【感想・ネタバレ】伯爵と三つの棺のレビュー

あらすじ

フランス革命が起き、封建制度が崩壊するヨーロッパの小国で、元・吟遊詩人が射殺された。
容疑者は「四つ首場」の改修をまかされていた三兄弟。五人の関係者が襲撃者を目撃したが、犯人を特定することはできなかった。三兄弟は容姿が似通っている三つ子だったからだ。
DNA鑑定も指紋鑑定も存在しない時代に、探偵は、純粋な論理のみで犯人を特定することができるのか?

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Posted by ブクログ

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・面白かった!ミステリという謎とかそういったことより作者の文章が好きかもしれない。明瞭でわかりやすく感じた。
・三つ子の謎については最初は伯爵かと思ってたけど、そうなると会った瞬間にわかるよねと諦めた。当たらずとも遠からずだったか。
・そうなると最初の四つの棺は誰のものになるのだろう?もしかしてクロなのか?そうだとするならば誰が収めてくれたのだろう。
・D伯爵のキャラクターがとても好き。このかたのミステリじゃなくてもいいからサイドストーリーが読みたい。
・フランス革命の戦況がミステリに絡んでくるのも面白い。

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2025年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まさかまさかのどんでん返し。返されたなと思ったらまた返されて、しかしそれは真実ではない。真実は一体。
自分の中の真実は一つだとしても、それは物事の本当の姿のかということを考えさせられるミステリー小説。
伯爵と三つの棺の伯爵は初めはD伯爵だと思っていたけれどこれはたぶんクロのことなのだろう。三つ子とクロの4人の関係。一度読むだけではもったいない。2度目に読む時また新たな真実に辿り着けるかもしれないと思うとワクワクが止まらない。

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2025年04月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ほんタメから知り手に取った
導入は盛り上がらないけど、読み終わると全て大事であることがわかる
盛り上がってきてからテンポよく進みとても面白い
最後まで取りこぼしなく、無駄なく、全てがつながる
これって本当にフィクションなのか
当時は似たようなことがあってもおかしくなかったんじゃないか
そんな風にすら感じてしまう

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2025年02月12日

Posted by ブクログ

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フランス革命期、フーダニット小説にして歴史に翻弄されたどんでん返し小説。

<良かった点>
・伯爵がかっこいい!!!!
美男で洞察力があってチャーミングで壁走りで助けに来てくれるとか、ちょっと盛りすぎじゃと思うくらいかっこいい。つまみ食いの仕草までエレガントとか反則!!!
この人にだったからこそ、最後の最後に墓までもってくはずの秘密を聞いてほしくなったんだろうなあと思ったりした。

・歴史を絡めて二転三転する筋がよかった
「あれ、解決したのにまだ続きがある??」が続いて振り回された。っていうか「お前もだったんかい!!」が一番びっくりしたかも。
あと最初「フランス革命の話」じゃなくて「フランス革命の余波を受けた某国の話」というなんじゃそりゃ?な設定はなぜ??と思ったけど、兄弟たちを凶行に走らせた理由に重みをもたせるには、やっぱ革命の「自由と平等」の旗印は必要だったしうまい設定の置き方だったなぁと読み終わって思う。

良くなかった点
・三兄弟のエピソードが少ない(気がする)
詳しく書くとヒントになっちゃうかもなので手記であえて出さないようにしてたのかは不明だけど、伯爵に比べて兄弟たちの描写が少ないなーと思う。もう一つ二つ、各人の思想やら願いを語るエピソードがあったら、「あれはああいう意味だったのか~」とか「惜しいやつを亡くした…」的な深みが出た気がするのでそこだけ残念。

<総評>
純粋な謎解きミステリーというより「身分」という鎖に翻弄された人間ドラマだった。ザミエルの希望通りに地獄で再会したら、とりあえずお互いが「嘘つき!!」と詰りあって喧嘩して、でも最後に「俺たち精一杯頑張ったよな」って和解できてたらいいなーと思う。

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2025年07月12日

Posted by ブクログ

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いやはや鮮やか。
「スイッチ」が正直うーんだったので、本作の評判が高いのは知っていたけど、半信半疑だったのだが、大変面白かった。

手記がもとになっているので、途中「信頼できない語り手」パターンかなという想像はつくものの、最後まで予想を上回る展開。
推理においては、他の仮説もきちんと検証され、納得のいくものになっている。

登場人物の数はまあまあ多い伯爵の愛されキャラも伝わってくるし、文体も読みやすく、久しぶりのミステリだったこともあり大満足。

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2025年04月03日

Posted by ブクログ

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封建制度下の小国で起きた殺人事件。
三つ子が容疑者で真犯人はひとり。三つ子だから見分けがつかない… 決め手は? 

事件は、疑心暗鬼がもたらした殺人で悲しい。そしてフランス革命の余波が及び、悲劇が起こる。
論理的な解決、親切な叙述。
なによりD伯爵が理想的な上司で為政者で、格好いい。探偵役のキレはないけれど、それを受け入れる度量もいい。

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2025年03月06日

Posted by ブクログ

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初めて読む作者だったが、タイトルが、気に入った。途中、まだるっこしい書き方だなぁと感じたが、最後まで読んでよかった。面白かった。種明かしが何重にもなっていて、もう一回読んだ方がいいのかもと思ってしまった。
三つ子なの?4つ子なの?最後までわからないところがよかった。ミステリーを読み慣れている人ならわかったのかな。
貴族たちのいる王政からフランス革命をはさんで、平民たちが政治を司る平等な社会へ。それでも、欧州は元々の資産を多く持つ貴族たちがいまだに裕福だとか。
人間の価値は同じだというが、貧富の差は教育にも影響する。三つ子達が、努力して獲得した四つ首城を守るために、それぞれが出来ることをしたのだと思う。書き手であるクロの、死後の世界でこそ本音で話せる、というのはなんだか悲しいな。
勉強出来ることが幸せ、の言葉はいまも昔も重い。先があるから学ばせるとか、シビアだなぁ。
ナポレオンがロシア遠征のため集めた人の選定基準は本当なのかな。だとしたら、ナポレオンも優秀だったな。まぁ、軍隊なら当たり前か。
うまく、本当の歴史が絡んだミステリー、面白かった。

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2025年01月13日

Posted by ブクログ

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YouTubeで紹介されているのをきっかけに読んでみました!

みんな自分の出生を偽っていたとは...そして、手記での物語が進んでいく小説は初めてだったのでとても新鮮に読めました。
途中の写真や注釈でより、記録で残されている感じがあってこれまでにない読書体験でした。
写真は作者の潮谷さんの手作りでスタッフクレジットも一番最後にというお話を聞いて本当にこだわって作られた作品なんだと感じました。装丁もよく見ると銃があったりこだわりがすごいですね

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2025年08月13日

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