あらすじ
いい気味だ……
予測不能の展開、予想外の読後感。絶叫系転落ミステリー!
映画化決定の話題作『悪い夏』『正体』を超える切迫感!
終わりの見えない転落人生。こんな目にはあいたくない……。
不穏な恋愛にのめり込む、30代キャリアウーマン。不良に堕ちた元クラスメイトに再会した、エリート進学校の高校生。ラブホテルの経営不振に喘ぐ、3人の子持ちの中年男性。
刹那な現代をサバイブしながらも、孤独を胸底に抱える者たちの欲望に駆られた出会いは、彼らをまっさかさまに谷底に突き落とす。
「いい気味」か「かわいそう」か? 彼ら自身が招いた命からがらの転落劇。滅茶苦茶なんだけど最悪じゃない!
―吉田大助(書評家)
予想外の読後感! 転落人生の奇蹟の交錯が閉塞感に風穴を開ける、これぞ染井マジックというべき快作。
―宇田川拓也(ときわ書房本店)
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Posted by ブクログ
面白かった!!!
最初は「んーなんか退屈」「コロナかー懐かしいなあ」「なんかこの優等生がどんどん落ちてっちゃうの見るの辛いなあ」って感じで惰性で読み進めていったら、最後のさいごで映画級に面白くなるの、もう卑怯ですらある。
そして前半の鬱々とした感が嘘のような爽やかなエンド。
もう本当に素晴らしい。
読んで良かった。
自信を持って人に勧められる、そんな一冊。
Posted by ブクログ
ついこの間と思っていたが、作中の「クラスター」「三密」などの当時を象徴する言葉に懐かしさを感じた。
コロナ禍での孤独や不安というあの時代に誰もが味あった共通言語が根底にあり、自分自身には無縁のはずの不正ビジネス、非行、詐欺などだが、より共感を呼び、物語に引き込まれた。
未婚のキャリアウーマンも挫折しかかっている優等生も業績不振の経営者も負のスパイラルに陥り、転落したり崖っぷちに追い込まれる。絶望感を通り超えて笑ってしまうくらい見事に…
普通の生活がいかに簡単に崩壊するのか?とか被害者と加害者の境界線の曖昧さにゾッとする。
三者が交錯する後半からはラストまでジェットコースタームービー(ちょっとスプラッタホラー)のようで、息つく間のない展開の末に…
Posted by ブクログ
タイトルそのもの笑
もう滅茶苦茶でした笑
高校生の男の子、自営業の中年男性、都内在住の一人暮らし独身女性。
全く立場も年齢も性別も違う3人が、コロナを背景に少しずつ生活が狂っていきます。
動き出した歯車が止まらないように、3人とも目も当てられない程、道を逸れてしまい次々と苦難に見舞われていく…
途中何度読むのをやめようかと悩むくらい、本当に不憫でした。
自業自得…と思えない事もないけど、それにしたって酷すぎない?と思う展開ばかり笑
残りのページ数、ここからどう着地するか?不安になるくらい最後に畳み掛けていきました。
ひどいストーリーだった割に、最後は爽やかな読後感で、映画を1本観たような心地良さです。
心のコロナ。
本当にあの時代はそんな感じだったな…。
コロナを知らない世代の人にも、いつか読んで欲しいと思いました。
Posted by ブクログ
礼央目線のエピソードは、礼央と同じ世代の親の立場で読んでしまって、もう…もどかしくてしょうがなかった。なんでそうなる!!もう連絡とるな!!親に相談してくれ!!先生気づいて!今だろ警察に電話しろ!!…と心のなかでツッコミまくりだった。不良の子たちは現実でもこのような支離滅裂な考えをするのかもと恐怖を感じた。
「正義の申し子」と同じ分類。
軽くサクッと楽しめる本。
最後の方は不謹慎だけど笑ってしまった。
Posted by ブクログ
あまりにも別世界観なので、短編集として割り切って読んでいたら最後に合流したからびっくりです。恐ろしい構成力でした。
主人公達があまり好きになれなかったので応援が出来ず、遠くから見てる気分で結末まで過ぎていった。
今回のオチ:
3人とも取り返しの付かないところまで堕ちた後、
自殺するため、死体を隠すため、拉致されて埋められるために富士の樹海に行く。交差点でそれぞれの車が衝突して、なんやかんやあって日常に戻って行く。
Posted by ブクログ
コロナ禍のあの空気感を思い出した。
何もなくてもすごく気分が沈んだり私も心のコロナにかかってたと思う。
コロナがきっかけで犯罪に巻き込まれる3人の、あの後悔してももう後戻りができない焦燥感とか読んでて胸が苦しくなった。
最後3人が交差してからはすごいテンポ感で進んでいった。ハッピーエンド。
Posted by ブクログ
このタイトルはラストの主人公3人が交わってからの展開に主にかかったものだなと思った。
女主人公はそこそこぶっ飛んだ経験をしたと思うけど後の高校生とおじさんは特に突飛な出来事が起きた感じはしないし実際あるだろうな、という流れだった。だからこそ3人ついに集まってからの怒涛の混乱の展開がまさに滅茶苦茶…。エピローグは正直それぞれの視点で欲しかった!
高校生主人公のターンでは前に読んだ「ケーキを切れない非行少年」を思い出すシーンが多かった。非行少年たちには概して計算する能力、想像力が顕著に欠けていてそういった子たちは小学校の勉強で躓いている子が多いそうな。ヤバい!となってからしか考えられないからずっとヤバい!から抜け出せず深みにハマる。彼らにも主人公たちのように救いがあると良いな。