【感想・ネタバレ】センスの哲学のレビュー

あらすじ

あなたのセンスが良くなる本!
哲学三部作のラストを飾る一冊がついに誕生

服選びや食事の店選び、インテリアのレイアウトや仕事の筋まで、さまざまなジャンルについて言われる「センスがいい」「悪い」という言葉。あるいは、「あの人はアートがわかる」「音楽がわかる」という芸術的センスを捉えた発言。
何か自分の体質について言われているようで、どうにもできない部分に関わっているようで、気になって仕方がない。このいわく言い難い、因数分解の難しい「センス」とは何か? 果たしてセンスの良さは変えられるのか?

音楽、絵画、小説、映画……芸術的諸ジャンルを横断しながら考える「センスの哲学」にして、芸術入門の書。
フォーマリスト的に形を捉え、そのリズムを楽しむために。
哲学・思想と小説・美術の両輪で活躍する著者による哲学三部作(『勉強の哲学』『現代思想入門』)の最終作、満を持していよいよ誕生!


――――――
さて、実は、この本は「センスが良くなる本」です。
と言うと、そんなバカな、「お前にセンスがわかるのか」と非難が飛んでくるんじゃないかと思うんですが……ひとまず、そう言ってみましょう。
「センスが良くなる」というのは、まあ、ハッタリだと思ってください。この本によって、皆さんが期待されている意味で「センスが良くなる」かどうかは、わかりません。ただ、ものを見るときの「ある感覚」が伝わってほしいと希望しています(「はじめに」より)。
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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

美的判断に関するあれこれを「センス」という言葉をあらためて定義するところから始めて、展開していく感じ。そこに最後、そのセンスを構造的に支える概念としてのアンチセンスなるものが提出される。

これはもう千葉先生の真骨頂(!)とも言えるような。イデアルな命題に対するプラティカルなどうしようもなさ、ジレンマ(、当てはまる言葉なら如何様にでも)を、あいまいでグラデーションな緩衝地帯の中で一旦受け止めて仮固定する、<想像力>=やさしさで包み込むような千葉先生の言葉に僕は救われてばかりだ。
この本で言われていた「センスが良い」状態は自分がよく言ってる「ヒキがイイ」(即ち、技術としての偶然性)ってのに近い気もした。う〜〜ん。

論理的な文章を組み立てるはずなのに、あんなにも詩的で、やさしくて、何より溢れるセンスをヒシヒシと感じるような文章。僕もいつかあんな文章が書けるようになりたいなあ、と思いながらページをめくっていた。

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以下、喰らったパンチライン。

『何か風景を見るとする。形や色などのリズムがある。そこでは、ごくニュートラルに、非人間的に、安定と刺激の行き来が展開している。と同時に、そこに人間は、誰かわからない誰かの不在/存在をかすかに重ねてしまう。
人間の気持ちに応えたりせず、ただ展開していくだけの物質世界の「無情」がある一方で、そこに、誰かがいないという寂しさを透かし見る。この「無情と寂しさ」の行き来が「エモさ」なのないか、とも考えられるかもしれません。』

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2026年04月27日

Posted by ブクログ

導入や定義の説明が丁寧で、主張が分かりやすかった。最近考えていたことをより抽象的につなげてくれる解説だった。質の良い読書体験を生むのが上手いと感じた。

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2026年04月06日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ面白かった。美術作品の解釈から日常生活に至るまで、人生に彩りを添えるヒントが散らばっていた様に感じる。

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2026年04月02日

Posted by ブクログ

センスとは可能性の体現。
型にはまらない営み自体が見るものを惹きつけ、
期待と想像をを超えた瞬間にセンスとなる。
哲学チックで深みのある一冊。

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2026年03月13日

Posted by ブクログ

フォーマリズム的解釈が面白かった。自分の周りにあるすべての要素に対して、意味だけではなく、形式も愛していきたい。

26-01

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2026年01月29日

Posted by ブクログ

ささいな日常から芸術まで、物事の見方が変わるような本だった。
部屋作りに悩んで、インスタやYouTubeで色んな人のルームツアーを見て同じものを買ったりしてきたけど、憧れの部屋を真似るのではなく、へたうまな自分らしい空間をつくっていきたい。
美術に関しても、今までは現代芸術を見てもただ圧倒されるだけだったが、リズムを感じるという視点で見るのは面白そうだと思った。

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2026年01月25日

Posted by ブクログ

人間は安定を求めている。
想定通りに進むことを期待し、そこに安らぎを感じる。
その一方で反復だけではつまらない側面もあり、一定の予想外・サプライズを求めるのである。
わざわざお化け屋敷やジェットコースターに乗り意図的なストレスを楽しむのが人間ってなのである。

サプライズは楽しみに繋がるもの、そうじゃ無いものの両方がある。
その違いは安全が確保出来ている、かつ、そのパターンを一定認識できているもの、であるかどうかだと考えられる。
つまり予想を裏切る特定のパターンを作り出すことで、相手に楽しい/面白い、と感じてもらえるのである。

会話の中でギャグを言う/茶化し合う、という行動も、互いに一定の信頼関係がある前提で「普通とは異なること」を言う/行うことで楽しさを感じている行動であると言える。
人間は信頼を基盤にストレス・刺激を感じることで楽しむ生き物であると言える。

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

人生は、何かを反復し、変奏していく。身体に起因しながらも、問題というものはそこから離陸し、抽象的な渦巻きとなっていく。一生涯を通して反復されるのかどうかわからない。ともかく問題と付き合いながら、人間は変身していく。あるどうしようもなさの反復には、その根底に、たまたまこの存在として生まれたという偶然性が響いている。偶然性、ランダムであることが重なっている。執拗なるものとしての必然性を持ちつつも、たまたまそうなってしまっているという偶然性が引き裂く。その時人は、そこに重要なものがある。そこには真面目にむきあわなければいけないものがある。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

日頃から漠然と感じていたことを見事に言語化してくれている名著。

人は生まれ育つ過程で、特定の、少ないものに固着して視野が狭くなる=あまり他のものに興味を広げず、ある範囲内で満足するようになってしまう。そこから脱するために(つまりは逆張り)自分はジャンルフリーに音楽を聞き、映画を観て、時にこうして本を読んでいることにふと気がついた。(逆張り、と安易に書いたものの、ただわけもなく「逆」だからそうしているわけではなく、そうするのが好きなだけであるが。)

以前、サークルの後輩と「未知の音楽を聞くのって、なんでこんなに面白いのにそうしない人が多いのだろう」という話をしたが、その答えはこの本の中にあった。不安なのだ。「文化資本の形成とは、多様なものに触れるときの不安を緩和し、不安を面白さに変換する回路を作ることである」。自分にそれを教えてくれたのは椎名林檎だったな。「不快を快に変換するマゾヒズム」。現代美術だとか、アンビエントだとか、はっきり言ってしまえば意味不明で、退屈とすらいえそうなものを好むのは「痛気持ちよさ」を求めてしまうゆえらしい。

とかく、ここにすべてを書こうとすると卒論くらい長くなってしまいそうだから、ぼちぼちにする。僕は海が嫌いだ。例えば、電車の窓から海が見える。ゾッとする。それはあまりにも大きい。人間のフレーム=秩序には収まりきらないエネルギーをもっている。怖い。だから嫌い。でも同時に、黒黒しいあの塊に惹かれてしまう自分もいる(=「死への欲動」)。そういう秩序からの「逸脱」ってのは、どうしてこうも魅力的なのか。「足るを知る」より「不足を知る」=「引き算」をする=「諦める」ってことを、この本は教えてくれる。シュールをシュールのまま受け止めてくれるのがカルチャーなんだ。僕は何度もそう思う。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

わかりやすい小説よりも、情景をイメージできるような物語の内容意外の文章そのものに引き込まれる時間が好きで純文学を選ぶことが多いのですが、「何を読んでいるの?どんな話し?」と聞かれて、ひとことでは言えずに
「えっと…」と言葉に詰まることがよくありました。
大好きなのに、どんな話かと聞かれるとパッと答えられない。
きっと15分くらいはかかりそうなんだけど、まず引かれるだろうなと思って伝えられません。
まさしく、千葉さんがいうリズムなのだと感じました。
楽しいとか悲しいとかそういう感情よりも手前にある細かな描写を楽しんでいるのかもしれない。
言語化するとこんなにもスッキリするんですね。
ずっともやもやしていました。

「なにを読んでいるの?」
「リズムを♪」

で、伝わるかな。

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2025年10月03日

Posted by ブクログ

センスと、芸術というか人間の活動全般との関係を考察した本だと思った。

センスとはものごとをいろんな要素のデコボコ=リズムとして楽しむことである。
リズムはビートとうねりで捉えられる。
個性は反復というアンチセンスに現れ、それがあってセンスが真のセンスとなるのではないか。

リズムという捉え方はとても合点がいくもので、芸術を含めたものごとに対する向き合い方のヒントが得られた気がした。

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2026年05月03日

Posted by ブクログ

センスは知識から始まる、の方がしっくり来るけど、例え話が結構面白い。割と哲学チックだから読むとダレるところがある

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2026年04月03日

Posted by ブクログ

20260325
前半はシンプルで面白かった。後半は複合的で情報処理が多くなった。

センスとは「直感的にわかる」という事
直感的にわかるとは「深く考えずにわかる」という事
「わかる」とは「判断、判断力」と言う事

つまり「センスとは、
→「直感的な判断力」または「理解」、「分別」「識別」

例題として、あの人は服のセンスが良くても、音楽のセンスは無いなぁと言うことから「すべてに共通するような判断力」を持っている人はセンスが良いと提起されることが多い。
→つまりセンスとは、「直感的で相互的な判断力」

欠如を埋める事は、自分が生まれてきた場所に戻ることに相当し、故郷に帰ると言う結末を迎えたりする。

少意味を楽しむ。全体から見た1部を楽しむのではなく、自分を見てそこに対する感想を述べることも重きがある。

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2026年03月25日

Posted by ブクログ

センスや地頭という言葉は努力による変化を認めず、多様性を尊重せず、人を振り分けようとする発想がある P15
まず提案したいのは、「不十分な再現性」= 「モデルの再現を目指してできない」という、何かに近づこうとする運動から降りることです。p41
まず提案したいの、「部分のつながりを見る」と言う姿勢です。全体としてどうかよりも、部分を味わうことを優先する。全体の意味がわからないと気持ち悪いというのも理解できることですが、「部分が面白ければそれで十分」という態度もありうる。p101
答えにたどり着くよりも、途中でぶらぶらする、途中で視線を散歩させるような自由な余裕の時間が、芸術鑑賞の本質です。確かに、この作品はなんだろう?と問いながら見るわけです。しかし、すぐ解決するというのでは、単 たんに用事が済んだだけですよね。p187

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2026年02月14日

Posted by ブクログ

思っていたより哲学よりの内容で、初心者にはなかなか難解だった。
意味だけを追求するのではなく、リズムを楽しむ。アートへの楽しみ方は少し変わった気がする。

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2026年02月11日

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「センス」というものを哲学的視点で考えてみる。本書は、最終的にはセンスの良し悪しから、その先に向かう為の指南書である。ぼんやりと抱いていた、認識していた「センス」というものに対して自分自身が向き合う良い機会になった。

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2026年01月18日

Posted by ブクログ

正直、私の理解力の問題もあるが、冒頭で筆者に約束された「センスが良くなる」という効能は実感できなかった。とはいえ、アートの分野でセンスが良いと言われていることに共通する点はなんとなく理解できた。特にリズムはそうだろう。反復的なリズムと差異が適度にあること。例えば、曲で言うとCメロ的な部分?や、映画のショット、展開のされ方はたしかにと唸らされた。

サスペンス的な、目的達成ではなくプロセスを楽しめというメッセージの通り、序盤から冗長で要領を得ず、ヤキモキする文章であったが、それを楽しめ、ということなのかもしれない。でもそんなこと言われたらなんでもありでは…とも思った。

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2026年01月11日

Posted by ブクログ

「目指すものへの「足りなさ」をベースに考えると、それを埋めるようにもっとがんばらなきゃという気負が生まれ、偶然性に開かれたセンスは活性化しません。それに対して、「余り」をベースに考えれば、自分の理想とするものにならなくても、自分はこういう余らせ方をする人なんだからいいや、と思えるわけです。…規範に従って、よりレベルの高いものをと努力することも大事ですが、それに執着していたら人生が終わってしまいます。人生は有限です。いつかの時点で、「これで行くんだ」と決める、というか諦めるしかない」

これが難しいんだよなぁ

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2025年12月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

センスとは上手よりヘタウマ。モデルの再現から降りる。強度=リズム=デコボコ。意味から離れてモノをリズムとして見る。ビートとうねり。生物は安定を求めるが、わざと不安定、緊張の状態を作り出して、それを反復するのを楽しむ。目的達成を遅延し、余計なサスペンスを楽しむこと=丁寧に生活を楽しむこと。意味や目的からリズムへ、リズム=うねりとビートに乗る。意味のリズム=距離のデコボコ。予測誤差の最小化。リズム=「反復の予測と予測誤差という差異」のパターン認識。フレームの拡大→外れの経験をリズムにして平気になる。他方、平穏以上の刺激を求める。抽象化。客観性はなく、繋がるかどうかは設定次第。偶然への向き合い方の多様性→リズムの多様性→個性的なセンス。人生の途中のとりあえずの手持ちの技術と、自分から湧いてくる偶然性で何ができるか、と考える。「まず動こう」=リズム形成。途中でブラブラする、途中で視線を散歩させるような余裕の時間が芸術鑑賞の本質。人間は反作用が多様→遅延→行動の多様性。芸術は多様性、相対性も教えてくれて、人生のリズムもいろいろでいいじゃないか、ということになる。人間の生活は、目的達成と途中の宙づり状態を味わう不安混じりの享楽。個性とは何らかの反復=身体の癖。反復と差異のバランスという意味でのセンスの良さvs宿命的に何かに取り憑かれてしまうアンチセンス。センスの良し悪しとアンチセンスが拮抗するところが日常。アンチセンスという陰影を浴びてこそ真のセンス。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

センス=リズムとする捉え方が面白い。ビートとうねり、といいう説明もわかりやすく、同作品を鑑賞したり創作したりするかのヒントにはなりそうだ。ただ、何をどうすればセンスが良くなるか、についてはあまり納得できる内容が読み取れなかった。

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2025年11月28日

購入済み

斬新な発想

センスとは自然と出てくるテクニック的な能力だと考えていたがリズム等で例えており色々な感覚、物事のとらえ方か養われた。

#深い #タメになる

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

センスってなんだろうね?
と思いなんとなく手に取った次第です。

著者は哲学者ってことで、長々と回りくどく解説してくれます、こういうの大好きです。
人によっては簡潔に分かりやすく説明してるでしょ?って感想もあるでしょうが、僕は物分り悪いのでしょう。

哲学って、概念とか、なんとなく分かってるつもりの世間が理解してないものにカチッと輪郭を与えるような面があるもんだと思ってるんだけど、本書は意味から離れると解いている。

途中まで、よく分からんなぁ…と読んでいたけど、言語で捉えると言語化に捕まるんだなぁ...とかボンヤリして、そして最後まで読んで、やっぱ分からん!と読み返した。

とりあえずグダグダ考えず、感じてみます。
ブルース・リーのように。

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2026年05月02日

Posted by ブクログ

・意味を求めてしまうことを一旦やめる。ただそれがどうなっているのか?どう変化するのか?といった「リズム」に着目する。自分が頭でっかちで意味に囚われがちな為に耳が痛かった。「そうだよね~分かるウー」と顔をグチャグチャにしかめながら読んだ。

・勉強の哲学を読んだ時にも感じた事だが、千葉雅也さんは例え話がすごく音楽的。勉強の哲学ではコードの話が出ていた。本書ではリズム。存在と不在、快と不快が交互にやってくる。人間は「ある程度の」不快、刺激、意外性を求めていて、それが来た後の安定の繰り返しがリズムとなっていると。これは音楽でいうところの、トニックとドミナントの関係だなと思った。ずっと不安定だとわけが分からないし、ずっと安定ではつまらない。このバランス感覚のことを、「リズム」であると表現した著者のセンスの良さに唸らされた。

・繰り返しからの逸脱がセンス的なものだとして、つい繰り返してしまうものをアンチセンスと名付けていた。そういった偏りに魅力やその人らしさ、個性が宿るのではないかと。いつの間にかそれをしてしまう、そういうどうしょうもなさを認めてあげることに芸術がある。

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2026年05月01日

Posted by ブクログ

【読もうと思った理由】
芸術作品など見る前に、センスというのものがほぼ必ず必要になると思っていて、それについての解説が知れるなら興味深いと思い、手に取りました。

【感想】
前半はセンスについての具体的な解説があって面白かったけれど、後半は直接センスに関わるような話に思えず、正直微妙でした。また、前半の解説も個人的にはあまり納得出来ず、いまいちでした。この本で語られているセンスは確かに合っていると思うけれど、もっと何かあるんじゃないかと思ってしまいました。

【以下、本文で気になった箇所をメモしてAIで要約したもの】

1. センスと「文化資本」の正体
一般的にセンスは「生まれ育ち」に左右されると思われがちですが、筆者は「後天的に育成可能」だと断言します。
経験の蓄積(ビッグデータ): 文化資本とは、膨大な「量」に触れることで自分の中に蓄積された判断基準のことです。
不安の変換: 多くのものに触れる経験は、未知のものに対する「不安」を「面白さ」へと変換する回路を作ります。
ジャンルを越える柔軟性: ファッション、料理、文学など、一見異なるジャンルは根底で繋がっています。心を柔軟にし、物事を広く見るモードに入ることがセンス育成の第一歩です。

2. センスの目覚め:「再現」からの脱却
センスがないとされる状態は、特定の「モデル(正解)」をコピーしようとして、合わせきれずに「ズレ」が生じている状態を指します。
モデルを抽象化する: 正解をそのままなぞる(再現する)のをやめ、モデルを一つの参考として「抽象化(意味を抜き取る)」して扱う姿勢が重要です。
「ヘタウマ」の肯定: モデルを目指すことから降り、自分の積極性や個性を肯定する「ヘタウマ」のようなあり方が、センスを解放します。

3. センスの核心は「リズム」と「脱意味」
センスとは、物事を「意味や目的」で捉えるのではなく、**「リズム(形、色、響きなどの連なり)」**として直感的に把握する力です。
リズム(うねりとビート): 音楽だけでなく、視覚的な色彩や文学のイメージの連鎖も「リズム」として捉えます。
フォーマリズム(形式主義): 「この絵は何を言いたいのか」という理屈(意味)を離れ、純粋な形や色の構成を「脱意味的」に楽しむこと。
強度的なノリ: 理屈を離れ、要素の並びに体が反応し、意味もなく楽しくなってくるような「ノリ」に入ることが、センスが働いている状態です。

4. 実践:不安なまま「まず動く」
センスを磨くプロセスは、森田療法の考え方に通じます。
行動が先、感情は後: 「不安がなくなってから動く」のではなく、「不安なままでも、まず動く」。
実行による解消: 仕事や創作に没頭し、そのリズムに乗ってしまえば、不安は自ずと気にならなくなります。この「まず動く」柔軟な姿勢こそが、精神の可動域を広げ、センスを育む土壌となります。

要約の結論:
センスとは、膨大な経験を背景に、物事を「意味」という枠組みから解放し、「リズム」として直感的に楽しむ総合的な判断力のことです。正解のコピーをやめ、柔軟な精神でまず行動することで、誰でもその力を目覚めさせることができます。

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2026年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

芸術論について初歩から学べる本であるが、やはり全くの初心者には難しいので、付録の最初にある現代の芸術のどれかひとつから始めるのがいいと思われる。この付録は学生にも役立つ。

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2026年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

内容が理解できたような、理解できなかったような…
ただ、今後映画や絵画、小説を見る時はもっと気楽に見てみて、心に残ったものについてさらに幅を広げて観察したり、その分野の勉強をしたりしてみようと思った。

以下記憶に残った部分を残します。
・センスとは、リズム、広く捉えた形のこと
・リズムとは、存在/不在の明滅である「ビート」と生成変化の「うねり」のこと
・人間は欠如している状態を解消し、安定状態を求める(0→1)
・サスペンスは宙吊りという意味で、人間にとって不快な状態を先送りにしている
・距離のデコボコが意味のリズムを作る(AIは意味の近さ/遠さで文を生成する)
・リズムは反復と差異として認識され、予測誤差を肯定的に受け入れる
・センスがいいとは、反復と差異のバランスがいいこと
・映画のモンタージュはただショットを並べただけだが、鑑賞者は意味を考えてしまう
・全く制約のないものに対して、ある種のルール・設定を持ち出すことで、普通という概念や意味が与えられる
・何かを再現しようとするのではなく、ある時点での自分のできる範囲での反復・差異を表現する(仮固定)
・個性とは何かを反復してしまうもので、繰り返し表現されているものがその作者が表現しようとする問題である
・人間の個性は、人生で見聞き・経験したテンプレにより形成されるが、どの典型に距離が近かったのかによってオリジナリティが出る
(第8章のアンチセンスに関する部分は理解できませんでした…)

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2026年03月31日

Posted by ブクログ

センスが良くなるヒントがあるのかと思って読むと芸術論と哲学の話だった。餃子は音楽というパワーワードだけ印象的だった。

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

センスとはリズムだというのは面白い。たしかにリズムとか存在、不在の観点を持つと抽象画の鑑賞にいくつものヒントが生まれた。ぼんやりとしか見えなかったものにとっかかりが見えてくる。ぼんやりとしか見えなかったものを細分化することができるようになる。やはり鑑賞のコツは細分化で、鑑賞のセンスとは細分化の手法をいくつも知っていることなのかもしれない。
燃えるような青の話も面白い。遠い位置に存在するように思える言葉同士の距離が縮まるとそこに深い意味があるように感じられる。
後半は平易な文章で抽象的なことを言っていて難しい。あんまり理解できていない。簡単なところはわかる。個性はその人特有の偶然性。とか面白い。
この本ももう一回読み直したい。

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2026年02月23日

Posted by ブクログ

哲学苦手な私には難しかった

そうなると途中でやめてしまう私には珍しく最後まで読み切った
ということは、哲学好きな人にはおもしろいのかもしれない

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2025年12月15日

Posted by ブクログ

芸術(普段の生活も)=リズムの連続だという価値観が面白いと感じた。
絵画鑑賞にもこれまで興味を抱いていなかったが、これを機に美術館にも足を運んでみたい。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

センスとは、 不安やストレスを面白さに転換しながら、偶然性と細部を楽しむ“脱意味的なリズム感” を身につけること──その訓練は、多様な体験を受け入れ、断片を言語化し、自分なりの余白を肯定する姿勢から始まる。

・文化資本=“不安を面白さに変える回路”をつくること
┗多様なジャンルに触れると最初は不安を感じるが、その不安を好奇心に転換できる柔軟性こそが文化資本。

・センスは“直観的で総合的な判断力”
┗感覚(感性)と思考(分析)をつなぐ力であり、ジャンル横断的に働く。

・モデル(既成の型)から降りる瞬間にセンスは目覚める
┗単に優等生的に“再現”する段階を超え、自分なりの視点で再構成するときに創造性が生まれる。

・遊び=ストレスを“あえて楽しむ”営み
┗予測不能なズレや負荷を受け入れ、リズムとして味わうことでセンスが磨かれる。

・“脱意味的”にリズムを味わう姿勢
┗良し悪しの二項対立をいったん留保し、作品や体験の“でこぼこ”の流れ自体を楽しむ視野の切り替えが重要。

・感動を半分“保留”して細部を観察する
┗大きな物語や感情に飲み込まれず、微細な要素を言語化する練習がセンスを拡張する。

・“言いにくい小さなこと”を言葉にする訓練
┗ひと言で要約できない複雑さに耐え、断片的な印象をメモすることで感性の解像度を上げる。

・優れた演奏は“譜面どおり”を超える余白をもつ
┗正確さ+偶然性(予測誤差)の両立がスケール感や迫力を生む。

・“偶然性の余らせ方”を肯定し、自分の手札で勝負する
┗完璧な実力を待たず、現状の技術と偶然性を組み合わせて決断する姿勢が創造につながる。

・私たちは“耐えられる範囲の予測誤差”を求めている
┗ペットの動きが愛らしいのは適度な予測不能性があるから。同様に創作や体験でも心地よいズレが魅力になる。

・“体に残った断片”を書き留めて再鑑賞するプロセス
┗意味づけよりも、なぜか思い出されるイメージを列挙 → 再び作品に触れ、ズレや新しい発見を味わう。

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2025年12月14日

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