あらすじ
紀元前7世紀。中央アジア、カスピ海沿岸の沼沢地帯マッサゲタイに生まれたタハーミラィの運命は、国王カーリアフに嫁ぐことで大きく動き出す。戦乱の予感の中、王に従いメディア帝国の都に辿りついた彼女は、いつか夢の王国を築きたいと語るクルシュという青年に強く魅了されるのだが――。広大な版図の大地で、戦乱と政治に翻弄されながら己の運命を切り開き、強国に立ち向かった実在の女王の半生を描く、壮大な歴史ドラマ!(『マッサゲタイの戦女王』改題)
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Posted by ブクログ
主人公 タハーミラィ の瞳の色はブルー
青空のような色だという。
美しいと思う人
邪眼だと気味悪るがる人
好きだと思っていた従兄弟ゼーズル
結婚した相手の王様 カーリアフ
野心を隠した他国の王子 クルシュ
タハーミラィは 自分の意見をはっきり言うことで
運命を切り開いてきた。
タハーミラィがマッサゲタイ族の女王として先頭に立ち
戦った時
敵方に捕えられていた息子 王子は
母は自分のために なにもかも投げ出し 敵からの辱めも受けるだろう
だから そんな目に合わすわけにはいかない
と自害する。
頼りない子だったんだろうけど 自分はかけがえのないものとして 母親に愛されているんだ
と確信を持っていた
というのは タハーミラィにとっては
悲しいけど 幸せなことだったかもしれない。
終わりには 結局
従兄弟のゼーズルもクルシュも タハーミラィに愛情を持っていた。
タハーミラィは この二人だけじゃなく
亡くなった王様カーリアフや
周りの人たちにも 思いやりがある。
周りの人を大事に思って生きているから
いざという時 みんな ついてくるんだろうね。
戦いのシーンの迫力もいいけど
クルシュを看取ったり ゼーズルと クルシュの作った庭園を見に行ったり
最後は自分の居場所に帰ったり
いい終わり方でした。
壮大な物語でした。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった! 歴史や地理には詳しくないけど、詳しくなくても全然楽しめる。何より、ヒロインがカッコよくて魅力的だったかな。最後まで結ばれないところもよき……。(結ばれたら歴史が変わってしまう)
猪武者のお兄様、途中まで何しとんじゃワレェと思っていたら、最後の最後でいい働きをしてくれました。
日本人にはあまり馴染みがない地域の話だろうけど、歴史小説好きなら読んだ方がいいし、馴染みがないからこそ、先入観なしにキャラ文芸に近い感覚で楽しめるのではないかと思う。
Posted by ブクログ
とても面白い歴史小説であると同時に、この時代に生きた女性たちの苦渋や戦いが描かれていて、今を生きる女性としての自分にも響く描写が多かった。女性をエンパワメントしてくれる素晴らしい物語です。
Posted by ブクログ
1文字1文字、丁寧に読むべき特別な1冊。
「戦い」の場面も、しっかりと、丁寧に、
しかし決して、グロテスクには描かない。
著者の表現力に感服する。
「中央アジア」がもともと好きで手に取ったが、
予想を遥かに超える内容に、
読んでよかったと心から思う。
最後の最後まで、主人公から目を離せなかった。
Posted by ブクログ
紀元前600年頃の話し
マッサゲタイという遊牧民の国には王様がいて主人公のタハーミラィは幼くしてその王の妃となりました。
しかしその結婚はタハーミラィの望むものではありませんでした・・・
マッサゲタイの王国はメディア帝国に兵力を売っており、タハーミラィも王である夫と共にメディア帝国を訪れます。
この時、タハーミラィは運命的な出逢いを果たし、その後世界は大きな激震に揺り動かされます!!!
タハーミラィのマッサゲタイ王国は激動の時代に歴史に踏み潰される事なく生き抜く事が出来るのか?
そして、タハーミラィの愛は誰の元に齎されるものなのか?
自分の知らなかった歴史がまた少しだけ塗り潰されました!
誰も知らない、誰も手をつけていない歴史の1ページを読むようで久々にワクワクしながら読める歴史小説でした!!
田中芳樹さんの解説も良かったです!
Posted by ブクログ
世界史履修漏れ勢なのでハイファンタジーと思い込んで買った笑
マッサゲタイ(マッサゲテ)はカザフスタンのあたりなのかな。
クルシュ=アケメネス朝ペルシャの祖キュロスなのだそうだ。うっすら習った記憶はある程度。
紀元前の文化が詳細に描写されていてすごい。とても読み応えがあっておもしろかった。
マッサゲタイの女王タハーミラィ(トミュリス)を主人公とした骨太な歴史小説ではあるものの、ラブロマンス寄りな部分もあり、クルシュが最後までタハーミラィを忘れられなかったというのが思いのほか甘ったるくてびっくりしたが、ヘロドトスの『歴史』から着想されたのであれば必然的な展開だったのね。
聡明さを発揮してカーリアフの右腕となり、最後は自ら軍を率いて戦うタハーミラィはとてもかっこよかった。
物語の部隊こそ紀元前だが、出自や宗教などに関係なく皆が幸せに暮らせる国というクルシュの理想はきわめて現代的で、その時代から2600年ぐらい経とうとしているのに未だ達成されていないよな、と思う。
タハーミラィの初恋の従兄ゼーズル、夫となるカーリアフ、忘れがたい出会いをしたクルシュと、魅力的な男性陣が多いので宝塚とかでやっても面白そうだなあと思う。その場合ゼーズル主役になるのかな。
ゼーズルは途中何してんねんと思ったが、一途すぎる横恋慕よりもタハーミラィを不幸にしてしまったのではという罪の呵責のほうが大きそうで、いいやつだったなあ。