【感想・ネタバレ】移民・難民たちの新世界地図―ウクライナ発「地殻変動」一〇〇〇日の記録― 無料お試し版のレビュー

あらすじ

ヒト・モノ・カネ・情報の流れは、地球規模でつながっている。世界のひずみが生み出す新たな奔流が、世界を変えていく――。現地での長期取材でしかわからない実態を鮮明に描き出す衝撃のルポ。

2020年に新聞社を辞めフリーのジャーナリストになった著者は、21年に欧州・オランダに拠点を移し、ユーラシア大陸やアフリカ大陸からヨーロッパ大陸へ向かう人波に身を投じた。そこにはかつてない人の流れが起きていた。欧州の東にあるベラルーシの森から突然、隣接するポーランドへ、中東やアフリカから逃れた人たちが押し寄せた。危険になり過ぎた地中海を迂回できる、欧州への新ルートが開通したのだ。あるいは、ミサイルが無差別に降り注ぐウクライナから欧州へ、数百万人規模の避難民が逃れる道ができた。その道を逆に向かって欧州からウクライナへ、物資や寄付金、ボランティアや兵器が向かう支援ルートも熱を帯びた。著者はそうした奔流の源流から下流まで陸路・海路で3万キロ超を踏破。秩序が崩れ落ちたあとに出現した“パラレルワールド”を往還しながら、圧倒的な取材力で「新世界」のリアルを可視化する第一級の現場報告。

砂漠を越え、大河をわたり、密林を彷徨って米・メキシコ国境に向かう移民たちの流れに身を投じた前作『エクソダス アメリカ国境の狂気と祈り』でボーン・上田国際記念国際記者賞(2019年度)、講談社 本田靖春ノンフィクション賞(第43回)を受賞した著者の2024年7月新刊から、「まえがき」「プロローグ」「第一章 森に放たれた兵器たち ポーランド、ベラルーシ国境」の全文と「第二章 密航の海 イタリア、地中海リビア沖」の「世界で最も危険なルート」「救助準備」「天使からタクシーへ」「白と黒の塊」「暗闇に沈みゆく船」「途方もない十七分間」までを特別無料配信します。
*本稿は校了前のデータをもとに作成しています。そのため、刊本とは一部内容が異なる場合がございます。予めご了承ください。

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ネタバレ 購入済み

生々しい

責任者は権力者に忖度して、キャスターが朗読する系のニュースとは違って、現地で話を聞いた人の書いたものは生々しさがある。
地図の画像は、大き目の画面の方が良いかも知れない。
移民にしろ難民しにろ、一時の「自分は優しいんだアピール」の為に何かをして解決するものでもないし、どんなやり方でも正解と言えるものはない。
ただ、作品を読むことで知るは出来る。

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2024年07月27日

購入済み

明日は我が身

フリージャーナリストの精力的なルポルタージュである。世界各地の移民難民たちの凄惨な状況をとても生々しく描き出している。同時に移民難民を受け入れる国々の人たちの葛藤も描き出していて、綺麗事は言えない という状況も大変によくわかるようになっている。残念なのは、このように世界各地で移民難民な発生する原因についての考察が見当たらない点である。我が国も目先は受け入れ側としての苦慮、将来的には国から逃れなくてはいけないような事態 を考えなくてはいけないのかもしれない。

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2024年08月03日

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