あらすじ
山神さまによって開かれたと伝えられる世界・山内を舞台にしたファンタジー「八咫烏シリーズ」の外伝。
この地を つかさどる族長一家が宗家、その長が金烏である。
有力貴族の四家によって東領、西領、南領、北領が治められている。住人たちは卵で生まれ烏の姿に転身もできるが、通常は人間と同じ姿で生活を営む。
『かりんみず』の主人公は中央城下の薬種屋の次男坊・章次。高貴な姫に仕える姉が急死した。周囲の者たちはなぜか口を閉ざして…。
【この電子書籍は、「オール讀物」2024年6月号に掲載された「かりんみず 八咫烏外伝」を収録しています。】
感情タグBEST3
大河小説に埋もれた小さな真珠
八咫烏シリーズが膨大な人々(?)と年月を描く大河小説であることに異論は無いでしょう。本編でば、その時限りの登場人物、怒涛のストーリーに飲み込まれ何処に居るのかわからなくなる、そのひとり。掘り下げてみれば、優しくて哀しいひとたちが現れ小さな真珠の輝きを見つけたような心地にさせてくれます。
花梨水
八咫烏シリーズの中でも、最初の烏に単は似合わないの外伝です。烏に単は似合わないは、設定はファンタジーですが、中身は、とても人間臭いミステリーです。その外伝である今作品も、また、ピリピリとした緊張感があるミステリー仕立てです。今作だけを読んでも趣きは伝わるかもしれませんが、私は先に烏に単は似合わないを読むことをオススメします。