【感想・ネタバレ】無間の鐘のレビュー

あらすじ

修験者のなりをして国々を放浪する謎の「十三童子」。
役者と見まがうこの色男は、錫杖を鳴らし銀のキセルをふかしながら、欲にまみれた人間たちをこう誘う。
ーー来世で地獄に堕ちてもよいなら、ひとつだけ願ってこの鐘を撞け。
ただし、撞いた者は来世に底なしの無間地獄に堕ち、子も今生で地獄に堕ちる。
撞くか撞かぬは、本人次第。さあ、あなたならどうする?

人の欲をためす不思議の鐘、鳴らすか、やめるか? 今が人生の分かれ道。
ストーリーテリングの凄さ際立つ新星が放つ傑作時代小説!

心の奥底に響く物語。深い、深すぎる。ー細谷正充(文芸評論家)

読むと、心のひだをじゃらんと撫でる音が聞こえる。ー三宅あみ(ジャパネスク・ナビゲーター/江戸文化研究家)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

時代小説らしい人情物語なんだけど、ちょっと回りくどい気がしないでもない。
主人公により語り口調で進められ、それぞれの話が時系列でつながっていく。誰にどこでこの主人公が語っているのかが徐々に明かされ、最終章で総まとめ。鐘を撞くことで望みは叶うがあの世で無間地獄、子供をもうけた場合、その子はこの世で無間地獄。そんな鐘をその人に撞かせるの!?って全然人情ものじゃないやんって、待って。ちゃんとオチがあるんです。そんなノリが好き。物語全体はなんとなく古臭い使いまわしの気がしないでもないけど、思わぬ展開にほっこりする。

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2025年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 6作の連作短編からなる時代小説。
 修験者然とした十三童子が、無間の鐘を携えて時空を超えて人の世を行脚しているそうな。その鐘を撞けば、どんな願いも叶うが、撞いた者は底なしの無間地獄に堕ち、その子も今生の地獄を見る。さて、撞くか撞かぬか? と欲のある人に迫る。
 笑うセールスマンのような、撞いたら最後、「ドーン!」とオチが待ってる戒めに満ちた短編集かな? と読み進むが、少し予想外の展開だった。

 「小説現代」に掲載された「親孝行の鐘」「嘘の鐘」以降は、書き下ろし。「黄泉比良坂の鐘」が古事記の逸話も引きつつ、良い話だったかな。
 以下、「慈悲の鐘」「真実の鐘」、「無間の鐘」と続く。
 嵐で難破した船の乗組員たちが岬の小屋に逃げ込んだところから話が始まり、ふと現れた十三童子が、夜が明けるまでの時間つぶしの余興にと、彼が体験してきた、鐘を撞いた人々の逸話を語っていく設えであるが、そもそも、なんで、そんなシチュエーションからだろうと頭の片隅に「?」を置いておくとよい。
 全てがつながって、難破した船、その乗員の素性が明かされていくというオチは、悪くなかった。

 結局、無間の鐘は本当に欲を叶えてくれるのか、は謎のまま。十三童子とはいったい何者なのか。まだ続編は紡げそうだ。
 なにしろ、彼の旅の終わりは、「この世から欲がなくなるまででございます」とのこと。

 最後のこのセリフは、人の性(さが)を言い当てているようで、耳が痛い。

「清吉さんのおっしゃる通り。なくなるわけがございません。今いるこの世こそが、私にっては無間地獄なのでございます。」

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2024年07月11日

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