【感想・ネタバレ】教養としての「半導体」のレビュー

あらすじ

◆「そもそも半導体って何?」──今さら聞けない素朴な疑問を解説!
新型コロナ流行直後の「半導体不足」や米中の覇権争いが激化して世間で注目を浴びる半導体ですが、われわれが普段の生活のなかで直接目にするわけではないので、あまり馴染みがありません。
「半導体ってそもそもどこで何に使われているの?」
「メモリ、ロジック、CPU、MPUの違いとは?」
「製造工程──前工程・後工程とはどのようなプロセス?」
など、半導体のしくみや基本構造、つくられ方まで、元技術者の著者がわかりやすく解説します。

◆業界の全体像から複雑に入り組む産業構造を徹底解剖!
ひと口に半導体産業といっても、裾野は非常に広く、無数の関連業界で構成され、複雑に入り組んでいます。例えば、インテル、サムスンの名前は聞いたことがあると思いますが、
熊本に工場を設置して話題になった台湾の「TSMC」とは?
人工知能(AI)で市場を席巻する「エヌビディア」とは?
ソフトバンク傘下で米国ナスダックに上場した「アーム」とは?

これらの企業の半導体産業における違いは何なのでしょうか?
・半導体メーカー(IDM) ・半導体製造装置メーカー
・ファブレス ・ファウンドリー ・OSAT
・EDAベンダー ・IPプロバイダー

など、半導体産業の構造、各分野の特徴と主力企業を一挙に解説します。

◆半導体をまるごと理解できる入門書の決定版!
著者は、半導体の伝説的な技術者であり開発・製造の第一人者で、かつて日本の半導体が世界のトップシェアを誇った時代から半導体に携わっています。本書では、業界に長く携わってきたからこその深く鋭い視点や当時の技術者しか知ることができないエピソードをふんだんに盛り込んでいます。
□日本の半導体はなぜ凋落したのか?
□「日米半導体協定」がもたらしたものとは?
□熾烈な競争の行方と日本勢復活のカギは?
など、専門知識がない人でも興味深く読める話題が満載です。半導体の過去・現在・未来をシームレスにつかめる1冊!

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Posted by ブクログ

はじめに
―もはや「半導体に無関係」ではいられない
第1章 半導体メーカーから部材メーカーまで―半導体業界の相関図❶
第2章 台頭するファブレス、ファウンドリー―半導体業界の相関図➋
第3章 半導体はどこで何に使われているのか?
第4章 半導体はどんな歴史を辿ってきたのか
第5章 そもそも「半導体」とは?
第6章 電子回路を構成する「半導体素子」とはどのようなものか?
第7章 集積回路(IC)とは何か?
第8章 集積回路はどのようにつくられる?
第9章 半導体産業の今後と日本の立ち位置
附章 半導体産業の主なメーカーの特徴

国の命運を握るくらいにとても大切な重要な産業であることがいろいろなところで言われています。
資源も設計も大切ですし、数多くの人たちが働くことのできる製造も大切なことも言われています。
世界中の主な半導体企業名が掲載されています。

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2024年10月09日

Posted by ブクログ

良書。
半導体に関する情報が簡潔かつ適切な抽象度でまとめられている。現状を把握するには非常に適切な内容。
技術的につっこんだ情報が欲しいなら、より専門的な本を探せばよい。久々に当たりを引いた気がする。

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2024年07月21日

Posted by ブクログ

 従来のノイマン型のコンピュータが人間の「左脳的な役割」をもっていたのに対し、このような非ノイマン型の半導体が、いわば人間の「右脳的な役割」を演じるものとして広く普及するか、あるいは現在のコンピュータシステムに組み込まれた形で、特定のAIアクセラレータ(推論処理の高速化}として利用されるかはわかりませんが、その技術開発の進展に大いに期待したいところです。
 同書:P90 より引用

 駿台予備校世界史講師・茂木誠さんの話を伺っていますと、直感を大切にするのは、右脳的な役割を意識することなのだそうです。彼が紹介してくれた図書「分裂病と人類」中井久夫 もそうしたことを詳しく教えてくれています。
 まさか、コンピュータの世界でも、右脳の直感が試される時代が訪れようとしているとは、大変興味深いものを感じました。



 また、図を参照すると三重県に国内の代表的な工場が3つあることも驚きました。市議会議員・近藤なほさんは、桑名の観光大使もされているそうなので、このことはご存知なのかどうか、近日にお勧めしてみようかと思います。笑 ちなみに桑名といえば、米油発祥の地として、健康オタクの私にとっては縁が深い場所です。



 日本は製造の最先端を行っているではなく、製造機と素材生成の技術に優れている事実。
 という点も面白いです。本書で紹介されている一覧等を参考にするとなるほどその通りだと思いました。あまりにも自信がなくなりそうな状況なので、幻想に縋りたくなるのもわかるのですが、いつだって思い込みの幻想が、歴史を混沌とさせてきたことを鑑みると、目に見えない不確かなものへの敬虔さを持ちながら、それと同時に超現実的に、リアリストの目線を持つことも大切なのだろうと思います。
 思いこみに傾倒した朱子学。その朱子学に影響された水戸学・・・水戸から現れた将軍が、徳川の最後となったのも、象徴的だといえましょう。また、キリスト教も同じです。



 日米間の半導体の協定のみが衰退の理由ではないが、大きな痛手であったことは確か。
 確かに理由の全てではないでしょう。特に、当時の新聞をデジタルアーカイヴで読み直していますと、日本は軍事的負担をおよそ全てアメリカに依存しているからこそ、経済発展できたのだから、政府開発援助(ODA)をもっと諸外国に積極的に果たすべきだ、という意見は数多く見られました。もちろん、反日、どころか、CIA日本支部とまで謳われる読売がいうことですから、かなりの脚色はあるのでしょうが・・・それでも、その意見を見て、大勢の人が反対しなかったということが、暗に事実めいていたのも確かなのではないかなと思えたのです。
 筆者が言うような「慢心」「隙」と言うのは、この辺り現れていると言えるでしょう。少なくとも、ロックフェラービルを日本資本で買収してしまったのはやりすぎでした。今でこそロックフェラービジネスは、軍・医・学複合体による、人命を脅かした収益を数多くしてきた、問題のある組織だと認識されていますが、当時は慈善事業としての存在感が強く、彼らから搾取するとは何事だ!とアメリカ世論を激怒させてしまったのです。
 とはいえ、真珠湾攻撃の際も、知らせは届いていたのにあえて知らせなかったFDRのやらせのように、このロックフェラービル買収の件も、見過ごさず、断ればよかったものをあえて断らなかったところを鑑みると、アメリカ世論を反日に傾けるためのやらせをまたしてしまったのだろうなぁと思います。一度やられた作戦にまた引っかかってしまうのですから、日本人は本当に他人を疑わない素晴らしい国民性なれど、つくづく、騙されやすいのだなぁと切なくもなりました。
 今やロックフェラーさんは、縄文研究会の会長さんです。
 世界中の人たちが、疑ったり、騙したり、そんなことに疲れ果てているでしょうから・・・平和な世界が訪れることを願っています。



 今後半導体の需要を供給が上回れば大幅な値段の暴落を招きかねない。大恐慌の一端となる可能性もあるため、これを避けるべく、アプリなどの普及によって需要を保つよう望む。
 とはいえ、恐慌や震災ののちにインフラを整備させるというのは、歴史的に繰り返されてきたことで、その者が計画していたかはともかく、一身に利益を得ている者がいたことも事実。私としては、あえて半導体恐慌を引き起こして、5G設備の普及を強制させるのではないかと懸念しています。5Gは細胞のイオン基を破壊するため、免疫に著しい悪影響を及ぼします。そのようなことがないように願います。



 人間の身体は電気信号の仕組み。
 アセトン、ケトン、硫酸、など、人がいわゆる「臭う」と感じる物質が、原子爆弾の材料になったり、半導体の素材になるというのは、なんとも興味深いです。人間の代謝はそれだけエネルギーがあるのだと、不思議な感覚があります。実際、スピリチュアルな解釈では、体の外と中で起きていることは同じだと考える人も少なからずいらっしゃるそうです。



 とても読み応えのある本でした。
 ありがとうございました。

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2024年06月28日

Posted by ブクログ

2024年4月刊行の書籍であり、半導体業界の現在地を把握するのに良書。
種々の半導体の特徴、半導体の製造の仕方、原理についての導入、関連各社の状況、素材領域ごとの市場概況などが包括的に述べられている。
タイトルにある「教養」が何を意味しているのかは今一つ分かりにくい感じもあるが、半導体市場入門とか半導体業界概論とかと思えば、良くまとまっている。

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

相当上のお偉い方なのに驕りも無く噛み砕いて丁寧に分かりやすく説明してくれていて、非常に好感の持てる教科書的一冊。ずぶの素人には大変勉強になります。

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2025年09月13日

Posted by ブクログ

NECの半導体技術者であった著者が、半導体業界の相関図、各業界の特徴と役割、半導体のしくみと構造、半導体の製造工程、半導体業界の競争の歴史、半導体市場の現在と今後など、半導体に関する幅広い分野についてわかりやすく解説。
最近、経済ニュースなどで注目されることが多い半導体について、実のところはあまりよくわかっていなかったので、タイトルどおり「教養」として半導体の基礎知識を身につけようと思い、本書を手に取った。
半導体業界の様相については一定理解が深まり、著者の経験談も興味深かった。
一方、「中学生の知識・理解度でも十分にわかる形で説明するように努め」たということであったが、半導体のしくみと構造など技術的な面については、バリバリの文系である自分にはやはりなかなか難しく感じ、正直よくわからなかった。

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

仕事で活用。半導体工程別の業界図がよく理解できた。(ファウンドリー、OSAT、ファブレス、IDMなど)

日系半導体装置メーカーはまだ世界で売り上げ上位にランクインしている(TEL、荏原、信越化学など)

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2025年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最近話題沸騰中の半導体。それについて基本事項から、少し踏み込んだ人によっては難しいなと思うようなものまで網羅されていて、感嘆した。今後の日本や世界が進んでいく道がこの一冊から何となくでも想像できるくらい半導体はとてつもない可能性を秘めているんだなと再認識。
ただ所々、理系寄りの話やワードが出てくるため、あまり理系関連が得意ではない方は少し読みにくさもあるかもしれない。

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2025年02月19日

Posted by ブクログ

著者がNEC出身で半導体業界に精通した技術者だけあり、初学者から技術者まで幅広い層が学べる内容になっている。特に各プレイヤーの特徴が面白く広い世界でありながらも突き詰めれば意外と特徴のあるユニークなプレイヤーで占められている市場なのかもしれない。

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2024年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者がNEC出身のせいか、半導体の物理の話と関連各社のポジションなどビジネス関連の話が中心。どのように応用されているかという話が少なめ。

かつて日本が世界市場を席巻していた時代の垂直統合モデルが廃れて、水平モデルが隆盛を極めるようになった理由として、多様化・複雑化・専門化が進みすぎて一社で全てをまかなうことが不可能となり、知的財産を他社から買い取って活用するほうが効率的になったのだという。なるほど。

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2024年08月14日

Posted by ブクログ

教養と言いつつ、内容が技術的なことまで詳しく書いてあり、ビギナーからプロまで幅広く対応している本と言える。なかなか良き本でした。

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2024年08月12日

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