あらすじ
保阪正康氏、推薦! 「中国を知る最良の方法とは何か? それは中国特有の歴史構造を読み解くことだ。本書はまさにその最適な書である」最も近接し、否応なくつきあわねばならない大国――中国。中国を知ることは、日本人が現代の世界に生きていくうえで必須喫緊の課題であり、いま求められている教養です。なぜ中国は「一つの中国」に固執するのか。なぜ中国はあれほど強烈な「中華思想」をもつのか。なぜ中国は「共産党一党独裁」になったのか。なぜ中国はあれほど格差が大きいのか。なぜ中国は「産業革命」が起きなかったのか。「対の構造」をはじめとする中国の個性がわかれば、こうした疑問を解き明かす道筋が見えてくる! 東洋史研究の第一人者が明快に語る隣国の本当の姿。
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Posted by ブクログ
興味深く思ったのは漢人王朝よりも元などの王朝のほうが、民衆の生活は安定していたと思われること。明の政治は凄惨だったということ。現在の中国もこれまでの歴史からすれば、変わっているわけではないこと。今の日中関係を念頭に読んでおきたい一冊だった。
Posted by ブクログ
通史かと思って適当に読み始めたら相当にヘビーな内容でとても面白かったです。
大学で東洋史を勉強していたので、中国の歴史には親しんではいたはずですが、目から鱗というか。
日本は中国文明の影響を受けて発展してきましたし、渡来人も来てたし、それなりに貿易もあり、何より書籍が大量に入ってきていて、中国のことはよく知っている…という思い込みが、確かに自分の中にもあったのかも。
それで今の中国人は「日本人の知ってる中国人と違う」
王朝時代と共産党時代で中国人が変わったわけではなく、もともと中国人はそうなんだ、と。確かに日本人は中国人のことを全く知らない。どんな考え方で行動し、何を信じ、何を大切にしているのか。
幕末明治に西洋文明をあっさり受け入れられることのできた日本と、西洋とは全く違う東洋のシステムが根強い中国。
どちらがいい悪いではなくただただ『違う』のだ。
気づきの多い本でした。
Posted by ブクログ
<目次>
序章 中国は「対の構造」で見る
第1部 「中国」のはじまり~古代から現代まで受け継がれるものとは
第1章 なぜ「一つの中国」をめざすのか
第2章 「皇帝」はどのようにして生まれたのか
第3章 儒教抜きには中国史は語れない
第2部 交わる胡漢、変わる王朝、動く社会~遊牧民の台頭から皇帝独裁へ
第4章 中国史を大きく動かした遊牧民
第5章 唐宋変革による大転換
第6章 「士」と「庶」の二元構造
第3部 現代中国はどのようにして生まれたのか
第7章 現代中国を作り上げた明と清
第8章 官民乖離の「西洋化」と「国民国家」
第9章 「共産主義国家」としての中国
<内容>
通常の中国史とは違い、いくつかの視点を基にして語られているので、すんなりと頭に入る中国史だ。ポイントは「二元構造(対の構造)」「儒教」だ。世界が「中華」と「外夷」に分かれ、「士(士大夫)」と「庶」に分かれ、「官」と「民」に分かれる。その思想は古代から現代まで変わらない。また「儒教」では、「歴史は過去が最高で、現代はそこから劣化している」という考え。これを理解しないと、現代の中国も理解できない。