あらすじ
本は非常口。いつだって、逃げていいんだよ。
中学で友人関係に苦しみ不登校だった沙羅(さら)が選んだのは通信制高校。そこで再会した幼なじみの万葉(まんよう)は、古本屋でバイトする青年。「本という宝を探すにはコツがいる」と彼に教えられるうちに、沙羅も読書の奥深さに目覚めていって――。絵本や小説など著名な25冊の本が登場。大切な人と本でつながる瑞瑞(みずみず)しい青春小説。解説・若松英輔
※この電子書籍は2021年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
一言で言うと『好き』です。
万葉と沙羅、そしてその周りの登場人物かそれぞれ何かしら困難をかかえている。でも当人以外はそんな風に見えてない。普段生活していてもみんな感じる一場面。それでも転換のタイミングで出てくる本たちがいずれも読んでみようと思わせるのは絶妙でした。
そして、私がこの本の中で線をひいたのは
『好き』という佑月の気持ちには、きっと虹のようなグラデーションがある。どれかの色が好きとあうのではなく、七色の虹が好きなようだ。
の部分。この本の中でもLINEだけじゃなくて電話する場面とかで表現されてるように、文字だけでは伝わらない、伝わりにくい言葉ってあるからこそ、やっぱり実際に会って顔を見る、声を聞くってことは重要なのだと改めて気付かされる内容でもありました。
最後にポメラニアンとビーグルの挿絵がなんともかわいらしいので見逃さないでください!