あらすじ
侍ジャパン前監督・栗山英樹氏推薦!
「実績と学び続ける姿
これほど相反するものはないと思うが、
見事に実行し続ける姿こそ、選手誰もが慕い、敬する要因。
私が絶対的に信用した理由がここに記されているのだ!」
栗山英樹
心理的安全性が一人ひとりの可能性を引き出す
WBCで投手コーチとして侍ジャパンと共闘し、
千葉ロッテマリーンズで監督として就任初年度で前年5位のチームを2位にまで引き上げた
吉井理人監督による「自ら伸びる強い組織=機嫌のいいチーム」の秘訣とは?
「本書では、選手が主体的に「勝手に」成長していくための環境を整え、すべての関係者がチームの勝利に貢献できる心理的安全性の高い「機嫌のいいチーム」をつくることの重要性を説く。そうしたチームこそが「強い」のであり、リーダーにはそのための力量が求められるのである。
就任1年目だった2023年に、監督とは何かを考え、実践し、失敗し、学び、さらに考えるという果てしないループから体得した監督としてのあり方を、とくにビジネスパーソンに向けて伝えたい。プロ野球の世界とビジネスの世界。一見すると違いが大きいようで、組織をまとめるリーダーのあり方については、実は多くの共通点がある。
采配という「意思決定」、コミュニケーションを通じて「心理的安全性」を担保すること、データを駆使しつつ時には「経験と勘」で決断すること......。本書で論じる内容は、きっとマネジメント層やリーダーの指南書としても参考になるはずだ。」(「プロローグ」より)
▼偶然のコミュニケーションを創出する
▼恐怖心より、適度な緊張感
▼理想の監督像は「目立たない」
こんな方におすすめ!
・責任感があり、リーダーとして役目を果たしたいビジネスパーソン
・野球が好きで、強いチームづくりに興味がある人
・教師やコーチなど誰かを教える、教育する立場にある人
著者
吉井理人(よしい・まさと)
千葉ロッテマリーンズ 監督。1965年生まれ。和歌山県立箕島高等学校卒業。84年、近鉄バファローズに入団し、翌85年に一軍投手デビュー。88年には最優秀救援投手のタイトルを獲得。95年、ヤクルトスワローズに移籍、先発陣の一角として活躍し、チームの日本一に貢献。 97年オフにFA権を行使して、メジャーリーグのニューヨーク・ メッツに移籍。98年、日本人メジャーリーガーとして史上2人目の完投勝利を達成。99年には、日本人初のポストシーズン開幕投手を担った。2000年はコロラド・ロッキーズ、01年からはモントリオール・エクスポズに在籍。03年、オリックス・ブルーウェーブに移籍し、日本球界に復帰。07年、現役引退。 08年~12年、北海道日本ハムファイターズの投手コーチに就き、09年と12年にリーグ優勝を果たす。15年、福岡ソフトバンクホークスの投手コーチに就任して日本一に、16年は北海道日本ハムファイターズの投手コーチとして日本一に輝く。 19年より千葉ロッテマリーンズ投手コーチ、22年よりピッチングコーディネーターを務め、23年より現職。また、2023WBC日本代表投手コーチも務める。一方、14年4月に筑波大学大学院人間総合科学研究科体育学専攻に入学。16年3月、博士前期課程を修了し、修士(体育学)の学位を取得。現在も研究活動を続ける。
<目次>
プロローグ まさかの監督就任
第1章 監督としての「心得」を定める
第2章 チームの「土台」をつくる
第3章 勝利を狙いつつ「育成」を推進する
第4章 「心理的安全性」を確立しチーム力を高める
第5章 チームを「勝利」に導く
エピローグ 機嫌のいいチームをつくる
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
吉井監督のチーム作り、運営は経営にも通じる。心理的安全性を担保し、主体性を持たせる。簡単ではないと思うが、具体的に分かりやすく書かれている。野球経験のないスタッフの意見を取り入れたり、柔軟な考えをお持ちなのだと思う。全員が思うようにはいかないと思うが、スタッフも優秀なかたを揃えているのだと思う。野球もいつまでも体育会系の上位下達では進歩がない。
Posted by ブクログ
「選手の主体性を育むことが重要」とあったが、学校現場と同じだなぁと感じた。「言われたことはできる」は裏を返せば「言われないとできない」と同じこと。知識偏重の教育になった弊害を受けているのが今の新社会人の世代なのかもしれない。「主体性」をきっちり育てることができれば、どんな世界においても活躍できる。肝に銘じたい。
Posted by ブクログ
選手の主体性がチームを強くする。
主体性とは、それぞれが必要なことを考え
行動することである。
それは協調性がないのとは違う。
メジャーでは、プレーオフになるとがらっとチームの雰囲気が変わる。
mojo rising
言語化できない、すると矮小化してしまうこの雰囲気を作り出したい。
Posted by ブクログ
吉井監督の目指している監督像がはっきりとわかった気がする。これまでの采配を思い返すとまさにと言うことばかりでした。あとは選手が主体的に成長するだけです。
Posted by ブクログ
一ロッテファンとして、読まなくてはいけないと使命感にかられ、書店で購入(久々に書店で本を買いました。)。内容は、ファンとしては非常に興味深いものばかりでした。2023年、2024年シーズンの試合を見ていて疑問に思っていた事が、解消されたような気がします。
吉井監督は非常にクレバーな方で、吉井さんの思想が浸透すれば、機嫌のいいチームができ、ロッテがリーグ優勝、強いては日本一に輝く日も近いのではないかと思いました。
プロ野球選手も、昨今のサラリーマンと変わらず、目標を立て、現状とのギャップを埋めるために何をすべきかということを考え、科学的根拠に基づいて、行動した人が一流になるんだろうなと思いました。
この本に書かれていることがどこまで一般化できるかわからないですが、ロッテファンとしては楽しめる一冊だと思いました。
Posted by ブクログ
千葉ロッテマリーンズの監督、吉井氏の本。著者の印象は監督というより、WBCのピッチングコーチのイメージが強かった。現役時代から冷静でクレバーだった、決して体格的に恵まれた方ではないと思う。
監督就任し、結果も残しており、本を読むと、なるほどねと思う。
プロ集団として、「自主性」(自立とは違うと言っている)つまり、自分で考え行動できること。やはり自主的な取り組みこそが結果につながる。そのためには失敗を恐れない「心理的安全性」な環境をセットで整えること。自分の考えで行動し、失敗することもあるが、それを恐れなくてよい環境もつくっているようだ。あとは、やはりコミュニケーションですね。自主的が芽生えるような質問力は素晴らしいと思いました。
Posted by ブクログ
・主体性:自分自身の意志や判断に基づいて行動を決定する様子
・自主性:当然になすべきことを、他人から指図されたり、他人の力を借りたりせずに自分から進んでやろうとする様子
・主体性には自分の意志や判断が含まれているが、自主性には含まれていない
・主体的になることは、ある意味でエゴイスティックになることだ。自分の考えに基づいて自分がいいと思ったことを自由にする。欧米のキリスト教文化下では、自分のエゴが周りを不幸にしているかどうかを気にする
・それぞれの階層で担うべき役割を明確にし、担当した人に任せ、それぞれの立場から生まれる疑問や意見を参考にしながら方向性を決めていくのが監督の仕事である。自分でやったほうが早いからと言って、コーチの業務領域を審判するのは、監督としては越権行為になる
・パフォーマンス向上の要素は「技術」「戦術」「メンタル」「体力」の4つが挙げられる。即時性があるのは戦術だけ。だからできるだけ早く伝え頭の中で整理してもらって戦いに臨んでもらう
・「今日はどうなるんだろう」そんな不安を抱えながら球場に行くよりも「今日はこれで行く」とわかっているほうが、選手は思い切ったプレーができる
・監督は変化するプロセスを含め、すべてをオープンにしたほうがいい
・それぞれの分野のプロフェッショナルが他の領域についても考えることで、新しいアイディアが生まれる
・選手は、あたかも自分一人の力でうまくなったと思ってくれたほうがいい。監督やコーチによって引き出されたことに気づかないうちに「俺ってすげえ」と思ってほしい
・その意見は間違っていると強く言ったことで、意見を言いにくくすることのほうが大きな損失になる。大事なのは「間違えることは、間違いではない」という思考だ
・自分の経験を語らない
・間違ったときに素直に間違いを認めることができれば、信頼関係は崩壊しない
・領域を超える意見を聞く機会を設けなければ、どうしても他の領域に口を出し、組織の内側から崩壊する。あるいは、他の領域に無関心になり、相互作用による向上が望めなくなる
・専門家だけの凝り固まった発想から自由になる必要がある
・人は、できることしかできない。できることを整理し、できることの水準を上げることに集中すればいい。できないことを克服するのは、時間をかけてじっくり取り組めばいいのだ
・返り咲くチャンスが有ることも、心理的安全性の一つの形だろう
・専門家からは因果関係から課題を解決する方法を、未経験者からは常識を疑う方法を取り入れる
・個性が選手の数だけあり、個性が化学反応を起こして新たな何かが生まれれば、それは極めて魅力的なチームになる
・強みをさらに伸ばし、弱みを強みで補う
・常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションのことを言う
・何かを学ぶのに、自分自身で経験する以上にいい方法はない
・間違いを犯したことのない人とは、何も新しいことをしていない人だ
Posted by ブクログ
分かりやすく、面白い。
具体例はほとんど野球の話だが、心理的安全性を作るためにどのようなタイミングで、どのような言葉かけるのか等イメージしやすい本です。
Posted by ブクログ
よく勉強してるなと思った。リーダーシップ、マーケティング、コーチングなど使った話がよく出てくる。そのうえで、「点取った後は取られないように」などのよく出る野球フレーズに「点はいつでも取られないように」と言える。そしてそれを言うことでのデメリットが挙げられるのはすごく共感できるし気持ちいい。おかしな根性論がたくさんあって、そのことでメンタルがやられてしまう野球人がたくさんいる。とても現代的だと思った。
Posted by ブクログ
吉井さんのブレない考え方が書かれている。
この本の中にも書かれていたが、
送りバントを失敗したあとに
タイムリーを打った選手に、
「ゴメン」と謝っていた姿は象徴的だった。
すべて共感できる内容。
だがしかし、
今の成績が悪すぎる。
このままだと
「メジャーじゃいいけど日本では」とか
「最近の若い人には」とか
そっちの意見に押し切られそう。
マリーンズ、頑張って!
Posted by ブクログ
題名だけでオーディブルで聞いたら野球の監督さんのお話だった!野球をよく知ってたらもっともっと面白く聞けただろうなぁ。
野球の話だけれども、管理職の人が読んで学びになる内容ばかり。組織の成長のために個々人の主体性を磨くことって肝だなと改めて実感。
Posted by ブクログ
ロッテ監督業での経験をもとに書いており、内容にそれなりの迫真さを感じた。心理的安定性が組織運営と成果達成に重要なのは、私個人の経験とも合致するところだ。
Posted by ブクログ
レバレッジ(てこの原理)方式のリリーバーの使い方 クオリティースタート(6回以上の投球、自責点3点以下) 6回辺りで相手の息を止める優れたリリーバーが居れば、価値は見えて来るので有る。 勝利へ突き進むレバーを入れるという意味で パフォーマンス向上の要素は「技術」「戦術」「メンタル」「体力」の4つが挙げられる。即時性が有るのは戦術だけ。 朝令暮改で無能と思われたく無いという自尊心も有る 選手に主体性を求めるならば、出来るだけ考える材料と、準備をする時間を与えるべきだ。 即時性が有り、重要度が高い課題から取り組む。 社会人の基本は、物事を深く考える事が起点になる。負けてしまうと、自分が考えた事が正しかったのかと不安になり、思考が停止する。考える習慣をドライブさせる為にも、勝利が必要だ。勝利と育成が両輪で有る事は、此処でも証明される。 課題に気付かせる為の「質問の抽斗」を沢山用意する 人は、出来る事しか出来ない。出来る事を整理し、出来る事の水準を上げる事に集中すれば良い。 自分で言葉にしないと、直ぐに忘れてしまう。 心理的安全性を担保する事で、意見を言い易い環境を整える。それこそが、チーム力の向上に寄与するのは確実である。 課題の解像度を高める狙いがあった データに関する深い洞察力と、経験則の蓄積の両方が求められる。 インクルージョン(包摂) データをフル活用する為にも、データでは説明出来ない事を熟知する必要がある。 主体的と自主的は違う