あらすじ
二十年掛けて築き上げてきたことが、ここで一つの形となった。――著者
20周年を飾る、記念碑的作品、誕生。
千葉県野田市の江戸川沿いで、七歳の女児の遺体が発見された。そのニュースを知った東日新聞埼玉支局の古山は、埼玉でも四年前に八歳の女児の行方不明事件があったことを思い出す。調べてみると、その現場は今回の事件と江戸川を挟んですぐ近くだった……。三十年以上隠されてきた連続幼女誘拐殺人。縄張りに拘る無駄な県警のプライド。利権を死守したい政権による圧力。すべてを乗り越え、真相を追え! 記者の魂を描いた傑作ミステリー。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
最初はメインの2人の普段の日常が描かれており、やや頑張って読んでいくという感じだったが、事件が発生し、だんだん過去へと繋がっていく展開で物語の中へ引き込まれていった。
マスコミの記者というものに対してネガティブな印象があったが、読んでいく中でだんだん周りを巻き込んでいく2人の記者を応援したくなっていき、自分の価値観を覆される感覚があった。
下巻を読むのが楽しみ。
Posted by ブクログ
著者の作品が多く出版されているため、どれかを読みたいと思いつつも、どれがおすすめなのかがわからずにいた。
書店で、「二十年掛けて築き上げたことが、ここで一つの形となった」と記載されている帯がついた本作品を見つけ、これは間違いないだろうと推測し、購入にいたった。
実際内容は当たりであった。多くの「点」が散りばめられ、それが「線」となっていく。上巻だけでは、まだまだ話が進んでいないので、下巻を読むのが楽しみである。
Posted by ブクログ
知っている地名に惹かれて買った。
記者目線の小説。警察署の様子は実際のリアルと同じ外観だったりしたので、作者は見にきたのか?取材したのか?住んでたのか?と興奮して読んだ。
サスペンスのような感じ。
わかりやすい話で2時間ドラマにも出来そうな感じ。
どうなるんだろうとわくわくしながら記者を応援してる。面白かった!
Posted by ブクログ
千葉県の女児殺害事件をきっかけに、埼玉県との県境を跨いで数十年前から続く連続行方不明事件の可能性に気付いた地方局の新聞記者。
ここまで大事な事件を隠蔽するとは思えないのですが、まあその背景は下巻で明らかになるとして、全体を通して漂う新聞記者の驕りがとても鼻に付く。
権力の腐敗を監視する役割というのはまあ納得できるものの、捜査権もないのに事件の真相を調査するのがマスコミの役割なのか疑問に思う。黎明期の新聞ならともかく、現代においては事実を公平な視点で伝えることの方が大事ではないかな。
まあこのスタンスが堂場氏の私見なのか、執筆のための取材で得た感覚なのか、はたまたフィクションとしてのネタなのかは分からないものの、とにかく氏の作品としては珍しく印象が悪い上巻でした。