あらすじ
第24回ちゅうでん児童文学賞で大賞をとった志津栄子の最新作!
トマトを区別できない、肉が焼けたタイミングがわからないことから、色覚障がいが発覚し苦しむ信太朗。母親は悪気なく「かわいそう」といい、試すようなことをしてくるし、症状を知らないクラスメイトから似顔絵のくちびるを茶色に塗ったことを馬鹿にされ、すっかり自信を失ってしまう。眼科の先生は個性のひとつと言ってくれるけれど、まわりがそうはとらえてくれないし…。
学年が上がり、クラス担任が変わり自分自身に向き合ってくれたことで、信太朗は自分の目へのとらえ方がすこしずつ変わっていくことに気が付く。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
色覚障害がわかったときの母の気持ちとぼくの本音のすれ違いに目頭が熱くなった。
色覚障害に対して、子も親もそれぞれの視点で向き合っていく。
人によっては、憧れの職業を諦めなければならないこともあり、同じ障害を持つ誰しもが、自分なりの答えを見つけられるわけではないと思うが、考え方を変えることによって新しい可能性が見つかることもあるはず。
色覚障害を軸に、友達や、それぞれが苦手なことへの向き合い方、子どもが気づきにくい両親の思いなどが描かれていて、子どもの見識を広げてくれる本だと感じた。
Posted by ブクログ
赤と緑の区別がつかず、人と見え方が違うことに人知れず悩んでいた信太朗。ある日、検査で色覚障害と診断される。お母さんは「かわいそう」と言うけれど‥。ぼくはかわいそうなんかじゃないと言う思いもあり、母との関係も今までとは変わってくる。
また、似顔絵の絵の色を間違って塗ってしまい、笑われたことから、信太朗が腹立たしく思っていた友行。五年生になったら同じクラスになってしまう。担任の先生も代わり、今度は色覚障害に理解のある平林和也先生に。友行との関係も少しずつ変わり始めて‥。
色覚障害の人の悩みを初めて知った。
Posted by ブクログ
先生が良い人で見習いたい。
子供ができて夢を諦めるのは普通のことなので父母の話は余分かな。
色覚異常の男の子が絵を描くのに夢中になるのは夢があるけど、色覚異常じゃない人が見ていいと思える水彩画が描けるものだろうか?
山水画のように白黒で描く方が良いように思えます。
Posted by ブクログ
2025課題図書
色覚障害を持つ5年生信太朗。障害があることを周りに隠して生活していたが、先生の配慮や友達の理解を得て、やがて自分の見え方に自信を持ち、絵を描き始める。
障害への理解、大切なものを見つけていく過程など前向きな展開がよかった。
ただ、子どもができて夢をあきらめ、子どもひとすじに生きてきた母、一人で育てようとしていた母に負い目を感じ、自分も夢をあきらめて懸命に働く父、という、ドラマみたいな展開は、小学生対象の児童文学としてはどうなんだろう?
最後はみな自分にとっての大切なものをみつけるのだけれど…母の生き方に物語のウェイトがいきすぎている気がして、ちょっとモヤモヤが残りました。