あらすじ
和音は中学で出逢ってからずっと片想いをしていた親友・慶吾の結婚式の帰り、
失恋の悲しみに浸りながら、引き出物のバウムクーヘンを食べていた。
その時、【世界を破滅へ導く悪神を封じる勇者】として異世界に召喚されてしまう!
一年間、勇者として活躍し、魔王を打倒した和音は、見事その役目を果たすも、
最後の力で魔王にとある呪いをかけられてしまう。
呪いの詳細が分からないものの、体や世界に異変はなく、ぜひこのまま
この国で暮らして欲しいと乞われるが、和音は元の世界に戻ることを決意する。
魔法の力で【召喚された瞬間】に戻れるはずだったのだが、なんと、
元の世界に戻った時、その世界は五年の時が経過していた!
異世界で勇者として暮らした一年間は、現実世界での空白の五年間となってしまい、
和音は戸惑いを抱えながらも、無事の帰りを歓迎してくれた
親友であり片想い相手である慶吾と一緒に暮らすことに。
謎の失踪から帰還した親友に対し、慶吾は過保護気味に世話を焼いてくれるが……?
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作家買い。
異世界に勇者として召喚された主人公が、使命を果たして元の世界に帰ってくるところから話が始まる。
色々と設定が他とちょっと違ってて面白おかしく読んだのですが、読後感が…。
こういう終わりもありよね、とは思うんですが、個人的には刺さらなかった…。普通のハピエンを求めていた…。
いやこれ続編出してもう少しスッキリさせてほしい!色々足りない!!
賛否両論あるとは思いますが
異世界に召喚されて、勇者として世界を救った主人公が元の世界に戻った後の物語というのが新鮮でした。
失恋勇者が実は失恋していなかったことは、序盤のうちから分かってしまいます。なので、このままハッピーエンドに向かうか、根元のようなゲスい自称ジャーナリストたちに立ち向かう物語になるのかと予想したのですが、まさかの急展開が待っていました。
それにしても、異世界でのラストバトルでかけられた呪いがまさかこんな効果だったなんて。和音が元の世界に戻らなければなんの影響もないような呪い。元の世界に戻ったが故にこんなにも切ない物語になってしまいました。
作中で明確に描かれはしませんでしたが、和音と慶吾は向こうの世界で幸せに暮らしているのでしょうね。
『余韻のある終わり方』なのが良いという方も多いと思いますが、私は2人が向こうの世界に向かうシーンくらいはあっても良かったのではないかと思います。むしろ慶吾を連れて戻ってきた和音とキルスの再会シーンとか欲しかったんですけど!
巻末のおまけSSも和音と慶吾が向こうの世界に行った後の物語の方が良かったです。