あらすじ
現代アメリカ文学を牽引し,その構図を一変させた稀有の作家による,革新的な批評の書.ウィラ・キャザー『サファイラと奴隷娘』,ポー,トウェイン,ヘミングウェイらの作品を通じて,アメリカ文学史の根底に「白人男性を中心とした思考」があることを明るみに出し,構造を鮮やかに分析すると共に,その限界を指摘する.
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Posted by ブクログ
やさしく持論を説明してくれることはなく、非常に難解なので、訳者解説にたいへん助けられる。しかし、モリスンは「アフリカニズム」「ロマンス」などのことばを使って難解な理論を提示するに終わらせず、テクスト読解を実践するそれを読むと、読者はモリスンの言いたいことが具体的に理解できるようになる。すなわち、白人男性中心主義をあぶり出すべく、モリスンがトウェイン、ヘミングウェイなどのテクストを読解して見せるくだりはたいへんスリリングである。