あらすじ
「リュックが当たってんだよ!」。時に些細なことで殺伐とする電車内。なぜ人は電車内でイライラしたり、人をイライラさせてしまうのか? 鉄道の車内空間を規定する「車内マナー」の成り立ちや変遷、人々の生活様式の変容に対しての受容の仕方などを通じ、日本の社会を見通す一冊。
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Posted by ブクログ
世の中にはいろいろな研究家がいるものだ。副題にもあるように鉄道マナーの変遷・歴史を例にとって、大げさに言えば人々の「倫理観」がどう変わっているかがわかる。車内の不愉快行為の上位項目グラフがわかりやすかった。そういえば読書の歴史の本を読んだときに、昔は交通機関の中で音読する人が普通にいたということを知った。このように人々の感覚は変わるのは当然。痴漢や盗撮は犯罪だから言語道断だが、イヤフォンの音漏れや化粧、リュック、爆睡寄りかかりなどそういえば数限りない迷惑行為がある。モバイル機器が加わってその項目も増えた。
Posted by ブクログ
内容的には固すぎず、テーマとしても疎遠とまではいかないものであり、社会学やメディア論的な議論を味わえた。
個人的に好きな寺田寅彦の随筆も引かれていたが、戦前から続く鉄道の歴史の中でのマナーというものの扱われ方が、「鉄道が社会の縮図」という言説を導く構図のなかで果たす役割など、学問的な論究がなされていて、筆者も述べる通りに鉄オタではないからこそ啓かれた思索なのだと思う。
Posted by ブクログ
最近、バックパックの電車内での持ち方についての記事を読んだ。
私は、混み合った電車内では体の前で抱える様にしている。
そしてふと思いだした。
若い頃、通勤中に混み合う山手線内で見かけたOLさん。
立っていて吊り革に掴まっていた。
流行りのブランドバック(丸型のポシェット)を肩からかけていたのだが、
降車時振り返った拍子に、バッグが座っていた中年サラリーマンの顔を直撃。
怒ったサラリーマンは、ボクシングのパンチングボールの様にバッグを殴っていた。
心の中でクスッと笑ってしまったが、やはり混雑した電車内では、音も含め周りにある程度の気配りは必要かと思いました。