あらすじ
「…和耶の好きなようにしてほしい」
高卒で働きながら細々と暮らす諒雨は、ある日学生時代に好きだった青年・和耶と再会する。
しかし、再会を機に和耶に「自分は二重人格である」と打ち明けられる。
ずっと好きだった優等生で優しい和耶とチャラくて狡猾な別人格の和耶。
二人と接しているうちに次第にどちらの和耶にも惹かれていく諒雨は――…?
★★電子のみで楽しめるスペシャル修正仕様★★
感情タグBEST3
罪悪感で縛られるカップル
余韻の残るラストまで、面白く読みました。
よく練られたお話で、過去と現在が行き来するし、顔が同じ2人の人格が出てくるのに迷わず読めるあたり、これがデビュー作とは思えない完成度。
最後に残ったのは主人格かそうじゃないか、受けの子はわかっていて受け入れたのだと私は解釈します。
友人への裏切りやレイプ、強い自己抑制と自己批判など、追い詰められて出てきた第二人格。
でも本当は自分が薄汚い事が許せなくて生み出してしまった人格でしょう。
明らかに心療内科に連れて行く案件だけど、受けの子は知識がなかったので受け入れるしかなかったんですね。
そして別人格の方も受け入れて、攻めの子を丸ごと愛してしまう。
最後は主人格が、受の子が欲しくて汚れた自分を受け入れて、2人目の人格が消えたのだと思います。
でも、ラスト近くのベランダの柵が暗示するように、受けの子を手に入れて閉じ込めるための無意識の策略だったのかもしれない。
ハピエンと言えるかどうかは微妙。
解釈や読後感が分かれる、深くて面白い話だと思いました。
<3
絵柄ずっと綺麗で読みやすかったです!ストーリーも面白かったんですけど、ハピエン好きな私からするとぐるぐるもどかしい感じがしました(т-т)
絵柄◎、ストーリー◎、メリバ って感じです!