【感想・ネタバレ】宇宙の哲学のレビュー

あらすじ

宇宙の歴史は有限か無限か? 「この宇宙」はどのように生まれたのか? 時間以前には何があったのか? ……
宇宙の謎をめぐる人類の探究の歴史を、ケプラーのSF的宇宙探索物語、パスカルの無限空間への恐怖、ニュートンの普遍力学、カントのコペルニクス的転回、ラプラスの魔、パースの進化論的宇宙論といった魅力的なトピックとともに、コンパクトかつ深く辿る!
ビッグバン宇宙論や多宇宙論など、物理学の最新成果を踏まえた、哲学の泰斗による「新しい自然哲学」構築の試み。
解説は、『なぜ宇宙は存在するのか』の野村泰紀氏(理論物理学/カリフォルニア大学バークレー校教授)。

[目次]
■講義 自然哲学の行方
第一講 コスモロジーの自立
(われわれの生きる宇宙/…新しい自然哲学の時代のとばぐち/…)
第二講 ケプラーの夢
(伝統的思考法からの独立/…世界初のサイエンス・フィクション/…)
第三講 無限宇宙の永遠の沈黙
(…沈黙する宇宙と人間の孤独/…パスカルの根源性と先駆性)
第四講 時空をめぐる論争
(ニュートン力学が切りひらいた問い/カントによる時空論の総合/…)
第五講 レヴォリューションーー回転か革命か
(世界観の転換/…時空やカテゴリーは固定的か)
第六講 決定論の崩壊
(ラプラスの魔/…非決定論の方へ)
第七講 ビッグバンの方へ
(「人類の偉大な一歩」/…哲学に役割は残されているか/…)
■補講 宇宙の時間、有限か無限か
補講一 有限説と無限説
(カントの「誤り」を超えて/…宇宙の歴史は無限か/…)
補講二 カントのアンチノミー
(アンチノミーが暴くもの/…ゼノンのパラドクスから一九世紀の数学・論理学へ)
補講三 パースの宇宙論
(進化論的宇宙論ーーカオスからコスモスへ/…現実の「外」へと目を向ける方法)
■解説 新しい自然哲学は未解決問題に挑めるか 野村泰紀
■人名索引

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Posted by ブクログ

ルネサンス以降近代科学が勃興してから現代のビッグバン宇宙論に至るまでの流れを、科学と哲学の共同作業という観点で追っていく好奇心唆られる著作
デカルトやパスカル、カントの宇宙論は勿論、ニュートンら科学者の宇宙論も概観できて面白かった

第1講から第6講まで名だたる科学者や哲学者が交代しつつ進んでいって、近代という時代は皆が「コスモロジーの自立」に向かって手を取り合っていたんだと思うと熱くなる
カントの理論を敷衍したパースら論理学者の理論も興味深かった
解説も、理論物理学者の補足があったりとワクワクさせられた

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

 いやぁー、難しくて頭がちぎれそうになりました。題名はあっさりしているし、170頁ほどの文庫なので、書店で購入しましたが、半分も理解できていないと思います。内容的には宇宙や時間は無限なのか有限なのかといった議論なのですが、考えれば考えるほどわかりません。無の状態から第一の閃光があり、その閃光どうしの流れが生まれて時間が誕生する?なんのこっちゃ?
 相対性理論と量子論的をミックスすると「宇宙の哲学」が生まれるらしい。ううぅぅん!わからなかったけど、ケプラーやニュートンやカントやパースが凄い人だということはわかりました。

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2024年05月04日

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