あらすじ
江戸末期の市井の風俗の中で、芸術至上主義の境地を生きた馬琴に、自己の思想や問題を託した「戯作三昧」、仇討ちを果した赤穂浪士の心理に新しい照明をあてて話題を呼んだ「或日の大石内蔵之助」などの“江戸期もの”。闇空に突然きらめいて、たちまち消えてゆく花火のような人生を描いた「舞踏会」などの“明治開化期もの”。ほかに本格的な写実小説「秋」など、現代に材料をとった佳作を網羅した。(解説・中村真一郎)
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Posted by ブクログ
戯作三昧・一塊の土
(和書)2010年04月14日 21:17
1968 新潮社 芥川 龍之介
芥川ってこんなに面白かったのか!
私は遼東の豕ですね。
でも芥川竜之介の良さに気付けて良かった。
Posted by ブクログ
読み応えすごい。
最初はつまんないと思った。或る日の大石内蔵之助(最初の話)が読みづらい。
その後の戯作三昧からおもしろい!
開化の殺人からいくつか、登場人物が被ってるみたいだけど前の話で経験してるはずの衝撃をスルーしてて、なんか不思議な感じで良かった。
雛はお兄ちゃんと母の関係に切なくなった。お父さんも本当は雛売りたくないんやな。
あばばばばは、娘さんの変化がわかりやすくて、恋ではない視線でその変化を冷静に捉えてるのが新鮮で良かった。
一塊の土はお民さんが先に亡くなるとは思ってなくて、お住さん可愛そう、家事全部やるのもおばあさんにはきついだろうなぁと思ったけど、それを抜け出せないつらい日々がやりきれない感じで書かれていて、なんか切ない気持ちになった。
お民さんが亡くなった後のお住の心境も、嬉しいと思いきや悲しさもあり、なんだかすごくリアルに感じた。
なんかどれも不思議と心に残ってる。雰囲気もなんか違って、テーマも違う感じで、どれも味がある。
芥川さんきっと丁寧な人だなぁ。