【感想・ネタバレ】シリーズ「あいだで考える」 ハマれないまま、生きてます こどもとおとなのあいだのレビュー

あらすじ

いま、子どもと大人の境界はますます曖昧になっている。本書では、子どもにも大人にもハマれないまま生きてきた著者が、自らの「子どもと大人のあいだ」を見つめ、そこにうごめく性と暴力、死への衝動や生のあがきを正直に、飄々と描く。幼少時から周囲の求める「○○らしさ」と闘い、やがてフェミニズムとキリスト教に出会い、言葉と思想を得てきたプロセスを語りだす。子ども/大人の二分法を超え「ひと」のありようを問う1冊。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

 わたしは栗田さんの本ってものすごく面白いと感じる。真面目で深刻なのにどこか滑稽さがある。本書は、本書の執筆をうっかり引き受けてしまったものの、とても書けないと編集会議で号泣したというまさかの事態の告白から始まる。わたしがこう書いても何もおもしろくないし、むしろ引く話にしか聞こえないし、実際多くの人はもしかしたら本書のこの部分を読んで引いたかもしれない、と勝手な心配までしてしまう。でも私にはおかしい。小さなことに躓いてどうしようもなく悲しくなって大泣きして、泣いているうちに、こんな小さなことで大泣きしている自分のことが自分でもおかしくなって泣きながら笑えてくる、そんなときみたいなおかしさ。もっとつらいめにあっている人はたくさんいて、自分の境遇は最低なんかじゃないしむしろ恵まれているほうだということもわかっている。要するに過剰反応なんだよな、とわかっているんだけど、反応しちゃうように出来上がってしまった今があるんだからしかたない。そんな感じ。

〈引用〉
・内側に入りこんだ否定が、方向を変えればそれは非常にわかりやすい暴力になるのだった。
・自分の感情をただただ打ち消し否定しようとして自殺を図ったし、「自殺をやめてほしい」と言った母に暴力をふるったが、怒りも悩みも悲しみの言葉も神に向けることは構わないということを知り、ようやく自他への暴力がストップしたのだ。
・悲しみや怒りを神にぶつけることそのものが祈りである。違う言い方をすれば祈りは、悲しみや怒りをぶちまけてストレスを発散させる手段ではないのである。

 「内側に入りこんだ否定」自体を取り除くことができれば、それが根本的な解決策となる構造である。しかし栗田さんの場合、そうではなくて「祈り」という対処療法を得て、救われた、という物語だった。わたしは「内側に入りこんだ否定」を溶かしていくことばかり目指そうとしていた気がするが、これは相当難しいということにも気づきはじめている。根本治療だけが正しい対処ではないのかもしれない。これが今回の発見だった。

0
2026年08月23日

Posted by ブクログ

子供の頃からの話も思春期のことも、飾らない形で書かれているから、あぁ、分かる…とかそういうこともあるんだ…とか思いながら読んだ。
最後に、ここまでの全てを「抱きしめたい」と書いてあって、著者がそこに行きつけて良かったと思ったし、自分もそうありたいと思った。
細かいけど、職場の「園児のみなさん」と書いてあるところが私は好きだと思った。

0
2025年09月01日

Posted by ブクログ

大好きなシリーズ。
筆者の幼少期からの「ハマれない」体験や、その当時の心をつまびやかに記しています。ここまで曝け出していいのかと思うとともに、曝け出されている危うい感覚とか思いとかが、ふたをしてみないようにしている自分の奥底にもいるんじゃないかな?という何だかヒヤヒヤするような、新鮮な気持ちを覚えました。
考え方やここまでの人生がわたしのそれとは大きく違う方のお話だからこそ、想像力を少し広げてくれる良い読書になったなと思います。ここまでことばにするのって、かなり体力も心もけずったんじゃないかなぁ。

0
2024年09月27日

Posted by ブクログ

「否定が自分の中に食い込むと、自分の行動を改めるよりも自分自身を消してしまおうとしてしまう。」

心当たりがありすぎて頭を抱えてしまった。

このままでいいとは思えないけど自分が変われると思えない、それならいっそ、と思ってしまう気持ちはとてもわかる。

0
2024年06月30日

Posted by ブクログ

タイトルだけ見て、「なにか(だれか)を推すということが馴染む人と馴染まない人の違いを考察」みたいな内容かと思って読み始めたため、全然違ってびっくりした。(副題にちゃんと書いてありました。装丁が素敵すぎてよく見てませんでした)

著者の半生の生きづらさを考察した内容で、雨宮処凛さんの著書と通うものを感じる。

キャリアを積まず、一人での生活を大事に満足して送る女性の生き方を前向きに捉える作品が届くことで、社会で息がしやすくなる人が大勢いると思った。

「あいだで考える」シリーズ、もっと読んでみたいです。

0
2024年06月16日

Posted by ブクログ

久々にここまであからさまに偏っている人の本を読んだ。やはりフェニミズムは反社会性と結びつきやすい構造である。なぜなら今の常識を疑うことが出発点だから。
だけど、それが新鮮であり気付かされるところもあった。人生は自分の歩き方、泳ぎ方を見つけることであり、らしさにハマることではないと教えてもらった。
識から外れることは生きにくいことでありハマりにくいことであるが…。
振り幅によるけど、そんなスタンスは生きて行く上では必要なチカラなのかもしれない。

0
2024年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何つーか、赤裸々な本だった。初読みの作家さん。16歳の時の自殺未遂から始まり、子どもの時期も周りから浮いているというか、まさにはまっていないと感じ、大人になってもその感じはあると。感受性豊かというか、時代に巻き込まれず違和感をちゃんとキャッチできていたなんてそういうセンスのある人なんだろう。世代が近いから登校拒否や結婚がよしとされてた時代のこともよく分かる。まさに非正規雇用で暮らしてるし。女が未婚のまま生きていられるなんて、私はほんとにいい時代に生まれたよ。

0
2025年06月19日

「社会・政治」ランキング