あらすじ
私は天神さまこと、菅原道真。皆さまご存じのとおり、太宰府天満宮に祀られている学問の神さまである。好きな食べ物は卵かけご飯。家電製品の扱いはちょっと苦手。築五十年のオンボロ四畳半アパートで暮らしている。
この国には八百万の神々がいるが、私も含め皆、人間社会に紛れて生きている。コンビニで立ち読みをしていたり、ラーメン屋の行列に並んでいたり、公園のベンチでぐったりと休んでいたり、参拝者の願いに耳を傾けていたり…。
本書は、そんな神さまたちの何気ない日常のお話。
装画:浮雲 宇一
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Posted by ブクログ
道長様ーーーー!となる。
神様に振り回される中間管理職道長さま本当愛おしい。
お正月の忙しさは本当すみませんとなる。きちんとお参りしてお願い事を叶えて縁結んでくれる神様たちには頭上がりません。
最終章で往年の道長様しんどい。これは祟っても仕方ないよ。道長様は裁判で勝てる。
見守っててくださいとなった。雰囲気はすごく柔らかで優しい。
太宰府観光案内兼
「ダメ、今優しくされたら泣く」とか「子供はイカン子供は!!」とか思っている人は電車の中で読まない方が良いかもしれません。
福岡は太宰府天満宮に鎮座する、築後五十年超えのアパート住まいの菅原道真公が人々と毎日を慈しみながら暮らす物語です。道真公の他にも日本神話の神様大集合で酒盛りしたり仕事したり酒盛りしたりで大騒ぎです。お酒大好きな人は今すぐにでも太宰府に飛びたくなるかも知れません。私は胃もたれがしました。
読了後、道真公について軽く調べてみると、お話の最初に出てくる「今日も一日、父は勤めを果たしてくるよ」の台詞の意味がわかるのです。道真公・・・(涙)
それから公、化粧水はたいた後にタオルで顔拭いたらダメだと思います。
Posted by ブクログ
神様たちが地上で普通に人間と同じ生活をしている。菅原道真もまた、普通の中年の男性として電車に乗ったりしながらも、神社のお祭りや年末年始には、神社にお参りに来た人々の願いの助けをしていた。色々な神様達のどんちゃん騒ぎをしながらも人間の幸せを願っている楽しい話かと思っていたけど、終盤の菅原道真が神様になった経緯の話になったらすごい壮絶な過去に驚いた。祟り神となってしまった道真を救ったのは、幸せにする事が出来なかった愛しい子供達だった。最後は涙なしでは読めなかった。
Posted by ブクログ
神様と人の子の関わり方を上手に物語にしているなと感じた。最後の菅原道真という人物が一柱として祀られるまでを描いた章が秀逸。読後感は爽やかで短編集なのでさらっと読めてとても良かった。
欲を言えば神様同士の物語ではなく、神様と人の子の関わりを描いた短編がもう少し欲しかった。
Posted by ブクログ
【収録作品】
春の章 一 東風梅香
春の章 二 桜花慈酒
夏の章 一 暑気宝来
夏の章 二 珈琲天林
秋の章 一 天地神明
秋の章 二 秋思御衣
冬の章 一 惟賀神年
冬の章 二 六花慰撫
四季の章 匂い起こせよ、梅の花
結
祟り神だった道真と今のぽよよんとした道真と。八百万の神々のいじましい現世生活になんだかな感がある。
コメディタッチで、事件らしい事件は起こらない。が、ドタバタしていていじましい。道真の過去が重みを与えるが、それだけで、私には合わなかった。
江口夏実さんが漫画化したら、面白いかもしれない。