【感想・ネタバレ】アクティビズムを飲み込む企業価値創造 高ROE、PBR経営実現への処方箋のレビュー

あらすじ

企業価値を高めたいなら経営にアクティビストの視点を入れよ!
具体的事例を基に新しいキャピタル・マネジメントの実践手法を提示。

■PBR1倍割れは経営者として“恥ずべき”問題である
CGコード施行から7年。「形式面」での変革は進んだが、主要KPIと定義されたROEは伸び悩み、上場企業としての究極のKPIともいうべきPBRも1倍割れ企業が続出する異常事態が常態化している。
企業価値の向上はまさに喫緊の課題だ。

■アクティビズムをヒントに企業価値の創造を目指せ!
本書はこうした問題を、実際の企業ケースを基に、(1)コーポレートガバナンス改革を批判的にレビューする、(2)アクティビズムを企業価値向上の「教科書」として活用する、(3)「バリュー投資の父」ベンジャミン・グレアムに学ぶ、(4)ケースを分析し詳細に紹介する、(5)企業がアクティビストに先んじて処方箋を実践することを提言する――の5つのポイントから整理・分析、課題解決への処方箋を提示するもの。
身売り・MBO、株主還元、最適資本構成、事業売却・スピンオフなど主要アプローチごとに、アクティビズムの主張を活用した「処方箋」を実践し企業価値向上を実現した企業ケースを詳細に分析。アクティビズムの手法を企業価値向上策に取り入れることで究極のアクティビスト対策にもなるという「アクティビズム・インテグレーション」による経営改革の実践を提言する。

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Posted by ブクログ

伊藤レポートで示されたROE8%。東証が掲げたPBR1.0x。そしてコーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コード。ここ10年で一気に資本市場を意識した整備が進んだ印象だが、本書は株式市場に適合した企業価値創造のキャピタル・マネジメント手法を学ぶ一冊として実践的かつ具体的で非常に参考になる。著者が提唱する「アクティビズム・インテグレーション」という、経営層自らアクティビスト以上にアクティビストになるというアプローチは大いに賛同。本書の構成としては、まず古典的手法としてグレハム氏を取り上げ、続いてバフェット氏・現代アクティブスト、そしてそれらの事例を詳細に分析し、検証・解説。専門用語も多いが文章が読みやすく体系立てて書かれているので、詰まることなく知的好奇心が刺激される。IRや経営企画、財務の方にはぜひおすすめ。

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2024年10月30日

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