あらすじ
沖縄になぜ基地が集中しているのか? 基地問題を理解し、その解消を目指していくためには、沖縄が日本に併合された経緯や、その後何度も本土の犠牲になった歴史を知らなければならない。 【目次】第一章 沖縄の歴史/第二章 構造的差別とは何か/第三章 沖縄から問われる構造的差別/対話 沖縄へのコロニアリズムについて
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Posted by ブクログ
そもそも観光地としての沖縄に興味がないので行ったことがないけど、気軽に沖縄に行きたいだとか、リゾートでのんびりしたいだなんて言えない。
諸悪の根元ヨーロッパはもちろん、日本もアメリカも中国もロシアも、いつまで植民地主義でいるつもりなんだろう。
沖縄の反対を無視するなら、本土の反対も無視して基地をどんどん本土に移せばいいのに。
沖縄にだけ苦しみや悲しみをこんなにも長い間背負わせ続けるなんておかしい。
Posted by ブクログ
ちくまプリマー新書(分かりやすい言葉で伝えてくれる入門書)なので、難解な言葉が控えられており非常に読みやすい。
これを読みながら、自分がこの歳になるまで、沖縄のこれまでの歴史や置かれた状況について無関心·無知でいたことを恥じました。教科書で習ったようなふわっとした知識やたまに見聞きするニュースでぼんやり認識しているだけで、大して感情移入することをせず、そのまま知らぬ存ぜぬの態度でいました。そうやって差別や抑圧に加担し続けていたことに気付き、そのことについて深く考えるきっかけをもらえたので、こちらの本を読んで良かったです。
本土(日本)が沖縄に強いてきた負担も加害してきた歴史も、当事者である沖縄の人からすれば「この本だけでは足りない」「まだまだこんなもんじゃない、不十分なくらいだ」と思われるのだろう…。入門書のようなこの本を読むだけでも、罪悪感や申し訳ない気持ちで落ち込むが、これでもまだ易しくて、手心が加えられているのだろうなと感じる。
自分の中にある差別意識や薄情さを突きつけられるので、本書を読んでいて気持ちが上向くことなんて一度もない。けれど「責められているようで気分が落ち込むから……」とこれを読まずに沖縄の過去や今を知らないままでいるよりは、事実を知って落ち込んで相手の置かれた立場に感情移入して、考える方がずっと良いだろう。
沖縄の歴史や問題に向き合うことのない日常が私たちにとって“普通のこと“になってしまっているからこそ、感じた罪悪感や「これは私たちの問題であり、私たちに責任がある」という気持ちを大事にしたいと思います。
本書で指摘しているように、本土の人が一人一人関心を持って動かない限り、いつまでも沖縄の土地やそこに住む沖縄人を踏みにじって危険に晒して苦しめる現状は変わらない。
能動的に情報を取りに行き、SNSで発信する話題や社会運動、選挙を通して出来ることなど、本土にいながらでも自分に何が出来るのか考えて行動したい。「偽善的だと冷笑されるかも」「私一人で何か大きく変えることは出来ないから…」と、また無関心な状態に戻ることはしたくないです…。
Posted by ブクログ
日本にある米軍基地の70%以上がなぜ沖縄に集中しているのか。基地問題のもっとも基本的なところを、沖縄併合の歴史からわかりやすく解説してくれる良書だった。
巻末に収録された、著者と知念ウシさんとの対談は特に胸に響いた。コロニアリズムという観点から、沖縄がいかに苦しんできたのかということ、それが今もなお続いているということを正面から投げかけられ、自分はどう考えればよいのかを厳しく問われる言葉だった。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃわかりやすかった。
沖縄の歴史背景。構造的差別問題。構造を理解するとっかかりとしてはすごくよかった。もっといろんな角度から学びたくなった。
Posted by ブクログ
基地の移設問題など、ワードは聞いたことがあっても恥ずかしながら詳しく知らないことが多かったため、学ぶことが多かった。
歴史的なことがらなど非常に丁寧に説明されており良かった。
Posted by ブクログ
−沖縄が日本に甘えているのか、日本が沖縄に甘えているのか−
米軍基地の70%が沖縄に集中している事実を知りながら基地問題についていまいち理解していなかった。
自信を持って沖縄が好きと言えるように、まずは、巨大な不平等に加担している意識を持つことから。
平易な言葉で読みやすく、全体像を把握するのにぴったりな一冊。
Posted by ブクログ
とても真摯で的確で分かりやすかった。
うちなんちゅう、やまとんちゅうという方言があるとおり、沖縄人と日本人は違う。
沖縄が先の戦争で捨て石とされたのも、沖縄に基地が多いのも、日本政府の意向だったことは知っておくべきだろう。
本土に住む大多数の日本人は、安保条約に賛成しておきながら、自分の住む街に基地があることは望まない。
結局、都合の悪いことは隅に追いやってることも知っておかなければならない。
Posted by ブクログ
子ども用。(まだ難しいかも)
現代沖縄の諸問題について広く解説してるかと思いきや、ほぼ基地の話。確かにそれだけ大きい話で、根本原因なのだろう。
本土の人間として、負担を一方的に押し付けている側、権力側であることは認識しておかないといけない。ほんと、もっと本州に分散させていいと思うのになあ…(本州の基地の近くに住んでいるので、そこまでお気楽でNIMBYに言っているわけではない)。政治、土地、、
最後の対談を読んで、「本土の人が移住して増えるのが困る」にハッとした。出発点が「好き」であっても、数の暴力、実効支配につながる危険性。とある国々がやっていることだった。
Posted by ブクログ
沖縄と日本政府の関係を見ると、
歴史は戦争前後で途切れずに続いていることを思い出させます。
そして、戦争にきちんと向き合いきれていない日本。
本書では、条約文書や史料を参照しつつ、
琉球王国・沖縄がいかに日本政府に扱われてきたか、を論じています。
琉球王国は日本に組み入れられる前には一つの独立した政体として、日本にとっては外国として、存在していたこと。
今の北方領土のように、
沖縄県は中国・清と日本との間で分割案の対象でもあったこと。
第二次世界大戦後にはさらにアメリカとの間で、沖縄という領土の扱いが問われていたこと。
そして、
1951年のサンフランシスコ講和条約では、統治能力を欠く領土において、国連が監督して統治をする信託統治の案を想定し、それまではアメリカが代わって支配する、と取り決められた。
しかしアメリカには国連下に置くという考えがそもそもあったのかは不明。
日米安保条約では、
敗戦によって武装解除が課された日本で、また憲法との整合性もあり、
アメリカが日本国内と付近に軍配備の権利を持つとする。
1960年の安保改定では、
日本の統治能力も回復したという流れなのだろうと思うけれど、
憲法には違反しない形で、日米両国とも、「共通の危険に対処するよう行動」する義務を明記し、米国は引き続き「施設と区域」を利用できるとする。
同時に、日米行政協定の改定として、日米地位協定も締結される。
これが、米軍支配下の人や場所についての治外法権を約束するものだとされていて、
実際にその問題が露呈したのが、1995年の レイプ事件だった。
反米軍運動の高まりから、日米政府は対応として普天間基地返還に合意する。
この返還の条件として、代替施設提供があることが後にが明らかに。(どういうこと)
また、どのように県内の辺野古が候補地として有力になっていったかについては、主に日本政府の推しが初めからあったと論じている。
2014年に工事が開始したものの、
県外移設の世論、民主党のマニフェスト、なども試みられるものの、
方向性は変わらず今日に至っている。
環境評価の点や、法廷闘争の点等は触れられてはいなかったけれど、
そこら辺を全然追えていないので、もうすこし整理したいなーと思った。
沖縄に米軍基地が集中している点(7割とも言われる)については、
基地の本土分担への民意があることを示す調査も紹介されていた。
・・・
年月を経て、
世代も変わり、
戦争を含めた過去との向き合い方も
工夫が必要なんだろうなーと思う。
基地が存在し続ける沖縄では、その現実が常態化しているだろうし、
本土としても沖縄に対する認識は変化していっているし、
過去に起きたこと、どのように扱ってきたかは否定してはいけないと思うし、
どのように真摯に、建設的に、向き合うか、なのだろうと思う。