あらすじ
本に挟まれた暗号。 謎解きに挑む姉妹。 忘れらない夏が始まる。 「役立たたない」ことが好きなクイズ研究会会長の高校2年・ライと、大学受験に向けて効率重視で「役立つこと」が好きな同級生のキヨ。対照的な性格の二人だが、夏休みの間、謎解きに挑む姉妹を手伝うことになる。謎解きの先で待つものとは――。 すべての謎が明かされた時、切なさと温かさが胸を満たす、青春恋愛ミステリー。
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Posted by ブクログ
青春ミステリー、暗号は知識と考え方が分かれば誰でも解けるものばかりで読んでいて、とても楽しかったです。
自分にもこんな青春があったらよかったなと、読みながらニヤニヤしてしまったり、終盤では主人公にどっぷりと感情移入してしまっていたこともあり悲しく切ない気持ちにもなりました。
たくさんの人に読んでもらいたい作品です。オススメの一冊になりました。ありがとうございました。
Posted by ブクログ
クイズや謎解きを軸にしつつも青春のもろさや成長の痛みを丁寧に描いた印象深い作品だった。周囲から浮いた存在である成田頼伸が“役に立たない知識”を武器に暗号に挑む過程は単なる自己肯定の物語を超え、人の価値や意味を問い直すものでもあった。対照的な存在として描かれる陽キャの清春との関係性も反発と協調のバランスが巧みに描かれ物語に深みを与えている。終盤には命の有限性や別れといった重いテーマが浮かび上がり、読み終えた後に静かな余韻が残る。自分自身の心の中にある“空欄”と向き合いたくなるような、静かで鮮烈な一冊だった。