【感想・ネタバレ】砂嵐に星屑のレビュー

あらすじ

舞台は大阪のテレビ局。腫れ物扱いの独身女性アナ、ぬるく絶望している非正規AD……。一見華やかな世界の裏側で、それぞれの世代にそれぞれの悩みがある。つらかったら頑張らなくてもいい。でも、つらくったって頑張ってみてもいい。人生は、自分のものなのだから。ままならない日々を優しく包み込み、前を向く勇気をくれる連作短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「濃い紫色の夕空に雲と一緒に浮かぶ控えめな笑顔がとんでもなく好きだと思った」
きゅん〜〜〜( ;∀;)
一旦ここが好きすぎてメモ✍️


1.元不倫相手の幽霊に遭遇する女子アナ(不倫相手は野球選手のカードを探していたと思われる)、43歳、周りと比べての葛藤など。
2.地震の影響で徒歩で会社まで行くディレクター(なのかな?)おじさん。歩いているうちに色々思い出す。娘とは無事和解の方向。
3.ゲイの子を好きになっちゃうタイムキーパー。
好きな人がゲイだったらどうなるんだろう、どうするんだろう、と漠然と考えたことがあるけど、まさにそれだった。想像以上に切なかった。
どこか歪んでいる結花の「好き」(いじめたくなっちゃう感)、叶わないけど一緒には住んでて、けど時々、解消されるかもと思っちゃう。なんという名前の関係性なんだろう。とても良いのだけど、ずっと続く気もしなくて、この2人の5年後、10年のが気になるなあ。
4.こちらもよかった。周りの局員と比べて「派遣社員」な主人公、あ〜そういうところが!って思わせるのが上手すぎる。
頑張ってるんだけどねえ、、、
震災についても改めて、重すぎず、だけどじわーっと入ってきた。

フォーカスはされてないけどMVPは笠原雪乃。

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いつものように立ち去るタイミングをはかることなく、見えなくなるまで見ていようと思った。もし広道が振り返ったら軽く手を振り、ここにいます、と伝えよう。
ここにいて、あなたを見ています。あなたという人を、ほんのすこし知っています。

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

電車移動が増えたので、暇つぶしに駅の本屋さんで物色。一穂さんなら間違いないと思って購入。大阪のテレビ局に勤務する4人の訳ありな人々の連作短編集。春夏秋冬の季節ごとにわかれていて、季節ごとに主人公が変わる。前後の話で登場人物が絡むこともあるので面白い。

春は不倫騒動で東京のテレビ局に左遷されて、再び大阪に戻ってきた薹の立った美人アナウンサー。夏は人当りの良いニュース番組デスクの中年男性。秋は好きになった同僚がゲイで絶対に自分の思いは届かないタイムキーパーの女の子。冬はうだつのあがらない派遣ADの青年。どこにでもいそうな人たちが主人公なんだけど、春は幽霊騒動、夏は年頃の娘との確執、秋は女の子の悲しい過去の秘密、冬は覇気のないADの青年が出会った人当りの良いコメディアンがキーポイントになっていて、読み始めたら先が気になってどんどん読んでしまった。

特に幽霊騒動にかかわる新人アナウンサー笠原雪乃が、脇役なんだけど他の話にも出てきてこの物語全体のキーマンになっていてとても面白かった。最後エピローグのような「砂嵐に花びら」のエピソードもとってもよくて読後感がとても良い。最近本当に涙もろいから電車の中で何度もこみあげてきて困った。この本を読んで「よし、こうしよう、こうしないと」まで大きく心を揺さぶられはしないけど、良質な読書時間だったと思える良い本だった。

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2025年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。なんか気持ちのいい話ばかりで、個人的に一穂さんは人間の汚いところを不快にならない範囲で照らしだす作者さんだと思ってたので、え!?こんな気持ちいい読後感!?となりました。

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2024年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

◼️一穂ミチ「砂嵐に星屑」

数多いる人々の一。大阪のテレビ局を舞台にした心の描き方。

また細かいな、微妙やな、なにわやな、と思う。仕事上、また私生活に蹉跌を持った人々をテレビ局を題材に描く。とかく後半のほうの話が、手を添えられているような気もしてくる。

なにわテレビで上司の看板男性アナウンサーとの不倫が発覚し、東京支社に転勤させられ、10年振りに大阪の本社に戻った女性アナウンサー。資料室で先ごろ他界した不倫相手の幽霊に遭遇し、新人女性アナと幽霊騒動の解決に挑む。
(資料室の幽霊)

立ち上がりは少し派手なネタ。細かいな、と思ったのは大きなストーリーの中に、主人公の心中の動き、思いを細かく描写してあるから。大きな線に沿ったわけではなく、リアルに浮かびそうな心のうち。

50代の負け組報道マン、タイムキーパーの女性の私生活の鬱屈、制作会社の冴えないADくん。それぞれ仕事が絡んでいて、他話で主人公だったりする報道番組に絡む人が交差する。

取材がうまくできない、前向きでないADくんの話にはそれ先に確認しとかな・・と社会人的に思うこともあった。でも人間らしくていかにもだ。ちょっと思い入れてしまう。このへん職種はあまり関係ないかも。

星屑・・誰しも、社会、さまざまな業界というカテゴリだけでも山ほど、いや星の数ほどいる・・そんなに多くないか笑大多数のうちの1人、という感覚を持ったことがあるのではないか。底で慌ただしくもがいている自分を。

ダイレクトに、だけどサラリと、微妙な事柄を時に熱く時にクールに描く筆者は変幻自在だなと思う。

作中には大阪のおっさんやな〜と思える人がほのぼのと登場したりする。女性のあけすけな言い方もなにわだな、と思ったりする。会話が上手い。

なんというか、人の機微テレビ局編、という感じでした。

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2025年06月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

さらっと読んだ
あんまり親しくない人でもその人の人生の一部に触れた瞬間は尊い、みたいな1文が印象的だった

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2025年02月02日

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