あらすじ
あなたのセンスが良くなる本!
哲学三部作のラストを飾る一冊がついに誕生
服選びや食事の店選び、インテリアのレイアウトや仕事の筋まで、さまざまなジャンルについて言われる「センスがいい」「悪い」という言葉。あるいは、「あの人はアートがわかる」「音楽がわかる」という芸術的センスを捉えた発言。
何か自分の体質について言われているようで、どうにもできない部分に関わっているようで、気になって仕方がない。このいわく言い難い、因数分解の難しい「センス」とは何か? 果たしてセンスの良さは変えられるのか?
音楽、絵画、小説、映画……芸術的諸ジャンルを横断しながら考える「センスの哲学」にして、芸術入門の書。
フォーマリスト的に形を捉え、そのリズムを楽しむために。
哲学・思想と小説・美術の両輪で活躍する著者による哲学三部作(『勉強の哲学』『現代思想入門』)の最終作、満を持していよいよ誕生!
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さて、実は、この本は「センスが良くなる本」です。
と言うと、そんなバカな、「お前にセンスがわかるのか」と非難が飛んでくるんじゃないかと思うんですが……ひとまず、そう言ってみましょう。
「センスが良くなる」というのは、まあ、ハッタリだと思ってください。この本によって、皆さんが期待されている意味で「センスが良くなる」かどうかは、わかりません。ただ、ものを見るときの「ある感覚」が伝わってほしいと希望しています(「はじめに」より)。
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Posted by ブクログ
人生は、何かを反復し、変奏していく。身体に起因しながらも、問題というものはそこから離陸し、抽象的な渦巻きとなっていく。一生涯を通して反復されるのかどうかわからない。ともかく問題と付き合いながら、人間は変身していく。あるどうしようもなさの反復には、その根底に、たまたまこの存在として生まれたという偶然性が響いている。偶然性、ランダムであることが重なっている。執拗なるものとしての必然性を持ちつつも、たまたまそうなってしまっているという偶然性が引き裂く。その時人は、そこに重要なものがある。そこには真面目にむきあわなければいけないものがある。
Posted by ブクログ
“センスとは才能ではなく技術である”という大胆な視点から、創造性や美意識を論理的に解明していく一冊です。
哲学書でありながら、アート・ファッション・日常判断にまで応用できる内容で、「センスはどう磨かれるのか?」を言葉で掴みたい人に強く響きます。
本書のおもしろいポイントは、抽象的と思われがちな“センス”を、千葉雅也さんが独自の概念や比喩によって見える化しているところ。
たとえば、「決めすぎず、ゆらぎを残す」「自分のコンテクスト(文脈)を編集する」といった発想が示され、センスが“偶然のひらめき”ではなく“選択と調整のプロセス”であることが分かってきます。
また、著者が哲学・現代思想・文化論を自在に横断しながら語るため、知的な刺激が非常に強いのも魅力。
難解なテーマでありながら、エッセイ的な軽やかさがあって読みやすく、「センスよく生きるとはどういうことか?」という根源的な問いへのヒントが随所に散りばめられています。
“センス”を感覚や流行に丸投げせず、言語化して鍛えたい人にとって、深いインスピレーションを与えてくれる哲学的ガイドのような一冊です。
Posted by ブクログ
センスとは理想像に当てはめにいくのではなく自分の内からの衝動を大事にすること。全ての物事はリズム。絵も色の配置や種類、大きさのリズム。危険を伴う逸脱が楽しいこともある。結末が遅延されるのがサスペンス的構造。逆に純文学的に物事をあるがままに捉えて、描写して、その中にリズムを見出すことも大事。立派な意味や感想だけを大事にするのではなく、もっと細部のディテールを味わってみる。その際に物事のリズムがある。
Posted by ブクログ
結局何が言いたいのかではなくて、全体像をリズムで掴むこと、そのあり方を楽しむことがセンスを感じるコツなのだなーと理解。そしてこのスピード感ある社会でいわゆるセンスのある人が余裕をもって感じられるのは、そのリズムを楽しむという余裕なんだなと腑に落ちた。
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物をそれ自体として即物的に楽しむと言う思想は自分と合ってると感じた。まあこう言うの読んでも明日には忘れちゃうけど、ふと思い出したものが残ってればいいすわ。
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わかりやすい小説よりも、情景をイメージできるような物語の内容意外の文章そのものに引き込まれる時間が好きで純文学を選ぶことが多いのですが、「何を読んでいるの?どんな話し?」と聞かれて、ひとことでは言えずに
「えっと…」と言葉に詰まることがよくありました。
大好きなのに、どんな話かと聞かれるとパッと答えられない。
きっと15分くらいはかかりそうなんだけど、まず引かれるだろうなと思って伝えられません。
まさしく、千葉さんがいうリズムなのだと感じました。
楽しいとか悲しいとかそういう感情よりも手前にある細かな描写を楽しんでいる。
それでいいんだ と思えました。
言語化するとこんなにもスッキリするんですね。
ずっともやもやしていました。
「なにを読んでいるの?」
「リズムを♪」
で、伝わるかな。
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センス=リズムとする捉え方が面白い。ビートとうねり、といいう説明もわかりやすく、同作品を鑑賞したり創作したりするかのヒントにはなりそうだ。ただ、何をどうすればセンスが良くなるか、についてはあまり納得できる内容が読み取れなかった。
Posted by ブクログ
とりあえず最後まで一通り目を通してみて、要所ではなるほどと思いながら読めたが、読み終えてみるとセンスとは結局なんだったんだろうかという感覚。
初読の現時点での理解として備忘を残しておく。
センスとは…「あるものごと(芸術、日常のあらゆることなど)を自分ならではの着眼点を持って、インプット・アウトプットできるスキル」と捉えておきたい。
まず自分のセンスを見つけること。芸術作品である小説や映画、日常のインテリアなどのものごとを味わう(インプットする)ときに、大きく全体の意味を捉えようとするのではなく、小さくてちょっとした変化(本書ではリズムという表現)を観察し、言語化することで、自分のセンスが見えてくる。それを続けることで磨かれるものであると…理解。
その自分ならではの着眼点を盛り込んだアウトプット(芸術作品を創作する、インテリアコーディネートをする)をする時に、いわゆる「センスがあるね」と他者からみえる状態になっている…のだろうか。
うーん、読解力を高めたい…。
Posted by ブクログ
哲学者による美術論。
センスはリズムの良さからくる、というのが著者の主張。
ここでの「リズム」は音楽的なものではなく、もっと広い意味で使われる。それは、抑揚、強弱、動と静、遠近、簡素と複雑、個別と全体など、二項対立的な切り口を表していると理解している。センスがよいとはリズムのバランスがよいことだ、というのが著者が考えるセンスである。センスのよいリズムは、音楽だけではなく、相反する要素のバランス、と捉えると、確かに芸術全般を表しているようにも思える。
一方で、抑揚、強弱といった二項対立ではなく、多面的な要素からなりたつセンスは無いのだろうか、という点が気になった。例えば、色。明暗、寒暖などがリズムとなるだろうが、色そのもの(赤や黄色といった色相)は並列的で多面的のように思う。音の世界でいくと、和音も複数の要素からできているような。
Audibleで聴いたこともあり、もしかしたら聴き逃しているだけなのかもしれないが。。。
Posted by ブクログ
曖昧にごまかさず「センスとはものごとをリズムとして楽しむこと」と言い切っていることが本書の真髄だと思うし、それを実際にリズミカルな文体で体現しており飽きずに興味深く読めた。
例えば絵画であれば、私たちはどうしても始めに意味(画家の意図や書かれているもの)を理解しようとするが、その前に作品自体をリズミカルな構成物として楽しみ、構造的な感動を味わうことがセンスなのだと。
また答えに辿り着くよりも、自由な余裕の時間こそが芸術鑑賞の本質であるという考え方も私に取って目新しい観点であり読んだ甲斐があったと感じた。
この著者に興味を持ったので『現代思想入門』にも手を出してみようと思う。
斬新な発想
センスとは自然と出てくるテクニック的な能力だと考えていたがリズム等で例えており色々な感覚、物事のとらえ方か養われた。
Posted by ブクログ
センスを知りたくて読むに至る。
何気なく日常で使われる「センスがいい」という言い回しは、ほとんどの人が確かな意味を知らない。その言葉に定義を与える試みが本書では行われる。「センスがいい」とは即物的にものを捉えた時にそのリズムを把握できること。脱意味を経てただそこにある形、さらに意味すらもリズムとして把握すること。
これはものの見方としてこれまで出会ってきた中でもっとも汎用性のあるものだと思う。各分野で歴史や背景を知らなければ楽しめないという固定観念を覆してくれただけでなく、各分野を繋げるきっかけになりうる。本書の前に読んでいた「暇と退屈の倫理学」において、「幸せになるには、ものを楽しめるようになり浪費せよ」という話があったが、まさにこれはものを楽しむフレームワークである。
1番好きだったのは「可能性の溢れを制限する」という言い回し。超超抽象的に言えば「いいから決める」となるのだが、人間の優柔不断な側面を「可能性が溢れている」と肯定的に捉え輝かしい言い回しにしつつ、”抑える”や”塞ぐ”ではなく「制限する」とリズムも響きもかっこよくまとめている。
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芸術とは、時間をとることである。
答えにたどり着くよりも、途中でぶらぶらする、途中で視線を散歩させるような自由な余裕の時間が、芸術の本質である。
読みやすく面白いと感じる本。
芸術活動はどういうことか考えさせられる。
Posted by ブクログ
そこまで刺さっている感じはないのにするする読めて、それがすごかった。人気のある本って読みやすいのだなと実感。
そして最後の締めになぜだかものすごく感動してしまった。
ひとり暮らしの部屋の話、
芸術とは「どうしようもなさ」が現れるもの
最後まで読みおわって、あーおもしろかったと言う感覚がのこっていてよかった
Posted by ブクログ
絵画にせよ、映画にせよ、小説にせよ、よくわからないものが面白いと思えるようになったときのその感覚は何なのか、をイマドキの言葉や学問的な言葉を持ち出しながら、あの手この手で説明してくれている。内容的には著者が言う通り前半だけでも充分。後半はどちらかと言うと、前半の論にも様々なツッコミどころがあることを、そしてそれをどのように考えるべきかを述べることによって、論が固定化することを回避しようとする、現代思想にありがちな展開となっている。それにしても上手に入門書を書く人だと思う。
Posted by ブクログ
この本で言うところの「センスがよくなる」とは、「周りから見てセンス良い人と思われるようになる」という意味ではなく「自分の中にある、自分なりのセンスを信じられるようになる」ということなのだと思った。
自分は(世の中の多くの人と同じくらいのレベル感で)絵やアニメを楽しむのが好きで、でもやっぱり時代性やテーマやジャンルを重視しがちなところはあったので、「リズムを感じる」を意識して鑑賞してみようかなと思った。
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芸術に関わらず、生き方に関しても気づきを与えてくれる。
コスパ、タイパに囚われ、忙しく日々生きる中で、立ち止まって時間の余白を味わうのもいいかもと思えた。
目的地に向かって一本道突き進むのではなく、道草食いながら、時にはスキップをして進んでみる。そんな生き方も粋なのかなと。
Posted by ブクログ
本を読んでいると、作家と自分との相性というものが必ず出てくる。この人は日本語を書いているはずなのに、なぜか全く頭に入ってこないということがある。
けれど、この本の著者の言葉とはとても相性が良かったようで、私が拙い思考を巡らせていたことが見事に言語化されていて、今まで読んだ本の中で一番付箋を貼ったかもしれない。基本的に本は読み終わったら売ってしまうが、これは手元に置いて、いつでも見返せるようにしておきたいと思った。
センスとは何なのか。最近よく言われる「エモい」とは何なのか。そんなことを私なんかよりもっともっと頭の良い人たちが、遥か昔に概念として確立していたことに驚いた。
意味のないもの、何も目指していない、ただそこにいることの尊さを、改めて見直したいと思った。
「家族を大切にする」「愛は大切」「差別はいけない」そんな抽象的な概念というのは、おおよそ10代20代で全て吸収してしまうだろう。だからこそ、そこにたどり着く過程こそに意味があり、その人の人生、その人のセンスがある。
何度でも読み返して、自分の軸を確立していきたいと思った。
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芸術(普段の生活も)=リズムの連続だという価値観が面白いと感じた。
絵画鑑賞にもこれまで興味を抱いていなかったが、これを機に美術館にも足を運んでみたい。
Posted by ブクログ
「センスとは何ぞや?」という疑問を解決するために読んでみました。
一般的に言う“センスがいい”とは、どういう状態なのか。
読んでみて、その答えがなんとなく見えてきた気がします。
ただ、これはあくまで私の感覚ですが、この一冊を読んだだけで「自分のセンス」が突然見つかるわけではないと思うんです。
付録の「芸術と生活をつなぐワーク」を日常に取り入れ、少しずつキャパを広げていった先に、ようやく輪郭が見えてくるものなのでは? そんなふうに感じました。
そもそも“センスがいい”とはどういう状態なのか。
抽象的ではありますが、私はここが肝だと思っています。
作中に出てくるこの言葉――
「差異とは予測誤差であり、予測誤差がほどほどの範囲に収まっていると美的になる。それに対し、予測誤差が大きく、どうなるかわからないという偶然性が強まっていくと崇高的になる。」
この説明がとても腑に落ちました。
自分の経験値や勉強量によって、予測誤差の許容範囲は広がったり狭まったりする。
そして、その範囲内に収まっているものを私たちは「美しい」「センスがいい」と感じるのだと思います。
たしかに、美術・文学・音楽・映画など、一般に“芸術”と呼ばれるものを振り返ってみても、思わず美しいと感じるものは、自分の知っている世界からほんの少しズレている程度のものが多い気がします。
しかし――自分だけのセンスを見つけたいなら、この“美しい”の範疇から抜け出す必要がある。
崇高的である、とは、既存の概念を打ち破るような、歴史に衝撃を与えるような作品だとも言えるはずです。
ただし、崇高的と評価されるためには、結局は他者からの評価がセットになってしまう。
偶然性が強まるというのは、言い換えれば“運”の要素も大きい気がします。
評価されなければ駄作として消えていく可能性もある。ここは正直、残酷な世界ですが……。
そんな抽象的なことを、あれこれ考えていました。
ちなみに「芸術と生活をつなぐワーク」もやってみたのですが、ここに書くとかなりの分量になりそうなので割愛します。
ただ、このワークは“自分の得意分野”で試すととても価値があると感じました。
私は、先日どうにも生理的に受けつけなかった小説を題材に、どの部分が私の予測誤差を超えていたのか分析してみたんです。
これを何度か続けていくと、自分の美的の範囲が少しずつ見えてくるのだと思います。
「ここまでは美的。でもこれより踏み込むと、崇高なのか、ただの駄作なのかの分岐点」
そんなラインが、少しずつ見えてくる感じ。
芸術以外にも応用できる考え方なので、まさに“芸術と生活をつなぐワーク”という名の通りだと思います。
そして――正直、自分の理解が本当に合っているのかはわかりません。
文章自体はかなりわかりやすいのに、突き詰めて考えると、答えが出るようでいて出ない。
読めば読むほど、“簡単なようで難しいことが書かれている本なんだな……”と感じました。
Posted by ブクログ
書名からは気がつかなかったが、芸術論(特に美術論)の入門書というべき本。「センスが良い、悪い」などの表現は通常の会話で良く使われるが、ではそのセンスとは何なのか?辞書の説明、「意味」「感覚」「判断力・分別」から始まり、センスが悪いとはほとんど人格の否定であり、悪いではなく、「センスを自覚していない」というべきという主張から前半が始まるような気がする。単に感覚的なファッション・センスといった意味ではなく、先天的な生まれつきという意味を含んだ非常に重い言葉なのだ。そして、センスの本質はリズムであり、美術も、音楽も、また文学もリズム!との後半。これは確かに頷ける。ChatGPTはこちらの問いかけの本当の意味を考えているだけでなく、即座にそれっぽく答えるだけの「ノリのいいヤツ」に過ぎないとの説明には苦笑い!芸術に関わるとは、そもそも無駄なものである時間を味わうこと。あるいは芸術作品とは、いわば「時間の結晶」である。との言葉がでてくる。(P186)全く言い得て妙!時間を浪費するのではなく、豊かな時間を味わうこととして今後もそのようなトキを大切にしたい。
Posted by ブクログ
センスがよいとは、「これは素敵だ」と直感的に捉えることも大事だし、素敵だと感じる要素はどこのどのような表れに対して感じられているか、を語れることだと理解。
Posted by ブクログ
センスがいい、センスが悪いっていろんな場面で使うけど、その時その時で多分意味違うし、ほぼ説明できない直感。
でも、センスよくありたい。どうやったら磨けるのか、ヒントが書いてあるような気がする^_^
Posted by ブクログ
センスというものが何なのか理解したい人におすすめ。
【概要】
●センスとは何か
●芸術とセンスの関係性
【感想】
●センスとは何なのか、最初に簡潔に定義した後、深堀していく。
●この本をタイトルと人気で選んだところ、本書の狙いは「芸術と生活をつなげる感覚を伝えること」にあり、芸術がどうしても絡んでくる内容であるということを読み始めてからわかった。
●しかしながら芸術に興味がなくても勉強になる部分は多々ある。いろいろなジャンルのものをリズムで捉えるという発想が面白い。
Posted by ブクログ
センスというものを物事の意味から入っていくのではなく、逆に表面的なものから入っていくというアプローチが面白い。外から攻めてって中(真髄)に近づいていく。センスを磨くには確実な方法かと思う。
Posted by ブクログ
センスとは、 不安やストレスを面白さに転換しながら、偶然性と細部を楽しむ“脱意味的なリズム感” を身につけること──その訓練は、多様な体験を受け入れ、断片を言語化し、自分なりの余白を肯定する姿勢から始まる。
・文化資本=“不安を面白さに変える回路”をつくること
┗多様なジャンルに触れると最初は不安を感じるが、その不安を好奇心に転換できる柔軟性こそが文化資本。
・センスは“直観的で総合的な判断力”
┗感覚(感性)と思考(分析)をつなぐ力であり、ジャンル横断的に働く。
・モデル(既成の型)から降りる瞬間にセンスは目覚める
┗単に優等生的に“再現”する段階を超え、自分なりの視点で再構成するときに創造性が生まれる。
・遊び=ストレスを“あえて楽しむ”営み
┗予測不能なズレや負荷を受け入れ、リズムとして味わうことでセンスが磨かれる。
・“脱意味的”にリズムを味わう姿勢
┗良し悪しの二項対立をいったん留保し、作品や体験の“でこぼこ”の流れ自体を楽しむ視野の切り替えが重要。
・感動を半分“保留”して細部を観察する
┗大きな物語や感情に飲み込まれず、微細な要素を言語化する練習がセンスを拡張する。
・“言いにくい小さなこと”を言葉にする訓練
┗ひと言で要約できない複雑さに耐え、断片的な印象をメモすることで感性の解像度を上げる。
・優れた演奏は“譜面どおり”を超える余白をもつ
┗正確さ+偶然性(予測誤差)の両立がスケール感や迫力を生む。
・“偶然性の余らせ方”を肯定し、自分の手札で勝負する
┗完璧な実力を待たず、現状の技術と偶然性を組み合わせて決断する姿勢が創造につながる。
・私たちは“耐えられる範囲の予測誤差”を求めている
┗ペットの動きが愛らしいのは適度な予測不能性があるから。同様に創作や体験でも心地よいズレが魅力になる。
・“体に残った断片”を書き留めて再鑑賞するプロセス
┗意味づけよりも、なぜか思い出されるイメージを列挙 → 再び作品に触れ、ズレや新しい発見を味わう。