あらすじ
明仁と美智子は天皇皇后となり,平成の時代が始まる.二人は昭和天皇が果たし得なかった,戦争被害国の訪問をして和解に努め,災害被災地を訪れて被災者を慰めた.高齢による体力の衰えで国民に接する活動が難しくなったとき,明仁は退位の道を選ぶ.それは,平成がつくり上げた象徴像の総仕上げだった――.決定版評伝,ついに完結.
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Posted by ブクログ
平成の明仁天皇(現在上皇)と美智子皇后(現在上皇后)の物語の下巻。即位から退位までの日々が綴られてる。それにしても、象徴という曖昧な形の、いわば荷を背負わされ、長い旅を二人で助け合い続けてきたお二人には感動した。特に、戦禍で傷ついた人々を忘れずに、とにかく平和を祈り続けた姿、災害に見舞われ苦しんでいる人に寄り添う姿は、他を圧倒する迫力があった。政治に関わってはいけない、難しい立場なのに、何かと政治利用しようとする政府や当時の石原都知事の行いは、本当に不快なものだ。保守派と言われる勢力も、天皇の味方かと思いきや、自分勝手な意見で天皇を苦しめる存在でしかないように映った。