満足です。

 一方で気になる点もいくつかありました。
 ・カネとコネで物語がどんどん展開していく
 ご都合主義でちょっと鼻につく感じがしました。
 ・利害が必ずしも一致しない登場人物の小物っぷり
 例えば里莉子。仕事のできる有能秘書みたいな扱われ方をしていますが、耀子や瀬里に対する言動が危うくてそうは思えない。それ親戚の立海にチクられたら公私ともに破滅しかねませんけど、脇が甘すぎやしませんか。

 ただ、これらは、この小説が群像劇ではなく、いかに耀子が立海と結ばれるかという点に重点を置いた物語なのだと解釈すればしっくりきました。耀子、瀬里、照子の三人の視点から物語は展開されますが、つきつめるとこのシリーズは耀子と立海のお話なのかなあと。
 そう考えると、カネとコネの下りは、見方を変えるとテンポよく物語を進めるための単なる舞台装置とみなせますし、一部の登場人物についてもまた然りです。

 「耀子と立海の物語」という視点からこのお話を読んでみると、彼が後ろ暗いところなく結ばれるよう巧妙に物語が編まれていることに気づきます。
 二人にとってのある意味最大の障害は龍治なのですが、きれいに整理されており、かつ耀子と龍治の間にもちゃんと愛があるのだという描写もあり、素晴らしかったです。

今後も常夏荘の物語が続いていくのかはわかりませんが、私にとってはここが一つの完結という印象です。このシリーズに出会えてよかったです。

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2025年01月05日

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ネタバレ

シリーズの最終話とは知らずに読んでしまった。瀬里の母親、耀子は10歳の時に名家に引き取られた。常夏荘に来て変わったとあったが、大胆で行動力があってかっこよかった。台風の雨風がひどいところを娘のために山道をスクーターで迎えに行った場面はドキドキした。義母照子の行動力も惚れ惚れした。必要な時に蔵の中を整理してお金を作る。周りの友人、ミュージシャンも素晴らしかった。ほんとのお金持ちは品格があるということだ。自立は物理的、自律は精神的。「自立、顔を上げて生きること。自律、美しく生きること、新しい自分を作ること。」

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2026年05月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『天の花』を読み終えてからもう数年経っていて、耀子や立海はその後どうなったんだろうと思っていたので、ようやくその先が読めるとワクワクしながら読み始めた。

とにかく、
2人が手を取り合えてよかった!
『天の花』の時の14歳と10歳の4歳差は切なかったけど、大人になったらなったでいろいろ考えてしまうものよなーと妙に納得。
耀子のその姿があったから、こんなにも時間がかかったけど、いろんなことがあったけど、本当によかったな。

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2025年03月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どんどん話が広がりすぎてちょっとついていけなくなりました。
それでもまだそこまで追い込むのか・・・と。
ハッピーエンドの終わらせるためには必要な出来事だったのかもしれません。

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2026年09月25日

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