あらすじ
大阪へ来た人、大阪を出た人――かつていた場所と今いる場所が「私」を通して交差する。街と人の呼吸を活写した初共著エッセイ。文庫化にあたって書き下ろし収録。解説:西加奈子
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Posted by ブクログ
岸さんと柴崎さん、そして私にとっての大阪
大学進学を機に大阪に住み始めた岸さんと、三十二歳になる直前まで大阪に住んでいた柴崎さん。
「わたしにとっては、大阪を書くことは、自分の生きてきた時間と場所と、関係のある人を書くことに、どうしてもなってしまう。」(P16)
柴崎さんは大正区の南の果てご出身、私は大阪市の北の果てに住んでいた(身内に美容師がいるのも同じ)ので「ああ、こういう感じだったなぁ」というところと「南のほうはそうだったんだ」という答え合わせのようでとてもとても興味深く…私が実家やその周辺で子供だった頃、柴崎さんも柴崎さんの場所で子供だったんだなというノスタルジーも感じつつ読みました。
「三十年前に私ははじめて大阪にやってきて、淀川の河川敷に出会い、大阪の自由を感じた。そして、そこから同じ三十年という時間を遡ると、大阪は、阪急百貨店に子供が捨てられる街だったのだ。」(P63)
岸さんサイドは大阪に移住してきた人の心情が丁寧に細やかに描かれていました。私にとって場所として馴染みがあるのは岸さんサイドのエッセイ。野良犬のことが書かれていて、小学生の私が飼った犬は友達が拾った野良犬だったので懐かしく思いました。
居場所を語ることは人生を語ること。でも今の住んでる場所は仮住まい感をヒシヒシと感じるので生まれ育った場所というのは特別なんだなと再認識しました。
Posted by ブクログ
岸政彦さんの本はいつも読んでて本当に不思議な感覚に陥る感じがある
頭の中をスーンと何か静かなものが突き抜けて流れていくような感じ
流動的で普遍的〜連続性〜みたいな(自分で意味分かってないけど)単語が似合うような
登場人物に親しみを持って読んでいたら急にその人が消えるからさ、なんかそこで〜普遍的〜みたいなさ…分かってないけど…
柴田友香さんめっちゃ都会の学生生活で羨ましいんやけど…田舎って損だなあ
こんなに文化享受できなかったし行くとこなかったし暇だから時間は長く感じたよ
私こんな楽しそうな街一生知らないんだよなー
大学進学のときとか就職とかなんで出なかったんだろって後悔がまた湧いてくる
知らない街に住みたかったのに
複数の居場所が欲しかったのに
本当地元近辺を出ないで一生このままなんだよなー
もう1人では動けないし…
自分で自分が可哀想
私たちは自分というものに対して、憧れを持つことができない。
ほんそれ!!