あらすじ
許されない恋を描く平安ラブロマン!
「――俺はそなたに、恋をしたんだ」
鬼を呼ぶ姫と呼ばれて恐れられ、家族が暮らす屋敷を追い出されるようにして、寂れた白河の別邸に移り住んだ詞子。歌も詠めない粗野な無骨者と言われ、出世の道も閉ざされたと噂される無位無官の公達、雅遠。居場所を見つけられなかった二人は、満開の桜の下で出会い、お互いを知ることでゆっくりと惹かれ合っていく。
逢いたい、好きだ、と真っ直ぐに詞子を見つめ、口にする雅遠だが、自分と関われば災いが降りかかるかもしれないと恐れる詞子は、同じ言葉を雅遠に返すことができない。しかも詞子の父は右大臣派で、雅遠の父は右大臣の政敵である左大臣。家柄を考えても、決して許されるはずのない想いだった。
ある日、雅遠の住む左大臣邸に盗賊が押し入り、雅遠が事件に巻き込まれてしまう。詞子は、ついに災いが雅遠を襲ったと思い、絶望のあまり気を失ってしまうが――。
平安貴族の切ない恋を描く『桜嵐恋絵巻』シリーズ第二弾! 書き下ろし「夏の夜の雨」収録。
※この作品はルルル文庫『桜嵐恋絵巻 雨ひそか』 の加筆改稿版となります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
どんどん惹かれあってくのがわかってほのぼのした
無官だったのが盗賊大事に活躍してなんとも頼もしい物だ
この後はどんな展開に進むのかちょっと楽しみだけど次巻は出るのかな?
Posted by ブクログ
レーベルが変わっての再読。思えば深山くのえさんの本はこのシリーズから読み始めたのだった。何度読んでもよい。少しずつ近づいていく2人の距離にニヨニヨしてしまうし、やればできる子雅遠は相変わらずすっとぼけているし。
そして保名が葛葉に惚れたのはこんなに早かっただろうか…
Posted by ブクログ
雅から遠い雅遠様、実は勉強もできる子だった。
今にしてと思えば、1巻からその片鱗は少し見えていたような。
異母弟に無意識ながら一泡食わせた場面は見事。
思えば彼も「不出来」という「呪い」にかかっていたのかもしれない。
鬼姫の方が深刻だったけれども。
盗賊騒ぎのせいで雅遠様が怪我を負い、そのせいで詞子がより呪いの件で頑なに。
保名にもばれて混乱を極めたけれども、その盗賊騒ぎのおかげで手柄を立てた雅遠様、出世の道がひらけて、ちょっと光明がさした感じ。
詞子も異母妹に言い返せるまでには成長できたし。
ただ親の説得など、まだ課題は残っている模様。
でも、主役二人の想いが通じたところまでは見られたのでよかった。
個人的には爽楽さんと敦時様がいい働きをしてくれたので、今回の推しかなと思います。
特に爽楽さん、今後雅遠様の師匠になってくれたらなと妄想が膨らむ相手だったので。