あらすじ
ミステリ作家の卵であるアニーは、大叔母の住むキャッスルノール村に招かれた。大叔母は16歳のときに占い師から告げられた、いつかおまえは殺されるという予言を信じつづけており、大邸宅に住む奇妙な老婦人として知られている。屋敷を訪れると、大叔母は図書室で死んでいた。両手には血の痕があり、床には茎の長い白薔薇が落ちていた。予言が的中して自分が殺されてしまったときのために、大叔母は約60年をかけて親族や村人たちを調査していた。その膨大な調査記録を手がかりに、アニーは犯人探しに挑む。新鋭が贈る犯人当てミステリの大傑作!/解説=千街晶之
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Posted by ブクログ
多分、ミステリーの後ろの広告で見て。
資産家の大叔母の弁護士から、会合に出席するように手紙が来る。
現在無職で作家志望のアニーは大叔母の住む村、
昔からの知り合いがほとんど住み続けるような田舎の村へと向かうが、
屋敷の図書室で大叔母フランシスは死んでいた。
白薔薇のかたわらで。
大叔母は十六歳の頃に告げられた占いが、
自分の死を予言しているものだと深く信じていた。
クイーンを片手のひらににぎった、とある一節を信じて、
義理の甥の結婚式場を変更させるぐらいに。
大叔母の遺言は、自分を殺した犯人を探し当てた人に全財産を渡すとあり、
アニーは自分と母親が住んでいる家を守るためにも、
大叔母の殺人を調べることにする。
だが、その背後には大叔母の友人が十七歳で行方不明になった事件がからまっていた…。
過去と現在を行ったり来たりするミステリーはよくあるが、
過去の方が重苦しく過剰に謎めいていたりすることなく、
両方がバランスよく興味深くて面白かった。
アニーの家の地下室からお屋敷に送ったトランクに、
死体が入っていたという展開には驚いた。
知らずに送ったということだったが、異臭はしないものなのか?
「乾いた骨」だから?
アニーと「おしゃれでありながらたくましくみえる」刑事が
安直に恋に落ちないのも良かったし、
フランシスを裏切ってしまった元恋人が牧師となり、
長年友情を持ち続けるのも良かった。
残念なのはタイトルがそぐわない感じがすること。
原題の直訳は難しかったとしても、
せめて死の占いの一節から採用するとかにしてほしかった。
「裏切りの鳥」とか、「正義の娘たち」とか。
今風なら、
「私が殺されたので、犯人を捜してください」かな。
Posted by ブクログ
バースの再来とか
レッドツェッペリンの後継者とか
令和のダウンタウンとか
そういうの大体大外れなんだけど。
この作品はクリスティテイストがばっちりがっつり満喫できる、犯人捜しの王道かつ古典的本格推理小説。ホロヴィッツと比較されることも多いだろうけど、こっちの方がより在りし日の本格ミステリーの味わいをしっかり残している感じ。それを古さと感じるか伝統と感じるかは好みだろうな。俺は伝統美と感じたが。
あえて難点を言えば、名前の憶えづらさ。ローラとローズとか、エミリーとエルヴァとか、ジョーとジョンとジェニーとか、最初それもトリックかと感じたくらい。日本人には分かりにくいのかなぁ。俺もまぁまぁ翻訳小説は読んできたと思うねんけど。
Posted by ブクログ
正に王道の翻訳本らしいタイトル。
翻訳物でいちばん戸惑う(私の場合)登場人物が多すぎて、(姓、名、呼び名とバリエーション多すぎ)なんども巻頭の人物リストを見返しながら、把握する。
とはいえ、誰でも犯人になり得る中での展開で、意外な展開に。でも、犯人が判明すればすべてが腑に落ちたようで、なかなかに難しい人間模様。
それにしても、なんで大叔母は資産家と結婚したんだろうと・・・ここが私にはミステリー。
Posted by ブクログ
本屋大賞 海外部門第2位を獲得した作品。
海外作品特有の登場人物の多さと淡々と進む話に読みにくさを感じつつも、骨太でかつ60年前の過去の事件や遺産相続にかかる捜査バトルなど多くの要素が絡み合っていて面白かったです。60年前に殺人を犯したのは誰なのか、大叔母のフランシスを殺害したのは誰なのか、脅迫状の意味とは、容疑者たちが隠す秘密、etc...。様々な伏線が一つに収まっていくところがとてもスッキリしました。過去(日記)と現代の章を行き来していくこと、人間関係が複雑でかつ呼び名が複数あること、長いストーリーと独特な言い回しで進めずらいところも多々あると思いますが読んでみてください。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
アナベル・アダムズ:黒沢ともよ
フランシス・アダムズ:雨宮天
ラザフォード・ローレンス・グレイヴズダウン:津田健次郎
エミリー・スパロウ:内田真礼
ローラ・アダムズ:日笠陽子
ウォルター・ゴードン:茶風林/武内駿輔
オリヴァー・ゴードン:松岡禎丞
サクソン・グレイヴズダウン:山寺宏一/下野紘
エルヴァ・グレイヴズダウン:朴璐美
アーチー・フォイル:西村知道
べス・タカガ・フォイル:小松未可子
ミユキ・タカガ・フォイル:安野希世乃
マグダ:くじら
ジョー・リロイ:安元洋貴
ローズ・リロイ:島本須美/東山奈央
ローワン・クレイン:諏訪部順一
エシー・オウス:湯屋敦子
ジョン・オクスリー:三木眞一郎/島崎信長
Posted by ブクログ
仲良し三人組の女子が内面ドロドロとかあるやつ~~
人のまねをして人のものを欲しがる子いるねえ
過去の日記と現在が並行で描かれていく構成が好きだった
Posted by ブクログ
本屋大賞の翻訳部門第2位ということで普段敬遠している海外ミステリにチャレンジ。しかし読めども読めどもはまれない。裏表紙の紹介文に「犯人当てミステリの大傑作」とも書いてるし、どう傑作なのか気になり最後まで頑張って読んでみたけど結局面白さがよくわからないままだった。いろんな人の名前が出てくるたびに、どういう人だっけ?といちいち考えてしまったし、何よりフランシスの日記!半日もあればすぐ読めるボリュームなのに、手がかりが詰まってる重要資料だってわかってるのに、なかなか読み進めないからイライラした。すぐ読めばいいのに!!!
Posted by ブクログ
3.3くらい。ややがっかり。まあまあだけど、謎解きとしては物足りない。
過去パートと現在パートで行ったり来たりするので飽きは来ないが、ミステリーとしてのトリック的面白さがイマイチ。結局どのタイミングで注射したのかよくわからない。
過去パートのエミリー殺しも、読めばわかってしまうものでちょっと残念。
あとフランシスとフォードがどうして結婚したのかもよくわからなかった。
フランシスが美人で気が合うからというゴリ押し?気が合うというのも、他よりマシという相対評価的で、ロマンスとしてあんまり燃えなかった。
Posted by ブクログ
読み物として、本当に面白い!でも個人的にはミステリじゃない
良かった点
・"フランシスの日記"(早く続きが読みたくなる素晴らしい筆致)
・登場人物は多いけど、親族で固めているから把握しやすい
ここはどうなのか?と思う点
・とにかく中途半端な描写が多い
・アニーの恐怖症の数々(これは要るのか?)
・現在のサクソンが余りにも小物
帯とかで“ホロヴィッツと並ぶクリスティの後継者”って書かれてあったけど、それは本当なの?
推理小説として、放置してある事象多くないか?
細かいけど、
・フランシスの紫色のカーディガンを何故かローズが持っていくが、それについては触れてない
(多分、ローズのフランシスへの強迫観念の現れ?)
・何故エミリーは、ローラという最大の切り札を手放したのか
・フォードの元妻オリヴィアの真相
・エルヴァがローラを嫌う理由
(↑3つは推測での理由付け有り)
・サムの調査ファイルをわざわざ回収させる必要性
こういうのが至る所にあって、でもそれに対しての答えは推測とか憶測が多い。
まじで細かいと自分でも思うけど、クリスティとホロヴィッツはこういう細かい全ての事象にちゃんと答えをくれるから、本作もそうだろうと、ちょっと期待してしまった。
著者のクリスティン・ペインさんは元々児童書を書かれている作家らしい。だからか、先を読みたいと思わせる力が卓越してると思ったし、最初に書いた通り、読み物として、面白かった!