あらすじ
免疫を学ぶとき最初に読むべき一冊として高く評価された入門書を10年ぶりに改訂。複雑な免疫応答の流れがよくわかる解説が好評。
わたしたちのからだを病原体の攻撃から守る免疫の基本的なしくみはどうなっているのだろう。
20世紀のおわりから21世紀の今日にかけて、免疫の“常識”は大きく変わった。自然免疫が獲得免疫を始動させることがわかり、自然炎症という新たな概念も加わった。制御性T細胞の存在は確かなものとなり、mRNAワクチンは現実のものとなった。
本書では、最新の知見をふまえ、免疫という極めて複雑で動的なシステムの中で無数の細胞がどう協力して病原体を撃退するのか、その流れがよくわかるように解説する。
【もくじ】
1章 自然免疫の初期応答
2章 獲得免疫の始動
3章 B細胞による抗体産生
4章 キラーT細胞による感染細胞の破壊
5章 複数の免疫ストーリ―
6章 遺伝子再構成と自己反応細胞の除去
7章 免疫反応の制御
8章 免疫記憶
9章 腸管免疫
10章 自然炎症
11章 がんと自己免疫疾患
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
多少の知識は必要とするが、初めて免疫学に触れる方でも、随所に内容を振り返ってくれる記述があるため、なんとか内容に食らいついていくことができる。とはいえ、紛らわしい用語も多く、何度も読み返すことになるだろうと思われる。本書は、例外を極力別の章立てとして、初学者が専門用語の森の中に迷い混まないよう、誠意をもって道案内をしてくれている印象を受ける。免疫に係る諸作用が極めて複雑で、難解であるにも関わらず、ここまで内容を分かりやすく伝えてくれることに感謝しかない。
また、免疫の存在は2500年以上も前の文献に残っているほど、長く人々の研究の対象となってきたことは素直に驚きだった。日本が得意としている免疫学、これからも従来の研究分野の枠を越えて発展していってほしいと切に願う。
Posted by ブクログ
免疫のお話。やさしい言葉で話をするように書かれているので、テンポはゆっくりだけど、分かり易いです。
体の中の異物を食べる食細胞に病原体の種類を認識するシステムがあり、その仕組みを知ると、進化に多大な時間がかかっているとはいえ、その見事さには驚かされます。