【感想・ネタバレ】結婚の社会学のレビュー

あらすじ

結婚をめぐる常識は、日々変化しています。事実婚、ステップファミリー、同性パートナーシップ、選択的シングルなど、一対の男女による結婚→出産というモデルではとらえきれない家族のかたちがたくさんあるのです。この本では、国際比較、歴史的比較、理論という三つの視点から、結婚というものを解き明かしていきます。当たり前を疑ってみることで、「ふつうの結婚」「ふつうの家族」という考え方を相対化できるはずです。

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Posted by ブクログ

結婚についてここまで深く考えることはなかったのですごく刺激を受けました。
姓について男女どちらの姓を選んで良いものを日本人の96%は男性の姓にしているなど、日頃受けている無意識のバイアスを感じました。

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2025年10月26日

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非常に面白かった。
現在の婚姻制度になるまでの過程も知る事ができて勉強になった。
今ある常識を疑う姿勢というのはとても大切だと思う。
より多くの人にとって暮らしやすい社会となるよう、選択肢が増えてほしいなと心から思う。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

20代後半に差し掛かって、結婚というものを意識する機会が多かったので読んでみた。あと、最近話題の文芸評論家兼作家の三宅香帆さんがお勧めされていたのでつい買ってしまった面もある。全体的に、この手の学術書としてはかなり読みやすく、興味を持って読み進めることができた。やはり結婚というのはあくまで制度であって概念であって、時代を経て変わってきているものであるというのは納得した。明治以前の日本の結婚の主流は村内での夜這いであったというのも、お見合いが伝統だと思っていた身としては意外だった。後は、友人と結婚関係を結んでもいいという考えも斬新だと思った。なかなか答えが難しいテーマであるけど、自分がどういう人間関係を望んでいて、そのためにはどういう状態でパートナーといるのが理想なのかということをちゃんと考えるべきだと思った。

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2025年02月24日

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純粋に、とてもおもしろかった。"社会学"視点で結婚を考えてみるとそういう見方もあるのか、という発見がたくさんあって学びになった。
なにが"ふつう"でなにが"常識"ぽく見えるかなんて、その時の社会によって全く変わる。白が黒になるし、黒が白になる。
当たり前と思っている事象に対して、いろいろなアプローチで捉えて深掘りしていく社会学的思考を、今後も大切にしたい。

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2025年01月13日

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冒頭で「常識を疑うのが社会学」と述べられているように、結婚に関して常識、伝統と捉えらている事柄(見合い結婚、夫婦同姓など)について、統計データ、歴史を紐解きながら解き明かしていく内容がとてもおもしろく、気づかされることが多かった。

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2024年11月10日

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面白い。
日本と他国の考え方の違い、これからどのような制度を構築するのかがわかりやすく書かれている。

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2024年09月18日

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おもしろかったし、読んでよかった。結婚の常識を疑う1章から始まり、結婚の近代史、現代史、離婚と再婚、事実婚と夫婦別姓、セクシャルマイノリティと結婚、結婚のこれからを平易な言葉で書いている。目からウロコだったのは、結婚すれば出生率が上がるというのは必ずしもそうではないということだった。
国によっては結婚率と出生率の数値が逆転しているところもあるということ。また同性婚だけではなくアセクシャル、アロマンティックの人たちにとっての結婚についても記載があり、なかなかそこまで包摂している本はないと思う。
そして本邦における結婚、ひいては家族というものは非常に限定的で国民の人たちが多様なかたちの家族を求めているというのに制度や法律が追いついていないというところにまで踏み込んでくれている。
またそれぞれの章でより深く知りたい人向けに巻末に読書案内もあるのでそこからさらに自分の興味があるところを知っていくこともできる。

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2024年08月16日

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おもろすぎる!新書にしたら結構厚みあるけど
すらすら読める

韓国では夫婦別姓が当たり前で、夫婦同姓を求める方がリベラル派、っていう話がいちばんくらった

国によって結婚観が違うし法律も違うから、視点を変えると常識が完全にひっくり返ってしまう

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2024年07月26日

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ネタバレ

結婚は誰が誰とでもしていいものだと思う。どうせ、親は先に死ぬものだし兄弟が頼りにならない人もいる。恋愛や性的な関係がなくとも家族になって良いのでは?共に暮らし協力して生きるため、結婚して家族の地位や権利を得る。何がいけないことだろうか?結婚も多様化し、異性婚も同性婚もその他の結婚諸々も選択肢の1つになってもいいと思う。

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2024年06月06日

Posted by ブクログ

とても良い本だった。よくまとめられていて、とてもわかりやすかった。
筆者が言っているように、このタイトルから想像していた内容と若干違ってはいたが、逆に様々な事を知ることができて、とても自分自身の学びになった。
特に、歴史的な背景は、全く自分の認識の低さや、固定観念が覆される根拠にもなっており、多くの人にこの本を読んでもらいたいなと思った。
この本の中身は、義務教育の教育課程の中に、1部取り入れることがあっても良いのかなとも思った。
とにかく勉強になる良い本に出会えた。

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2024年05月26日

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うーん、いろいろ気になってなかなか飲みこめない感じ。分野が違うのであんまり検討できないので、専門家の先生たちのあいだでいろいろやってほしい。この本を起点にして、活発な議論がおこなわれることを期待しています。新書なのにちゃんと索引ついてて偉い。

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2024年04月11日

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ネタバレ

以下、メモ
共同体的結婚→家柄(見合い)結婚(明治以降)→人の流動性が高まり結婚相談所も発達→自由恋愛(皇太子結婚)→近代家族モデル(高度経済成長期)

今自分がパッと思い浮かべる"昔の結婚、恋愛"とは

親の意思のみで決まるお見合い婚が基本で、夫婦は一生添い遂げる、女性は一生旦那に尽くす。

であったがそれも一般大衆においては敗戦後、もしくは明治以降の武家上級国民のみ話であって、
実際の江戸時代や明治の一般大衆などでは村集落内での若者仲間、娘仲間の間での自由恋愛、夜這いが一般的でお堅い「家柄」を意識した結婚は殆どなかった。今より自由すぎて正直意外。

結婚式も神前婚が伝統的だと思っていたが、それも高度経済成長期にキリスト教婚と共に普及したまでで、人前婚が昔から一般的であったそうだ。
とにかく意外だ。


江戸時代(1603〜1807年 一派虚しく大政奉還)
・妾の慣習
・若者組合、娘組合による共同体主義的結婚


明治時代(1868〜1912年 逝く日に明治)
1872:戸籍作成
・一夫一妻制(妾は妻の次位)
・家柄を重視する家族的結婚
・近代化により居住の流動性が高まり結婚媒介業が繁盛
・民法草案「夫婦は結婚後互いに苗字を変えない」
1890:教育勅語により夜這いが一転野蛮扱い
1898:明治民法により家制度、一戸籍同一氏これらの目的は不平等条約の改正のため(戸籍を作成し国民を管理し中央集権的にするため)

大正時代(1913〜1926年 特に無意味の大正)

昭和時代(1926〜1989年 行くぞ約束の平成)


1930:東京に公営結婚相談所、日本民族衛生学会
1937:第一次近衛内閣
1938:厚生省(国民を強く、健康に) →国家総動員法
1940:大政翼賛会
1941:結婚報国懇話会


終戦(1945年)
日本国憲法:結婚は両性の合意のもと成立「家」→「個人」 
内縁(事実婚)は戦前の家制度(足入れ婚や妾)を反映していたため封建的と批判され、無くなっていった。法律婚こそが民主的、至上とされた

高度経済成長期(1955〜1973年)

1959:皇太子のご成婚により自由恋愛が広まる
神前式婚の普及
1966:兵庫県不幸な子供の生まれない運動
1970:職縁結婚が地縁結婚を越える


1980後半:再び事実婚が脚光を浴びる(職業に差し支えるなどの理由)
産業構造が変化することで「企業と結婚の結びつきが強まった」結果人口が農村→雇用労働者に変化。それにより「夫はサラリーマン、妻は専業主婦、子供は2人」という近代家族モデルが完成


「異性愛規範に基づく近代家族制度のなかで疎外されるだけでなく家族形成の機会も奪われてきたレズビアン、ゲイはそもそもの家族制度の解体を主張するベクトルと、家族形成の権利を要求するベクトルの間を揺れ動くこととなる」

「同性婚が成立したら、既存の性規範がむしろ強化される。特定のセクシャルマイノリティにとって好ましい制度でもその他のセクシャルマイノリティを置き去りにしてしまう。」

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2025年09月22日

Posted by ブクログ

性的関係がある男女のみが結婚でき権利と義務のある共同生活をおくれて、その環境下で子どもを育てることが推奨されるって、やっぱり無理あるな、と改めて。明治戦後高度成長期にできた既存の結婚という制度だけでは回してけないよね。

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2025年06月09日

Posted by ブクログ

さらっと読めた。
モノガミーや不倫について考えたくて読んだのだが、残念ながらそれに関する記述はあまりなかった(結婚の歴史のところで、昔は「妾」がたくさんいてそれが承認されていたことは書かれていたが)。
でも、結婚の近現代史は「へー」だらけで面白く、夫婦別姓の議論も論旨が明快で全ての自民党議員に読んでほしい。
読んでいると、「たしかに、みんなそれほど恋愛体質な人ばかりでもないだろうに、なぜ一生でこれと決めた人といっしょになり排他的にセックスをしなければならないのだろう…?人間と人間の関係のベースにセックスがあるの不思議だな…?」という気もした。
色々と気づきを与えてくれる本で、参考書的に家に一冊あると良い。

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2025年06月01日

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結婚制度の解体(再構築)まで議論が及んでいて面白い‼️
最小結婚、PACSについて知りたい

「未婚者を結婚に組み込むことだけを目的とするのではなく、これまで結婚を通じてしか担えなかったさまざまな機能を引き受けるための新たな受け皿を用意していくべきではないか」p.253

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2025年03月18日

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ネタバレ

「結婚するのが善」のような日本全体に蔓延る認識への疑問、選択的夫婦別姓制度に対する批判意見への疑問、パートナーシップ制度を使うか悩んでいる友人2組、と色々重なったのでインプットのチャンスだと思い手に取った。24年4月に刊行されたのでこのタイミングで読むことができてよかった。

考えさせられてしまった話としては、選択的夫婦別姓制度への批判として「旧姓の通称使用で事足りる」というものがあるという話。「旧姓の通称使用」は夫婦別姓が認められないなかで女性が勝ち取ってきた権利であるにもかかわらず、批判派がこれを逆手にとって批判材料としている。

同様に、パートナーシップ証明制度の全国的な広がりには、メリットの裏に同性婚の実現をむしろ阻むのではという懸念がある。これも当事者の努力によって拡大してきたものにもかかわらず、これを逆手にとって同性婚の必要がないことの根拠にされる可能性が考えられる。

この話は自分の生活や仕事でもあり得ることだと思い、気を付けようと思った。

また、事実婚が顕在化したことが、日本でも家族が多様化したことの一例として挙げられることが多いが、日本における事実婚は「夫婦別姓のため」に選択されることが多く特殊である。多様性が尊重されつつある結果ではなく、むしろ多様性を排除する夫婦別姓制度ゆえに生じている事実婚が多い状況である。
(同姓・別姓・結合姓・創作姓が自由に選択できる他国では、夫婦別姓だけを目的に事実婚を選択することはほとんどない)

考えたことのない考え方としては、「国家はなぜ性的関係だけを優遇し特権を与えるのか?性的関係がなければだれかと家族として生活することはできないのか?」とそもそもの結婚制度を見直そうという考え。フランスのPACSやベルギーのパートナーシップ制度は、友人同士でも利用可能である。同居し相互に支えあう友人同士が、税制優遇や病院面会など家族しか受けられない待遇を受けることができる。

結婚に関する考え方について日本はものすごく遅れているということが、歴史、海外諸国との比較により理解できた。
おすすめ書籍がたくさん載っていたので、いくつか読んでみようと思う。

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2024年12月21日

Posted by ブクログ

示唆に富んだ1冊でした。結婚に関するこれまでの歴史を振り返り、そのうえで家族のかたちではなく、家族の働きに注目すること、関係性ではなくニーズで繋がる関係性があってもいいのではないかという意見は、とても進歩的であり、家族関係の本質を見抜いた上で、これからのあるべき姿を言い表しているなと感じました。

名前の通り、学者さんが書いた、論文的な固めの話ですがお勧めです。

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2024年11月16日

Posted by ブクログ

結婚という制度の変遷,外国との比較による事実婚や夫婦別姓,同性婚の承認やそれのもたらす問題点などいろいろな角度から結婚というものを解説.そしてこれからの結婚という制度への提言.
結婚という枠組みを残しつつ制度を広げ,家族になるという方向にシフトするというのは,とても魅力ある取り組みだと思った.

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2024年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

拡張していく概念と。結婚はあまりまじめでなく考える方が保守的になるんだな。思考停止することって節約なんだろう。ほじくり返すとはよく言ったものだ。面白かった。

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2024年06月15日

Posted by ブクログ

結婚に関して、他国との比較やその歴史を遡りながら、現代の議論ともなる「LGBTQ」「同姓の使用」についての考えがまとめられている。

特に気に入った考え方は
LGBTQは自分が何者であるかというアイデンティティに関わる問題であるからmajority、Minorityではなく全ての人の問題である

婚でしか担えなかった機能を引き継げる受け皿を用意してはどうか

家族として生活するためには「結婚」という選択肢しかないのだろうか?

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2025年03月25日

Posted by ブクログ

歴史から他国との比較から色々な視点で結婚や性愛を捉えていて面白かった
特に夫婦別姓というトピックだけでもたくさんの意見があるのは勉強になった

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2024年11月17日

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