【感想・ネタバレ】他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめのレビュー

あらすじ

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の大人の続編本!

「自分が生きやすい」社会に必要なのものとは?
感情的な共感の「シンパシー」ではなく、
意見の異なる相手を理解する知的能力の「エンパシー」。
この概念を心理学、社会学、哲学など様々な学術的分野の研究から繙く。
うまく活用するために、自治・自立し相互扶助のアナキズムを提唱。
新しい思想の地平に立つ刺激的な一冊。

他者はあまりに遠い。“共感”だけではたどり着けない。
ジャンプするために、全力で「考える」知的興奮の書!
――東畑開人

※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

コロナ後の世界で、あらためて“エンパシーとは?”を考えてみた書。

“エンパシー”という言葉は、本書で初めて聞きました。日本語では“共感”と訳されることが多いそうですが、“共感”には“シンパシー”もあります。その二つは違うのは勿論ですが、一般に“エンパシー”の定義が揺らいでいる様です。というのも、“エンパシー”という言葉が出来たのは、ほんの100年ほど前の事であり、元々はドイツ語であったそうです。

そんな事から、“エンパシーとは”という事が語られていくのですが、“アナーキズム”という言葉も多用されている事には驚きました。“アナーキズム”と言うと、テロと結びつくイメージですが、どうも、ただ“アナーキズム”と言った場合は“=テロ”では無いようですね。もっとも、アナーキズムに関連して出てくる歴史上の人物の名前が、テロリストとして記憶されている人物なので、どうしてもテロのイメージはぬぐえないんですけどね。

それと、“エンパシー”がコロナ禍の頃の話で語られていたのですが、その話は分かりやすかったですね。平時では見向きもされていない人たちが、急にエッセンシャルワーカーとか言われて脚光を浴び、称賛されていく流れは頷くばかりでした。

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2025年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

他者の靴を履くこと=「エンパシー」

エンパシーという言葉の意味をよく知らずに読みましたが、「きっとどの人にとっても何かしら思い当たる節があるだろう」というような事例が取り上げられていて、腑に落ちるものが多かったです。攻撃的な上司、政府のあり方、行き過ぎた自己責任論、差別・・・日々の生活で感じるモヤモヤの正体が少し明らかになったように思います。
同時に、今までエンパシー搾取によって自己を喪失してしまっていたことが何度あっただろうかと振り返らずにはいられませんでした。
↓ゾッとした文章の引用です。

『エンパシーを搾取されきった状態になると、人は政権に従順になり、その決定に抗う人々が他者への思いやりのない「邪悪な人」に見えてくる。それがエスカレートすると自警団のようなやり方で「邪悪な人」たちを攻撃さえするようになるのかもしれない。彼らはもはや自己を喪失し、政権を握る人々を映す鏡となっているのだ。』
ー246ページ

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2024年06月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「他者の靴を履く」能力、エンパシーというものがどのような場面でどう発揮されてきたか(例えばコロナ禍や災害時の自助活動atイギリス)、またどういう場面に有効に働くだろうか、ということを一冊かけて説明してくれる本。伊藤野枝や金子文子などの名も見られる。個人的には、『顔の見える相手の靴は履きやすいのではないか?』『ネイティブ・アメリカンの民主主義を例に引きつつ、「世界中を飛び回る人間」のほうにエンパシーを強めに置くのはどうしてか?』という疑問が読中あった。後者は「エンパシーを闇堕ちさせないために」で解決されたが(ネイティブ・アメリカンの社会を(断片ながら)想像するに、かれらはだれもの顔が「見えている」)、前者はまだしこりのように残っている。が、この本には、「人間が他の条件下に生きる人間を「自分の同類」と見ずに、殺戮あるいは無関心を繰り返す」問題の、解決の糸口があると思う。

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2024年06月10日

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